2020/08/30 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」に小藍さんが現れました。
小藍 > 噂に聞いた九頭竜山脈――そこには、シェンヤンにはない特殊な鉱石が眠るという。
自身の身体に潜り込んだ居候が言うには、それがあれば封じられた主を助け出せるかもしれないとのこと。
王国行きにすんなりと従った理由のひとつに、そんな話があったわけだから、
王都から遠く離れたこんな場所へとやって来るのにも、彼女が協力するのは当然ということで。

「だ、だからって……そんなに力を使うとか聞いてませんから……」

確かに早めに帰りたいと言ったのは少女自身。
それに応えてくれたことには感謝はしているのだけれど、それに対する反動については了承していない。
人の身に余る力を使った反動なのか、それとも消耗による気の枯渇によるものなのか、先ほどから身体が疼いて仕方がない。

それでも、いつもの発作のようなものに比べればまだどうにか我慢はできるといった具合で。
ふらつく足取りでは本格的な探索など無理な話。
今日のところは主要な街道を見て回るに留めるということで、どうにか身に住まう居候を宥めすかして。

「……けど、こんな夜中じゃ、探索も何もない……と、思いますけれど。」

はぁ、と何処となく艶っぽい吐息を漏らして、暗い街道を重たい足取りで進む。
多くの足跡が続く道の真ん中を素直に通っていれば良かったのかもしれないけれど、
重たい足取りはついつい道の脇に生えた木の幹を支えにしようと進路を歪ませてしまう。
そこに罠があるなんて知る由もないままに。

タマモ > ぴくん、少女の耳が揺れる。
こんな場所、こんな時間だ、少女の耳は、そう声を聞き逃す事はない。
もっとも、言葉が聞こえるのは確かだが、その内容は声質次第。
声が大きければ分かるだろうが、そう大声でなければ、声が聞こえる程度の認識だ。
まぁ、そんな事はどうでも良い。
そろそろ時間も時間、そう考えたところでの獲物なのだから。
これが最後、ここでしっかりと引っ掛かって欲しい。
いや、むしろ、軽く手を下してしまおうか。

少女の体が、ふわりと木の枝から舞い降りる。
音もなく地面へと着地をすれば、獲物であろう人影へと近付いて行く。
もちろん、背後から。
………声質から、とりあえず、女性…少女?なのは分かった。
近付けば、なにやら妙な気配が交じっている気がしないでもないが、気にしない方向で。
己が気配を勘付かれないよう、影に紛れて所定の位置に。

また避けそうなら、突き飛ばしてやる。
そんな考えを浮かべていたのだが、あの進行方向、間違いなく、罠を踏むっぽいか?
それに気付けば、側まで近付くまでに留め、落ちるのを待つのだ。
………いやまぁ、ここまで来たら、もう避けそうなら問答無用で落としてやる算段である。

小藍 > 体力の方は、侍女という仕事柄もあってか、一般の女性よりはある方だと思う。
とは言え、夜中に整備された街道ではあっても山中の道を歩くというのは酷に違いない。
よろめく足取りが木の幹へと縋ろうとするのだけれど、その一歩手前で限界を迎えて立ち止まる。

「ふぅ………夜になっても暑いのは、この国特有…なんでしょうか……」

膝に手を突くようにして、重たい息を吐き出した。
折りしもそれは、落とし穴のすぐ目の前。
あと一歩踏み出していたら、そのまま闇の中に真っ逆さまだったのだろうけれど、
そんな未来予知なんて異能は持ち合わせてはおらず。
その代わりに、別の何かを感知する。

「え? 後ろに何か――?」

重たい身体に鞭を打って後ろを振り返る。
暗がりに紛れてはっきりとはしないかもしれないけれど、その人影がすぐ近くにまで来ているのなら、少女の目にも映ることで。

タマモ > 近付く、目の前の少女が、確かに罠の直ぐ側まで。
期待を胸に抱き、よし!いけ!なんて感じに、ぐっ、と拳を握り締める。
…のだが。

後一歩、そこで、少女の足が止まってしまった。
必然か、偶然か、それは分からない。
仕方無い…ここは、己の手を下すしかあるまいか。
そう思い至った瞬間、少女はこちらへと振り返った。

「………あ」

うん、見事に視線がかち合った。
これは拙い、そう考えれば、突き落とそうとした手を、ひらりと振り上げる。

「………いやはや、こんな場所で誰かと会うとは、奇遇なものじゃ。
一人で出歩くには、安全とは言えぬぞ?ここは?」

とかまずは挨拶を、作戦変更、絡め手でいこう。
とは言え、側には仕掛けた落とし穴。
その中に溜めた呪いを、すぐこちらへと寄せるのは、容易い事だ。
現状、少女の状況から必要とも言えない感じだが、それに気付ける訳もなく。
その疼きを、より悪化させる力が、少女の背後から忍び寄る。

小藍 > こんな夜更けの山中の街道に、少女がひとり。
いや、自分の人のことが言えた身の上ではないのだけれど、どう考えたって怪しいの一言で。
この国には珍しい装いの少女の、その背後に立派な尻尾が見えたなら、なおのこと警戒心は募るだろう。

「え、えと……それは、そちらも同じかと思いますけれど。」

それが見えずとも、背後から音もなく近づいてきた相手を信用するわけもない。
いかに少女がお人好しであっても、そこまで間が抜けていたら、公主に見捨てられてしまいかねない。
やや硬い声音を響かせて、そっと息を整える。
身体の疼きは継続しているものの、集中していれば問題ない。
僅かに重心を落として、相手の動きを見守ることにする。
何か動きがあれば、すぐにでも対応できるように袖の内に舞扇を携えることも忘れない。

けれど、人の気配には敏感でも、術や呪には素人に過ぎず。
目に見えないそれには気づくことはなく。

「ん……はぁ………あれ、急に……あっ…」

何もしていないはずなのに、急に胸が締め付けられるような感覚が襲ってくる。
それにぴくッと小さく身体を震わせて、忍ばせていた舞扇を取り落としてしまい。
急な身体の変化に、現況を確認するよりも先に慌てて拾おうと身を屈め。

タマモ > 軽く挨拶はしてみたものの、その警戒心は感じ取る。
状況を考えれば、少女の判断は正しい、その程度、己とて分かるものだ。
だが、今回は相手が悪い、そう言えるだろう。
体調が万全であれ、そうであるのに、この状況はより性質が悪いと言えようか。

「うん?…妾を、お主等と同じ秤で見るんじゃのぅ?
妾にとっては、ここは庭のようなもの、危険もなにもありはせんのじゃ。
………迷いはするがな」

身構えようとする少女を前に、構え一つ取らず、さらりと答える。
最後の一言に、何か突っ込みを入れられそうだが、そこは気にしない。

…が、それを置いても、己を前にするには少女は未熟過ぎた。
己の寄せる力に気付かず、それを身に受ける。
淫気に体を蝕まれ始め、体を反応に震わせ、取り出そうとしていたのだろう、舞扇を取り落としたようで。
そのさまを見詰めながら、くすりと笑う。

「おやおや…どうかしたか?
どうやら、疲れておるようじゃのぅ?ん?」

それを拾おうと、身を屈める少女。
するりと音無く歩み寄れば、伸びる腕が少女の腰を取り、引き寄せようと。
それが叶うならば、そのついでに、軽くお尻でも撫でてみようか。

小藍 > これが戦いに慣れた者であれば、敵対している者を相手に視線を逸らすなんて愚は冒しはしなかっただろう。
身を屈めたところで、自然な動作で距離を詰められると、腰に手を回されてしまう。
驚いて飛びのこうとするよりも先に、その手がお尻を撫でるように触れてくる。
ほんの少し、軽いタッチで撫でられただけなのに、甘い声音が漏れて足ががくがくと震えてしまう。

「ふぁ……だ、ダメ……っ」

相手が纏う雰囲気からして、只人ではないのは明らか。
仙術の力に目覚めたものの、妖仙の類と直接争った経験は未だにないまま。
そんな自分が敵うはずもない。それは十二分に分かってはいるから、取れる選択は逃げの一手しかない。
それなのに、身体の方はジンジンと熱を主張するばかりで、力が入らなくなってしまう。

「んッ……はぁ、はぁ………離して、ください……だ、大丈夫ですから…」

十人が見れば、その全員が大丈夫ではないと言うに違いない。
切なげに息を荒げながらも、気丈な言葉を紡いで見せる。
それでも、小刻みに震える身体は、半ば相手の方へとしだれかかるような体勢で。

タマモ > 力の効きは、なかなかのようだ。
効きが悪ければ、また何か考えなければ、とは思っていたが…不要な様子。
軽く身を寄せさせ、軽くお尻を触れられて、それだけで、この反応なのだから。

「はて…駄目とは、何が駄目なのじゃろうか?」

すっとぼけたように言葉を返すも、腰は抱いたまま、その手はお尻の形を確かめるように、撫で回し続けている。
その反応が、強まれば強まる程、その動きは大胆にしていき。

「ふふ…そうは言うが、大丈夫そうには見えんが?
ほれ、もう少し確かめてやろう、こちらに来るが良い」

気丈な態度ではあるが、そんな事を気にする風も無く。
むしろ、強まる反応を愉しむように、耳元に唇を寄せ吐息を噴き掛けながら、そう囁くのだ。
もちろん、言葉の通り、この道から少し外れた場所へと、連れ出すつもりで。
抵抗出来るにしても、抵抗出来ぬとしても、まぁ、逃がすつもりはない。
何かしらの手立てもなければ、少女の運命は己に連れ出されるのみである。

小藍 > 服の上から無造作にお尻を撫でられているだけなのに、狂おしいほどのもどかしさが募ってしまう。
ダメだと小さく呟くように何度も繰り返しながら、流されてしまわぬようにと懸命に首を振る。
けれど、次第に大胆になっていくその手の動きに切なげに腰をくねらせてしまって。

「んッ……あっ、ダメ……ダメ、です……
 さ、触っちゃ……ふぁ……そんな、風にしちゃ……」

手の動きが大胆になればなるほど、それから逃げようと身体を捩らせる。
それが少女の身体に腰を擦りつけるかのような動きになっているのは、気のせいのはず。
必死に抗う言葉を紡いでいるものの、軽く抱きしめられたままで、その腕からは逃げ出せず。

「や……あっ、確かめるって……
 ダメ……あんッ……やだ……ふぁ……」

耳元で囁かれると、ゾクッと甘い刺激が背筋を駆け抜ける。
四肢から力が抜けて、そのまま少女に身を預けてしまいそうになる。
それでも懸命に抗おうとはするものの、唯一残った舞扇の片割れを振るう余裕もないまま。

腰を抱きかかえられたまま、身体を引かれると、よろよろと覚束ない足取りで少女に縋りつくことしかない。
道から外れた暗い森の中へと二人の姿が消えてしまっても、しばらくは少女の耐え忍ぶような声音だけは辺りに響いていて―――

ご案内:「九頭龍山脈 山中」からタマモさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」から小藍さんが去りました。