2021/04/17 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にヒヨリさんが現れました。
■ヒヨリ > 九頭龍山脈、自然に湧いた泉を側にした、小休憩をするには適した場所。
…とは言え、誰か来る事は稀。
木々に隠れ、村や里へ向かうには、離れている。
偶然見付けたりしない限り、そう気付くようなことはないからだ。
そんな場所に、一人の少女が佇んでいた。
腰を掛けるにはちょうど良い、地面から食み出した樹木の根に腰掛けながら。
その少女は、特に何かをしている訳ではなく。
じーっと…と言うか、ぼーっと泉を眺めている。
その姿は、よく見ずとも、ただの人でない事は分かるだろう。
背に生えた、何かしらの鳥のような羽が、それを示しているからだ。
もっとも、その正体を知る者は、ここにはそう居ない。
妖、その存在は、あったとしても遠いシェンヤンの地だし、そう有名な存在ではないのだから。
■ヒヨリ > 少女は、特に何かをする為に、ここに居る訳ではない。
こうした、何もない時間と言うのも、好んでいる…と言うのもあるし。
そもそも、何かしろだの、そんな指示や命令を帯びている訳でもないのだ。
であれば、静かな場所、静かな時間。
こうして、のんびりと過ごすのが一番。
誰かと関わりを持つ、それが苦手な少女なのだから、仕方ないと言えば仕方無いのだが。
後は時折、好きに歌を歌えれば、それで幸せである。
ずっと一人で居るのは、寂しくない…と言えば、嘘になるが。
下手に関わって、手酷い目にあうのを考えれば、そんな事を考えるような少女なのだ。
まぁ…偶に…極稀に、良い人も居るかもしれないが。
それに期待を抱くような、そんな少女ではない。
視線を、泉から、上へ向けて夜空を見上げる。
今日も、静かな一日で、終われるよう、か?
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にカザンさんが現れました。
■カザン > 「おやまーの、ふもとーにゃ、おにがーすーむぅーっとぉ…、ん?」
人知れずある泉とはいえ、誰も知らないというわけではない
例えば、この辺りに住んでいる鬼だとか。
自然に湧いたその泉は、鬼にとってちょっと涼みたい時に利用する場所である
特に、寝苦しい夜などは猶更。
気ままに歌を歌いながら…
泉にのっしのっしと歩いていけば、途中で木の根に腰掛けた少女を見つけ
「よぉよぉ。迷子か?人じゃねーみたいだけどよ。大丈夫かい?」
滅茶苦茶にでかい体を屈めて、そう聞いてみよう
鬼の方は、ぼろい腰布だけの姿
燃えるような赤髪と赤黒い肌が特徴的な…見るからに鬼、と言った感じの風体
筋骨隆々で怖い容姿ではあるが、声音は穏やかだ
■ヒヨリ > 静かな夜、その沈黙を破ったのは、何者かの歌。
びくっ!と、その肩が跳ねたところ、それを見た者は居ないだろう。
気が付きませんように、気が付きませんように…!そんな、少女の心からの願いだが。
…それは、あっさりと打ち破られた。
その歌の主、その姿が、この泉を隠すように囲う木々の隙間から現れる。
視線が…こちらに、向けられたのは、即気付いた。
「ぴぃっ!?」
その瞬間の少女の動きは、凄まじいスピードだった事だろう。
屈み込み、声を掛ける相手ではあるものの。
そんな声と共に、少女の姿はすでにそこには無く。
側にある樹木、その背後にすでにあった。
「ち、ち、ちちち、違っ…わ、私…その、あの、えっと、だから、その。
だ、大丈夫ですぅっ!」
向ける瞳に浮かぶのは、明らかに怯えの色、なのだが。
幸いなのは、見た目はともかく、穏やかな対応であったからで。
もし、見た目に合わせた威圧的な雰囲気だったら、すでにここに少女の姿は無かっただろう。
■カザン > 「ん?ああ、すまんすまん。別にここは俺の縄張りってわけでもねぇからよ。
取って食ったりしねーから、安心しなー」
酷く怯えた様子の少女に、ははは、と笑い。
実際、ここは特に自分の土地だというわけでもない
見れば、鬼の手には桶が握られている。水を汲みに来たのだとわかるだろう
ついでとばかりにばしゃー、と水を自分の顔面に打ち付けて気持ちよさそうに声をあげてから
樹木に隠れた少女に、にか、と笑顔を見せる
「大丈夫だっつーなら、そりゃほっとくけどよ
こんな夜に、人間じゃねーとはいえちいせぇのが居たら心配になるってなもんよ。
近づかねーから、訳があんなら話してみ?」
その場にどっかりと座ってそれ以上近づかない意思を示し。
ひらひらと手を振ってみよう。
どうしても怖がられるようなら仕方ない、大人しく去ろうと考えていて。
■ヒヨリ > 相手の…鬼である男の言葉に、木の影からのまま、じっと見詰めている。
縄張りでない、それは確かだろう。
自分だって、時折、ここに来ているのだから。
そうであるならば、何度か見掛けているはずだ。
まぁ、取って食ったりはしない、と言うのはまだ確証持てないのだけど。
後、その手元の桶で、その目的は一応察した。
「べ、べ、別に、訳、とかは…
その、私は、あの、休憩…してた、だけ、ですから」
視線を外したり、戻したり、手を組んだり、揺らしたり、落ち着きの無い様子。
それでも、男の問いには、何とか答えている、ようだろうか?
自分は夜行性だとか、何かあれば逃げれるとか。
ちゃんと答えれば、心配も解けるのだろうが。
それが出来たら、苦労は無い、と言うものである。
■カザン > 最近、とある龍とご近所さんになったばかりだ
だから、もしよければ顔見知りにでも…と思いはしたのだが
やはり強面のせいか、上手くはいかない
「そーか。だがまぁ、この辺りにゃ、でけぇ蜘蛛とかも居る。
その羽、絡めとられんように気ぃつけや」
と、相手の返答を聞いてから一応注意を促してから
「ま、話題変えよか。嫌んなったらその羽で逃げりゃええやろ。
何せこんな山奥やし、何せ暇でなー。良かったら雑談付きおうてや。
ああ、と。まず、俺はカザン。この辺りでのーんびり暮らしてる鬼。お前さんは?」
受け答えはできるし、何より空を飛べるというのは地上の魔物に比べると大きなアドバンテージだ
そう心配することも無いのだろうと考えを改めて
汲んだばかりの水を桶から豪快にがぶ飲みして、また泉から水を汲む
逃げるなら逃げればいい、と笑いながら言ってから、軽く名前を聞いてみよう
■ヒヨリ > 男には男の、考え方がある訳なのだが。
実際のところ、少女のこの態度は、根っからの性格のもので。
誰が相手であっても、最初はこうなのだが、今それを知る由は無いか。
「………っ!?」
男の注意に、明らかに、怯えが深まった、気がする。
とは言っても、怯える対象は、目の前の鬼ではないのだから、判断難しいものか。
続いての男の言葉に、視線を彷徨わせたり、少し思案する素振り。
この環境をどう考えるかは、各々ではある訳だが。
暇な環境、との考え方は、確かにある。
とりあえず…
「え…っと…ヒヨリ、です…
その、ある方の、式神をさせて貰って、ます…はい」
ぽつり、ぽつり、とした語り方は、そろそろ癖みたいなものと、気付いてくれるだろうか?
相も変わらず、まともに視線を合わせられないが、一応は答えられてはいるようだ。
■カザン > 怯えた様子を見て、首をかしげる
気を付ければいいだけではあるのだが…段々、そういう性格なのではないかと思う
「ん?…まあ、よぉ上見て飛び立ちや。それだけで大丈夫なはずだ」
地面から飛び上がる時に捕らえられなければ問題ないだろうと補足。
「ヒヨリ、式神?ってことは使役されてんのか。
それにしちゃ自由っぽいが…中々豪気な主人のようだなあ」
普通、カザンが思う式神は結構主人に厳しく縛られていることが多い気がするのだが
見た限り、周りに主人は見当たらない
ということは今、この式神は自由なのだろう。
「その主人ってのはどんな奴だ?人間か?良けりゃ宴会でもしてぇなあ…」
はっはっは、とよく笑う
酒なら蓄えがある。
この式神の主が人間であろうとそうでなかろうと、ヒヨリも含めて騒ぎたいところだ
■ヒヨリ > 少女が怯える原因は、蜘蛛、にもある。
同じ式神である面子に居る、女郎蜘蛛。
あえて細かくは言わないが、色々とあったのだ。
もっとも、同じ式神であるならば、認識出来るはずなのだが。
そこまで、考えが今は回ってないらしい。
落ち着かせようとする、男の言葉ではあるものの。
いまいち、そこまで不安は消えないみたいだ。
「………あ、えっと…ご、ご主人様は、あの…
そう言う…方、なので…」
少女からすれば、自由な方、と示したい訳だが。
言葉少ななのだ、豪気な、で認識されたかもしれないが、そこは仕方無いか。
そして、笑いながらの言葉に対しては。
視線を逸らしたまま、こう、何とも言えない複雑な表情を浮かべ。
「九尾…狐…宴会、は、あの、多分…」
だから、ちゃんと言い切れ、と知った者からならば言われそうだが。
多分、誘われれば喜んで参加するだろう、と少女は考えていた。
ただ、するにせよ、今はまだ、この少女を含めては難しそうだろう。
明らかな、逃げ腰状態は継続中なのだから。
■カザン > 「ほほーう。自由にしてもらえんのはいいな。昔会ったやつはやたら縛り付けられてて可哀そうでなあ」
何ともできなかったが、とうんうん頷く
一先ず、そういう人だ、という言葉で自由というか放任であることはわかる
そうなると、なぜ式神を使役しているのかが気になるところだが、聞きすぎるのはあまりよくないだろうと深くは聞かず
「ん?まあ強制はせんよ。九尾とはまた…。なかなか強そうだなあ。
…ああ、主に伝えてくれればそれでいい。来る気があるなら、あのあたりに畑があるから、そこに来てくれ」
別に強制はしない。
来ないというならそれはそれでいい。
来てくれたら、もてなしはするが逆に言えばそれだけしかできない。
中々、相手の…臆病な感じは簡単に取れそうもない。だから立ち上がって、また気さくに手を振ろう
「さて、邪魔したな。
ゆっくりするのは良いが、気を付けて帰れよー」
これ以上居ても、ゆっくりとした時間を奪いすぎる。
言いたいことは言えたし、じゃあな、と手を振ってまたのっしのっしと歩いていこう
■ヒヨリ > 「………」
自由、それは確か。
主である九尾狐自身も、自由奔放なのだから。
ただ、少々性格に難ありか、つい視線を大きく逸らしてしまう。
が、男の言うように、縛り付けられる、と言うのも…果たして、どちらが良いのか。
「い、色んな、意味で…
………あ、は、はい…分かり、ました…」
あの主なら、それを伝えれば、好奇心に駆られ行きそうな気がしないでもない。
まぁ、それで何かあっても自己責任、ときっと言うだろう。
立ち上がり、去り際に手を振る男。
「あ…その、はい…お気を、付けて…」
手を振り返す、はさすがにしてくれないが。
男が去って行く姿を、木々に紛れ消えるまで、少女は見詰めていた。
向けられていた、警戒心は…まぁ、少しは解けていた、かもしれない。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からカザンさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からヒヨリさんが去りました。