2021/08/15 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にカザンさんが現れました。
■カザン > 「お。この辺も出そうだな……ふんっ!!」
地震があった後。
山の中を彷徨う鬼は、地面を伝う気配を感じる
地面の下を流れる熱い湯の感触を足裏で感じ
どずん!!
その感覚のまま、地面に拳を深く叩きつけ
衝撃を地面深くに伝えれば
その衝撃によって地の底から温泉が溢れだしていく
間欠泉のように吹き出す温泉を見て鬼は満足そうに笑い
「おォ、ここもいい湯だな。整えておくか」
そうなれば、周りを素手で掘削し、整え
即席の温泉を作り上げていく
となれば、一番風呂は鬼の特権だろう
紅い腰巻を取り払い、ざぱ、と温泉に身体を浸からせて
「あ"~~……、これよな。地の揺れの恵みよ」
ぶふーー、と大きく息を吐いて、巨躯の鬼が山の中でのんびりとしていて
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からカザンさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にジギィさんが現れました。
■ジギィ > 山賊街道と渾名するくらいの街道近く、当然山賊の本拠地も多い山中。
時折王国によって収集される、傭兵や冒険者たちの寄せ集めの討伐体によって蹴散らされ、しばらくしたはまた蔓延り――――それは幾度となく繰り返されている。
そんな何度目とも知れない討伐隊派遣。今はアスピダの件もあるからだろう、ほぼ冒険者ばかりで編成された部隊は今、雨の山中で2の足を踏んでいた。
昼前から降り続いた雨は、午後半ばの今岩肌が目立つ山道に小さく流れを作り、苔が蔓延った路を滑りやすくさせている。特に重量のある者や足腰に自信のない魔法使いの類は、あちこちで体勢をくずしてはこぞって疲弊していっていた。
(…そろそろ決めたほうが良いんじゃないかなー…)
部隊の殿を、割と軽い足取りで追いかけるエルフは内心思う。
率いている部隊長としては何がしか、本拠の手がかりくらいの成果をあげて帰りたいのだろうが、夜が迫って来ては下山も難しくなってくる。野営をして明日も引き続き捜索を行うにも、一度王都に引き揚げるにしても、早く決断をしなければ疲弊している者のなかから今度は怪我人が出かねない。
女エルフとしては、ぬかるみを歩くのも濡れるのも慣れているからいいけれど
(…お風呂入りたいな)
確か、温泉もそこかしこに沸く山だったはずだ。どこかに湯煙が見えたら、それを口実に休憩くらいは進言してみようか。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にカザンさんが現れました。
■カザン > エルフを殿とした冒険者の隊が山中を進んでいるおり、湯煙を捜しているなら
雨に混じって少し離れた山中の岩肌から立ち上る湯気を確認することができるだろう
「ん~、んー、っとぉ、雨降ると鬱陶しいからなァ。これくらいは作っておくか」
そして、その湯気の下には巨大な鬼が何やら木と草で組んだ屋根を作っている
雨粒を全て防ぐことは叶わないが、ある程度は防げる屋根
それに加えて、夕方に掘り当てたこの温泉は大人数人であれば余裕で入れる大きさがあり
天然であり、鉱物が溶け出しているのか…薄い黄土色に濁ったその湯には疲労回復や美肌などの効果がある。
鼻を衝く、独特な匂いも湯気に混じって立ち上り、雨で無ければはっきりと遠くにも届くほど
風呂は凹状に掘られた岩の中に滾々と湧いており、溢れた湯はそのまま岩肌を滑り落ちている
何の工夫も無い、野趣あふれる露天風呂である
「…ん?何か近くに居るな…、まァいいか。喧嘩吹っ掛けてくんなら追い返すだけだ」
鬼の方からも、冒険隊の事を感知はしており、時折視線を向けているが
特に危害を加えられない限り襲い掛かるつもりはなく
今のところ、鬼はただ素手で木と丈夫な草を組み合わせて建設を続けている
目がいいなら、岩肌を動き回る赤黒い巨大な姿を見ることもできるだろう
隊長が発見するか、殿のエルフが発見するかは運といったところか。
■ジギィ > 「ん―…」
ひょいひょいと濡れた岩肌を難なく歩き、時折は雨の中、木々の間を見通している。
隊列から遅れ始めた魔法使いの一人が、偶に足を滑らせてへたり込みそうになるのを、後ろから支えてあげては呑気な景気づけの言葉を掛けてあげていると―――
「あ」
と上げた声は意外と雨の中、隊の全員に届いてしまったらしい。
その瞬間エルフが見ていた方向に皆の視線が集中して、しまった、と当のエルフが思ったのも束の間
考えることは皆似たような事だったらしい、先頭を行く誰かが隊長に休憩を進言する。隊長自身も限界を感じていたのだろう、進行を止める声がかかって、安堵のため息がそこかしこから。
その間に、隊長と連れ立って身の軽い者が湯煙のほうへと。
――――そして、見付ける赤黒い姿。
……隊長の判断は、撤退だった。疲弊しきった隊に、未知との遭遇はリスクが高いだけだ。
隊まで戻って来ると、『静かに』移動を命じる声。
(えぇー……)
理由を知らない誰もが零した声だったろうが
雨の中、出来るだけ湯煙から遠ざかる方へ、隊は移動していくだろう
■カザン > 隊長の判断は酷く正しい
疲弊している中、それなのに未知に対してわざわざちょっかいを出す指示などする隊長はいないだろう
ただ、隊が鬼を見ていれば鬼も隊を見ており
「―――ンだありゃ。あんなもん、襲われたら終わりだろうが」
雨のぬかるみなど、鬼にとってはどうでもいいものだが…
遠くから見ても、その人間の群れは疲弊している
魔法使いは隊から落伍しそうになっているし、隊を率いるもの自身の歩みも重く見える
盗賊だけではなく、当然魔物も居る森の中だ。
このまま行けば、何がしかの出来事が起きて森の中に死体が沢山…などと言う面倒な事にもなりかねない、と鬼は考えていて
作業を中断し、うーーん、と腕を組んで、しばらく遠ざかっていく隊を見つめていたが
まあ、これを無視するならそれも構わんだろうと口を大きく開け
「おぉおおおおおおおい、休んでいかんか―――――!
温泉があるぞ―――――!!俺は何もせん!そのままじゃぁお前らが可哀そうじゃー!」
木々の間で雨宿りをしていた鳥などが慌てて飛び立つような大声をあげる鬼
この鬼は人間を無暗に襲うことはせず、何なら弱い者には手を差し伸べる性質だ
しかし、自身が恐れられているとも、知っている
だから、例えば岩肌から飛び降りて追う…などということはせず
大きく両手を振り、無害をアピールしながら、判断を人間側に委ねる
奸計と取られれば仕方なし。せっかくの交流のチャンスだが、見送るとしよう