2021/04/25 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にレイさんが現れました。
■レイ > もう夕日が山の向こうに消えてしまいそうな時間。
採取用のバックを肩にかけ早足に山中を歩く。
本当ならばもっと早くに下山する予定であったが運悪く道に迷いこんな時間となってしまって。
「本当についてないよ。野営の準備なんて用意していないのに…」
季節的には風邪は引かないだろうが別な意味で危険があり。
それに対する対処の用意もないままに山中での野営は出来れば行いたくはない。
出来れば麓、欲を言えば宿場までは完全に日が落ちるまでにたどり着きたい。
そう考えて草木が身体にぶつかり音を立てる事にも構わずに歩いて。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ >
「ついていない、とは此方の台詞なのだがね」
そんな少女の耳元に、声が降り注ぐ。
ついで、落ちる影。ばっさばっさ、と何かが羽搏く音。
視線を巡らせる迄も無い。上空からゆっくりと舞い降りるのは、所謂グリフォンと呼ばれる魔物…の紛い物。
少女の行く手を遮る様に、草木を踏み潰しながら着陸する。
「…冒険者志望だか何だか知らぬが、御父上に心配をかけるのは良くないな。
おかげで私は迷子の回収に足を運ぶ羽目になった。なまじ付き合いがあると、断り難いというのに…」
ぶつぶつ、と不機嫌そうに文句を呟きながらグリフォンから降り立るのは、険しい山中には余りに似付かわしくない恰好の少年。
豪奢な礼服。磨き上げられた革靴。少女よりほんの少しだけ小柄な少年は、じろりと仏頂面で視線を向ける。
「冒険者ごっこは気が済んだかね。であれば、共に街に戻って欲しいのだが」
■レイ > 「ひゃ!」
突然に聞こえた声に何事かと足を止め。
周囲を警戒するように見まわしていれば羽ばたく音とともに降りてくる影。
上から視線をあげると降りてくる魔物に気が付き剣に手を伸ばす。
それが行く手に着陸すれば剣を抜こうをするが人が乗っている事に気が付き。
「志望ではなく冒険者になってるよ。きちんと父の説得もした上です。
……過保護な父に付き合わなくてもいいんだよ?」
魔物、グリフォンから降りてきた人影は知った顔で大きく息を吐き剣から手を離し。
山中に来るには不似合いな姿を見返して。
「ごっこじゃないよ、冒険者。街には戻るつもりだから大丈夫だよ」
迷いはしたが帰れないと思われているのは心外だと口をとがらせ。
大丈夫だと言い切って隣を歩いて抜けようとして。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ >
「………聞いている話と違うな。であれば、ギルドの連中にまんまと一杯食わされた、というわけか。
道理で、連中妙に聞き分けが良いと思ったが…」
要するに、冒険者ギルドへ介入する王族への些細な嫌がらせと、少女を心配する父親の気持ちが重なったのだ。
相手が同じ貴族の淑女であれば、帰りが遅いだの父親が心配しているだのと並べ立てれば――同じ王族の少年は、迎えに行かざるを得ない。
その後の会合や会議の予定も全部キャンセル。今頃ギルドの関係者はほくそ笑んでいるのだろうか。
「ごっこでも本職でもどちらでも構わぬ。自分で責任が取れるのならな。
……ところで、街は反対側だが。私がどっちから飛んで来たのだと思っているのかね」
隣を抜けようとする少女を止めようとはしない。
しかし、少しだけ呆れた様な声色と視線が、少女に向けられる。
「もう時間も遅い。野営でもすれば良かろう。
今から歩いたところで、麓に辿り着くのは相当遅くなると思うが。
魔物の目撃情報も出ている。暗くなってから行動するのは、得策ではないんじゃないかな」
少女の装備や準備は露知らず。
大丈夫だと告げるのならそれくらい準備しているだろう、と自分一人で帰る算段すら始めている始末。
■レイ > 「どんな話を聞いたのかは知らないけど…僕はきちんと冒険者に登録をしているよ」
ギルドでどういう話をしたのかは判らないが少年がやってくるようになった理由は父だけではなさそう。
一体どういう話になっているのかは気にはなるが確かめるつもりはなく。
「仕事のミスは自分の責任だよ。
……あれ?こっちじゃなかった?」
一人で帰れると意気込んではいたが逆と言われては足を止め。
向けられる視線よりも先にと慌てて地図を取り出して。
「野営の準備を持ってないから急いでたんだよ。
でも……それなら……んー……今回だけはお世話になろうかな…」
装備はあくまで初心者というもの。
何の準備もなく麓にもたどり着けないのなら真っ暗な中でも野営となる。
それは怖いと思ったのか考えるに考え…少年と街に戻ろうと決めては小さく告げて。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ >
「分かった分かった。今回は私の早とちりだ。
でなければ、冒険者一人の為に態々私が此処まで来る事も無い」
深々と溜息を吐き出しながら、少女の言葉に応える。
「まあ、そっちに進んでも辿り着かない事は無いが。
遠回りだし、上から見た時にゴブリンの一団が見えた。
此れ以上進むのはお勧めしないな」
地図を眺める少女を眺めながら小さく肩を竦める。
自分は空から飛んできておいて、その態度や言葉遣いは随分と偉そう。
「……冒険者なら、最低限野営の装備くらいは準備すべきじゃないかな。全く。
結果的に、迎えに来て良かったよ。まあ野営しても死にはしないと思うが。ゴブリンと仲良く共同生活するのも楽しいんじゃないかね」
装備が無い、と聞けばもう一度溜息を吐き出して項垂れる。
とはいえ、世話になると少女が告げれば顔を上げて。
「理解が早くて助かるよ。ウィリアムズ家の御令嬢を乗せるには、些か野蛮な乗り物で申し訳ないが。
乗り心地は悪くは無いから、街まで我慢する事だ」
街への移動手段は、乗って来たグリフォン擬き。
よいしょ、とグリフォンの背中に括り付けられた鞍に跨れば、少女に手を伸ばそうか。