2020/09/05 のログ
タマモ > と、不意に、たんっ、と少し強めに枝を蹴り、舞い上がる。
少し、こちらの様子を見ておこう、と言った感じに、山賊街道の方へと移ったのだ。

月明かりのみが照らす街道、しゅたんっ、と少女は着地する。
こう、何か無駄にポーズを取りながら。

「ふっ…我ながら、十点満点の着地じゃな!」

ばさぁっ、と右手で髪をかき上げ、自慢気に胸を張る少女。
その言葉は、一体誰に向けたものなのか。
それに合わせるように、ゆらりゆらりと尻尾が揺れる。

「………おっと、いかんいかん。
浸っておる場合ではないな、さて、何かあるかどうか…」

気を取り直したように呟けば、改めて、視線を周囲へと向ける。
ここならば、木々のような遮るものはない、少し離れた場所まで、しっかりと見える事だろう。

タマモ > 「まぁ、このような刻、このような場では、そうそう…?」

はふん、軽く溜息を付き、腕を組むのだが…
その足元、影から伸びる手に、ぴくん、と少女は反応する。

「なっ!?これh」

少女の反応は、確かに早かったはずだ。
なのに、影から伸びる手は、少女の足首をむんずと掴む。
飛び退る余裕も与えられず、言葉を最後まで紡ぐ事もさせられず、少女は一気に影の中に引きずり込まれた。

その後は、何事もなかったかのような街道、その光景があるだけだった。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からタマモさんが去りました。