2021/03/04 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中 温泉宿」にイディオさんが現れました。
■イディオ > (九頭龍山脈の中にいくつもある温泉宿の中のうち一つ、知る人ぞ知るという温泉宿。
冒険者程度ではそんな場所に来ることは出来ないのだが、今回は特別な理由があった。
冒険者は、此処に来たいという富豪の護衛としてこの場所に来ていた、富豪は大枚を叩き、温泉に浸かっているのだろう。
男はと言えば―――当然護衛なので、護衛をしている。
と、言っても一人きりではなく、他にも護衛が居るので交代で温泉に入る事は許可をされている。
唯々、男が今、護衛としての番をする時間という事である。)
「――――しかし、まぁ。なぜ。」
(自分が護衛として選ばれたのかは不思議でもある、確かに大盾を持ち、防御力は高く護衛としての技術はそれなりに在る。
が、それ以上に男の顔―――特に目だ。死んだ魚のような目とも言われるぐらいに光の無い目。
陰鬱な雰囲気を持つその男の容貌は嫌われやすく有り、護衛等を断られたりすることも多い。
今回は、前々から知っているという依頼者ではないので、自分でも意外といえば意外なのである。
取り合えず、依頼者の真意は兎も角、今はと、意識を周囲に向ける。
此処の宿はさほど広く無く、宿泊客も余り泊められない、多く見積もって5部屋あるかどうかだ。
今回は、依頼人で一部屋、護衛が自分を含めて4人で、二人で一部屋で三部屋だ。
普通の民家よりも少し立派、という程度の場所。
ただ、温泉は露天で温かく、こんな寒い時期でも、十分に温まれる。
露天風呂の広さ的には、なんとこの宿の建物と同じぐらい、それぐらいに力を温泉に入れているのだろう。
客が全員いっぺんに入れる程度の大きさ、という事だ。
露天だからこそ、護衛として入り口と周囲を固める形だった。
男は、入り口を固めている。もう一人は、依頼人と共に風呂に入っているのだろう。
とは言え、貸し切りにはしてないらしく、他の客も来ることがあるのだろう、と言っても、多くて一組二組だろう。)
■イディオ > (判らないことを考えても仕方がない、そう思う事にして、男は視線を廊下のほうに向ける。
背後からは楽しそうな声が聞こえる、依頼主と、直接の護衛を担う冒険者の声だと、思う。先の他の客が入っているという可能性も有るだろうが、そこまで考えることは出来ない。
取り合えず、今は、と新たな客に対しての確認……と言ってもさて、何故と思うのだ。
何故の理由としては、こんな所に来る金がある、そして、料金を軽く確認したが、依頼人の羽振りから言えば貸し切りにできなくはなさそうでもある。)
「護衛を四人もつれて、という事だから。」
(もしかして、此処で誰かと会う積り、なのかもしれない。残りの部屋の数を考えれば、相手の護衛と依頼人が出会うべき人、と考えれば。
無効の護衛が少なくなるだろうが、その際は此方が動くのかもしれない。
もし、そうなるのであれば―――追加の依頼料を貰わないと割に合わないぞ、と。
そう言ったものは、まあ、後でわかる事でもあるだろうし、その際は全員で、話せばいい。
暇に飽かせて思考を滑らせて、男は時間を過ごす。
妖しい気配も、他の客の気配もない、後ろ手は楽しそうな声。
ああもう、羨ましいもんだ、と、大きくため息。)
■イディオ > (しばしの時間が、更に過ぎていく、眼前の扉が開き、男は盾を構えるが。それは必要ないと知る。
それは、今回の依頼でチームを組むことになった冒険者のうち一人であり、ホカホカとしている、風呂に入って居たのだろう。
広い風呂、一つではなく、幾つかの区画に区切られているようで、そのうち一つに入っていたとの事。
主は、直接の護衛と共に、風呂から出たらしく、食事をして部屋に戻るらしいと説明を受けた。)
「て、ことは?」
(交代の時間だそうで、食事が食堂に用意されているのでそこで食事を摂り、風呂に入って休んでくれとの事。
此処からの護衛は、今目の前にいる冒険者が引き受けてくれるとの事だ。
夜の番は、イディオの食事と風呂の休憩が終わった後に、改めて決める、との事らしい。)
「判った、其れなら、食事を頂くことにする。」
(すげえ美味かったぞと、冒険者の期待を持たせる言葉に、畜生この野郎、と男は軽口を返して見せる
期待を大きくさせて、それで、期待外れだったらどうするんだよ、と。
まあ、冗談なのも判るので、男の返答も軽いもの。
そして、男は食堂に移動し、食事をし、風呂に入り。夜の番の護衛を行うのであった。)
ご案内:「九頭龍山脈 山中 温泉宿」からイディオさんが去りました。