2020/08/29 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にタマモさんが現れました。
タマモ > 「………誰も…引っ掛からん…」

ぽつりと、そんな呟きを漏らす少女。
その姿は、九頭龍山脈の麓付近、森林の中にあった。
いつものように、木の枝の上に腰掛けながら、視線は下方の一点へと注がれている。
そこは、この山中へと続く道の一つ。

場所もある、時間もある、だからぱっと見は何もない。
しかし、しっかりと明かりを灯し、じっくりと注意深く見れば、それは気付けるはずだ。
その地面の一面だけにある、僅かな違和感。

そう、今日の少女の悪戯は、落とし穴であった。
だがしかし、その呟きの通りだ。
人の通りは、まったくない訳ではない。
だが、偶然なのか、その道を通らなかったり、通っても、その落とし穴に引っ掛からなかったのだ。

道の横幅は4・5人が並列で通れる程、落とし穴の横幅は、その半分程度なのだ。
いっそ、それを完全に覆うくらいの大きさに…とも考えるのだが、それでは、負けた気がする。
少女の無駄な拘りが招いている、そんな失敗とも言えようか。

タマモ > 木の枝の上に腰掛けたまま、懐から、もそりと取り出す紙袋。
その中身は、冷めても美味しいが自慢のパンの数々。
今日の計画が立った時点で、長い待ち時間なのは分かっている。
その時間を、少しでも楽しむ為の準備であった。

一つを手に取り、はむっ、と一口。
もぐもぐもぐ…ごくん、うん、美味しい。
さすがは、謳ってるだけある味である。

ちなみに、落とし穴の底にも、悪戯が施されていた。
呪術によって、そこに溜まるように注がれた、強い淫気。
落ちた獲物がその呪いに掛かれば、あら不思議、感度も火照りも疼きも一気に上昇である。

………呪いに耐性がある、そんな相手だったら?
うん、いっその事、無理矢理襲ってしまおう。
そんな気分なのだ、相手にとっては迷惑この上ないが、仕方無い。
仕方なくない?