2021/01/22 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中~湯の泉」にエンデさんが現れました。
■エンデ > 九頭龍山脈 山中
薄暗がりの森林が広がる山の中
王都や港湾都市から離れ、久しぶりに出身である場所赴いたのは雄々しい角を持つ獣人族の女だった
見た目の成りで既に女だと知れるのに、雄にしか存在しない雄々しい角
平たく、やや曲線と凹凸を描く乳白色の逞しい角を持ったエンデ
山中の麓は街道であり、要塞へと続く道
湯治の場でもあり、山賊が噂されようとも絶えない場所
しかし、エンデは山中にへ、潮の香りもせず人ゴミの混じった匂いもしない
森と土の匂いがする場所で、冷える季節でも体を震わせることなくそこにいた。
―――ただし 今は愛用している大剣を携えて。
「んっ!」
おそらく、ここを離れている間に沸いたのであろう山賊グループ
森の中に入り込んだ、角鹿という獣人を目にして、売り物にしようとしたのか囲い込んできていた。
明確に感じるのは殺意や敵意ではない 悪意
エンデはそこから先は容赦がなかった
異国の大剣を握りしめ、振るい続ける。
古くから巣窟として山中を利用している山賊ならば、手を出さなかっただろう獣人族の力
一人が胴が別れて狂々と廻って上へ舞う
誰一人、周囲にいる山賊では剣花を咲かせることすら有りはしない
鉄の悲鳴が振るうたびに響き渡る
太い樹木に叩きつけられる音と、逃げ出す声
しかし、そんな恐怖で彩った調子では山の魔物に一人、また一人と狩られていく
それがエンデには想像できたのか、深追いもしなかった。
「ふー……。」
一息つき、片手で振るい落とす血糊
霞に仕上がった光沢のない鈍い真鍮色の剣身を見ながら、背中へと掛けなおす。
「ん?」
自身を見ると、身体にはやや汚れが目立つ
髪にまで赤いそれがついているのを見ると、眉を顰め、歩き出す
目的地は、湧き出ている獣らが言う あったかい沼へ またの名を 湯の泉
■エンデ > 森林の中は、やや薄暗い
昼間の山中と言えど、森が陰りをつくる山中
場所をはっきりとエンデは覚えているのか、エンデは湧き出ている暖かい沼へと向かう
其処は鉱泉の匂いが漂い、浸かるには適した温度になっている湯水が湧き出ている場所
周囲は湯熱のせいか、花が苔が存在する場所だった
たどり着くと、其処で時折浸かりに来る獣は今はいない
エンデはホッとした
体格も、この剣を扱うのに適した程ながら、角も含めれば獣らの間では簡単には浸かれない
川べりでもよかったものの、冷たい水に浸かるには厳しい季節だったから選んだのだ
湧き出ている岩場へ行けば、身に着けている防具や腰回りを外していく。
胸当てについた血糊を湯で拭い落とせば、裸体になった姿と両腕に着けているダマスカス調の金属だけになる
ザブンッ
太ももまで浸かったのなら、頭まで湯水に沈み込む
ポコンッと水泡が立ちながら、毛皮のように毛量と厚みがあるそれを、手で拭うように何度も血を落としながら清めていった
こういった湯は、傷や骨を回復させるほかに、独特なこの湯水の匂いを好いて皆が集まる場所
しかしここは山中の野良湧きだ
麓とは違い、穴場のような場所の中では獣以外にエンデも何の心配もしていなかった
「んー……。」
髪が洗い終われば、湯の中で見上げる空から今の時間帯を確かめる。
あの明かり具合と時期からしたら、後数時間で火も落ちてしまうだろうか。