2021/04/23 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にジギィさんが現れました。
■ジギィ > 「げっほごほ…」
山脈の山深く、獣道さえ疎らな森の中。
夜鳥の鳴く声が響く中に、咳き込む声が響く。
程なく夜の森の闇の中でも解るくらいにもうもうと白い煙が風のない木々の間に充満していって、少し特徴的な香りを空気に沁み込ませていく。
「……焚き過ぎた…」
煙の発生源の中心、木立の合間で屈み込んでいるエルフが独り。
足元には魔獣除けの香木を積んだうえに更に香草を置いて、埋火となったそこからは未だに煙が立ち上る。
慌てて灰を足したので先ほどよりは余程マシになったが…
「―――眼痛い…」
口元を布で覆って咳き込むのは止められたが、視界まで塞ぐことはできない。
ぼろぼろと若草色の瞳から涙を零しつつ煙を更に辺りに漂わせるように手をひらひらさせて――――
辺りがうすぼんやりと白く靄が掛ったようになってから、漸く落ち着いたように置いていた荷物から毛布を引っ張り出す。
薬草やらちょっとした狩猟やらで一日を山で過ごしてへとへとだ。
此処で野営をするなら、注意すべきは魔物よりもヒト。
通常の人が立ち入れないほどの魔獣がうろつく場所を選んで、一晩だけ縄張りの端を借りることにする。
―――ごく近くから、不機嫌そうな唸り声。
―――でも、近付いては来ない。
「明日には匂いも消えるから…」
女はごめんねー、とそちらへ手を合わせてから、寝床の準備を続行だ。
■ジギィ > 木々の合間に丁度良い角度で根太を這った部分を見付けると、そこに毛布を敷いて包まる。
食事は朝でいい…兎に角今は、陽光の中山歩きをした身体はへとへとで
埋火がほの赤く、強く弱く光を放つのをぼんやりと眺める眼の瞼がすぐに思たげに落ちて来る。
朝起きればすっかり魔獣除けの香りが沁みついた荷物と身体に辟易することになる、気がする。
水浴びが必要かも、等と脳裏に考えながら
睡魔に引きずられるようにして眠りに落ちる…
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からジギィさんが去りました。