2021/07/23 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にカザンさんが現れました。
カザン > 「どっこいせ、っとぉ…」

ずしん、ずしん、と音を立てて
巨躯の鬼が、山中を歩いている
別に里を襲うつもりだとか、そういうつもりは無いが

あまりに暇で暇で、その辺りを歩くしかすることがないのだ
大抵の冒険者などは自分の姿を見ただけで逃げてしまうし
それは周囲の村などでも同じこと

鬼に比肩する強者も久しく見ていない
居れば是非戦いたいところだが、どこかに隠れてしまったか、あるいは既にそんな強者はいないのか
だからもう、永い時を生きてはいるが、後は天命に身を任せるつもりでいる

やることと言えば、こうして山の中をのんびりと歩き
草木と、川のせせらぎに耳を貸すくらいのものだ

近くの木に成っていた果実をもぎ、喉を潤しながらあてどなく進む

カザン > 「ンのあたりも落ち着いたもんだなァ…
昔は獣やら荒くれが良く居たもんだが」

1人、筋骨隆々の身体を日に焼きながら歩く
川に寄れば、水を掬って一口飲み
静かな森を感じている

ただ、その表情は退屈に塗り潰されており
冒険者か、魔物か、他の何者か
できれば強い者がいい、とまだ見ぬ強者を想像して口角を上げつつ

深い轍を森に刻みながら、散歩している

カザン > 「しっかし、やっぱ居ねえかァ…」

はぁ―――、と鬼は深いため息を吐く
畑を耕したりのんびりと暮らしてはいるが
ただ、鬼としての性質上、暴れたくなる時はある

昔は誰かれ構わず襲っていたものだが、現在は強者との戦いでないと満足できないようになっていた
弱い者いじめをしても仕方ない、と思うようになったのが大きい

それを捜して、敢えて気配も音も隠さず山の中を彷徨っていたのだが
突っかかってくるか、あるいは話しかけてくるような者も居ないようだ

もうしばらくしたらねぐらに帰るかと思いつつ
地響きを軽く鳴らし、辺りに自分の存在をアピールしている

カザン > 「ん?…ったく、誰だ、食い散らかしたのは…」

そろそろ帰るか、と思ったところに
鬼の気配に驚いたのか、魔物の死体が放置されているのを見つける
齧られてはいるものの、全て喰われてはいなかったため、何かがあったのだろうとは思うが

猪型のその魔物を担ぎ上げ、ねぐらへと歩き出す
鬼に匹敵するほど巨大ではあるが、それが死んでいるということは
周りに何かがあるのかもしれない

「…ま、ゆっくり探すか。その内会えんだろ」

ずるり、ずるりと
血の匂いを漂わせながら、鬼は歩いていく

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からカザンさんが去りました。