2021/04/26 のログ
レイ > 出来るだけ心配を掛けないように簡単な依頼しか受けてはいない。
それでこれだけの大騒ぎになるなら大仕事を受けた時はどうなるのか心配になり。

「遠回りは今は困るよ。
ゴ、ゴブリン……?そんなのがいるのなら行かなくてよかったよ」

地図を何度も見返し、ようやく上下が逆になっていたことに気が付き。
ゴブリンの群れに遭遇など絶対にしなくてよかったと安堵して。

「本当ならとっくに戻ってる予定だったんだよ。
そういう意地悪は嫌いだよ。僕とゴブリンのかわいい赤ちゃんでも見たいのかな?」

ゴブリンとの共同生活となれば先は一つしかない。
そういう姿がみたいの?とジトりと見つめて。

「この状況で文句なんてないよ。街までよろしくお願い」

野営をするのに比べれば些細な事。
先にグリフォンに乗った少年が手を伸ばせば、それを掴んで鞍にと上がり。
後ろから抱き着くようにしてお願いと告げて。

ギュンター・ホーレルヴァッハ >  
「いや、見たくはないな。知った顔が嬲り者にされるのは好まない。
だからそういう事にならぬ様に、準備は怠るなという事だ」

ジトリとした視線を涼しい顔で返しつつ、ちょっとだけお小言の様な声色。
同年代の少女に、というよりは教師が生徒を叱る様な…相変わらず偉そうな口調だったのだろう。

「…顔と身体は良いのだから、ゴブリンではなく何処かの貴族に婿入りすれば、ウィリアムズ公も安心しただろうに。
まあ良い。では、行くぞ。舌を噛まない様に気を付けろ」

手を引いて鞍に跨った少女が此方に抱き着けば、その柔らかさを背中に感じる。
だから、という訳でも無いが、少しだけ揶揄う様な口調で少女に言葉を告げた後――グリフォンは、天高く舞い上がる。


其の侭、街の灯りを目指して一直線。
道中何事も無く、空の上で他愛のない雑談を交わしながら二人は街に辿り着くのだろう。
少女をギルドに降ろした後、ギルドの担当者達が不機嫌そうな少年にぺこぺこと頭を下げる様を、少女は見る事になるのだろうが――
それはそれ。これはこれ。
全て終わった後、少女が無事だった事に安堵の表情を浮かべていた少年の姿を見た者は…そんなに多くなかったのかもしれない。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からレイさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。