2020/08/16 のログ
タマモ > 少女の溜息、その意味を理解出来る訳もなく。
とりあえず、受けた傷でも治さないと…とか考えたら、自分で治してしまったようで。
伸ばそうとした手が、わきわきと、意味不明な動きをし、戻っていった。

「………いや、まぁ、そもそも一対多数じゃったからな。
最終的には、とも思うておったが…犬?…こんな場所に、犬?
っと、そうじゃな、面倒事は嫌いじゃ、そうしようかのぅ」

さすがに、あの定番っぽい茶番、もう少し見たかったから、なんて言える訳もない。
なので、そう言い繕いつつも、妙に強調される犬の言葉に、かくん?と首を傾ける。
続けての提案には、己も面倒は嫌っているのだ、賛同し、歩むならば後へと続くのだ。

その折、手にしていた肩叩き拳が、肩揉み拳に書き換えられた…うん、あんま変わらない。

「………貞操の危機の見返りが、肩叩き…?…うん?…拳!?
のぅ、お主、肩揉みに変わったが、拳って何じゃ!?」

手にした紙切れを、ずぃっと少女に向けて突き出し、改めて問う。
どうやら、券でなく拳だったのに、やっと気付いたようだ。

ティアフェル >  わきわきしている手に気づいて、わっしと不意に伸ばすとぎゅっと握ってシェイクハンドしようと。
 なにか勘違いしたらしい。
 とりあえずにこにこして友好的を表している。

「山賊なんて概ねそんなもんよ……。群れないとやってけないんだわ。雑魚め。
 犬! 結構野犬が出るのよ?! でも犬じゃない! 女の子! ああわたしってばラッキー」

 助けてもらえたし、随分風変わりだがカワイイ女の子だしゆうことない。犬じゃなかったし!(くどい)
 最初から割って入らなかったのは様子をみていたに違いないと判断。
 同意を受けて二人しててくてく街道を進みつつ。後ろを歩く彼女と歩調を調節して並び。

「やっぱ肩叩き拳じゃちょっとセンスない?
 わたしもそっかなーと思ってた、次回から『リフレチケット』にするね!
 拳は、コレっしょ」

 やはり完全に噛み合わない対応をしながら、暢気に改善点を述べたが、問題はそこじゃない。
 拳、と訊かれて、そんなものコレしかないでしょ、と拳をぎゅっと握って高く天に掲げた。人生にいっぺんの悔いもない人みたいだった。

タマモ > 戻そうとした手が、伸ばされた少女の手に握られた。
これは…何かのお誘い?いやいや、ただの握手だろう。
それ以上ないならば、とりあえず、そこは勘違いなく握手をするのだが。

「ふむ…まぁ、賊と言うのは、そんなものじゃろう。
にしても、先程から、犬犬犬と、何かあったのか?
ここは山中、動物が居るのは当然の事じゃろうに」

さすがに、ここは山の中、犬以外の動物も居るはずだ。
なのに、犬ばかりを強調されれば、さすがに何か勘付くもので。
その言葉で、少女の反応を確かめてみようとするのだ。
まぁ、その握手も、歩みながら交わしているものだが。

「せめて、ここは素直に拳ではなく、券としておくのが良いのではないじゃろうか?
肩叩きならば、合う事は合うが…肩揉みに、それは合わんじゃろう?
………ではなくて、もっと見合う何か!何かは無いのか!?」

むしろ、その訂正の方が分かり難い。
そんな言葉は押し留めつつ、一番の問題点の解決を求めてみよう。
そして、ふと我に返れば、紙切れを手にしたまま、ぶんぶんっと手を振って。
改めて、それとは違う、そんな見返りを求めてみるのだった。

己だから、軽く見えるものだが。
実際には、もうちょっとこう、危険性はあったものなのだから。

ティアフェル >  一見和やかに握手を交わし、こういう人を敵にしてはいけない。
 極力味方になってもらう努力をしようと、愛想振り撒き。

「たまに単体もいるけど、正直そっちのが厄介だったりするよねー。
 う、うん? いや、別に……?
 や、野犬ってほら? 危ないじゃない? だから………うん」

 そこまで犬と連呼してたら何か察されるだろうが、下手くそか、みたいにしどろもどろと視線を泳がせて誤魔化すようにもごもごしながら云い訳めいた言葉で。

「そお? 拳は拳でいーと思うんだけどなー。
 ………………ん?」

 個人的には別に問題ないと思っているらしい訂正箇所。むーん、と悠長に首を捻って思案顔。
 そして、何かないのかと訊かれれば、心底ちょっと良く分かんないですね?みたいにきょとんとしたツラを晒し。
 それから、しばし考え込むように間を措いて。
 ぽむ、と出し抜けに手を打つと。ちょっと止まって。
 
「ありがとう、大好きです!」

 唐突に声にしながら、はぐ、と両手を伸ばしてハグにかかる。成功すればむぎゅ、と抱き締めて。
 つまりは誠意をプラスすればオーケイ。そんな風に認識したらしく、終わった後は非常に晴れやかな笑みを湛えていた。

タマモ > 言葉を向けたのち、じーっと少女を見詰めてみる。
まぁ、数居るよりも単体、の話はよくあるものだろう。
が、その後、犬の話しになったとたん、歯切りが悪くなる。
あぁ…そんな反応に、何か察した表情を、浮かべたかもしれない。
それは、純粋に察しただけなのか、どこか、悪戯っぽいものを含めた何か、なのか。
………うん、間違いなく、後者なのだが。

「そうかそうか、確かに野犬は危ないのぅ。
ここらに逃れておる、と言う事は、なかなか餌にもあり付けななかろう。
となれば…狙い易い者に、狙いを定めようとは、道理か」

うんうんと頷きながら、ここらの野犬が、より危険性が高い、みたいな風を漂わせ…
こう、意味あり気に、視線を少女の背後に向けたり、してみるのだ。

「少なくとも、妾は御免被るのじゃ。
叩くにせよ、揉むにせよ、妾はか弱いからのぅ?」

さっきの、男を叩き倒した様子から、力はあるのだろう事は予想出来る。
そんな力で、実際に肉体的に強くない己が叩かれては堪らない。
ひらひらと手を振りながら、そう答えてから、少しの間。

不意に少女が足を止めれば、唐突に声をあげ、抱き付いて来る。
いや、敵意も害意も無い、抱き締めは受けるのだが。
正直言って、その意味が、いまいち分かってない。

「………お主、その言葉、ただ言われれば、告白のように受け取れるのじゃが?
いや、そうであればそうであっても、可愛らしい相手のものならば、喜ばしいものじゃが。
どうなんじゃろうな?ん?」

なんか、これで良し、みたいな晴れやかな笑みを見れば、何となく察する。
さすがに、それはそれで…悪くはないが、良しとも出来ない。
なので、とりあえず、くすりと笑い、そう悪戯っぽく返すのだった。

ティアフェル >  視線が……痛い。刺さる、刺さる、と眼をくの字型にしてあからさまに反らし。
 余りに判り易いのでそれは察しがついただろう。
 うぐ、と自然に呻きつつ。

「そそそ、そー! 
 だ、だからね。出くわすとね、危険だから……
 ほらっ、誰だって熊とか出くわしたら怖いでしょ!?
 野犬も一緒よ!」

 森に住まう獣は危険なのだ。嫌がるのは自然の道理だ、と伝えるように相変わらず不器用に相槌を打ったり言葉を重ねたり。頭の上に汗を飛ばすほど焦りがちだが。

「じゃあ懇切丁寧に指圧でサービスするよ?
 わたし結構上手いんだから。職業柄自信あるよ?」

 指をもみもみモードにして見せながらセールストーク。売り込みに余念がない。
 そして、まんまと抱き着いたあとは、あはは、と彼女の言葉に軽く笑い。

「あーそーね。そんな感じするかなー?
 まあまあ、助けてくれた相手に好意を向けるのはよくあるよくある。
 深く考えずどうぞ。
 あ、そーだ、名前も聞いてなかったね。わたし、ティアフェル。あなたは?」

 相手の問いをそれこそ全然深く考えていないようで、軽快に笑いつつのたまえば、マイペースに自己紹介に移行した。
 よろしくねー、と能天気に笑いながらひらりと手を振り。

タマモ > うん、答えが出た、少女は犬が苦手なのだと。
その確信を得た途端、にっこりと、清々しい程の笑みを浮かべた。

「別に?妾は、ほれ、こんな存在じゃからのぅ。
熊が出ようと、野犬が出ようと、あんまり関係はないぞ?
何なら、証拠を見せても良いが…呼んでみるか?」

獣は危険と主張する少女だが、そんな少女に、己の耳や尻尾を見せ付けるように、ゆらりと揺らす。
更に、そう告げれば、抱き付いている少女へと、上目使いに見上げるようにしながら、そう問うのだ。
内心はもちろん、細く笑みながら。

「指圧…マッサージか…自信あるならば、悪くは無いか…」

職業柄と言うが、相手の職業とか分からないのだが。
まぁ、肩叩きやら、肩揉みやら、指圧とか、マッサージ師?…いやいや、マッサージ師がこんなところに居ないだろう。
結局のところ、少女の職業は、よく分からない、と。
が、マッサージは嫌いではない、つい考えてしまうのだった。

「ほほぅ…では、深く考えず、愛の告白と受け取っておこう。
冗談はさておき、てぃあふ…てぃあふる…
………てぃーちゃんで良いか?
ともあれ、名乗られれば返すのは道理じゃろう、妾の名はタマモじゃ。
覚えるも忘れるも、お主次第じゃろう」

少女の自己紹介に、その名を復唱しようとするが…どうやら、呼び難い名前だったらしい。
なので、いつものように、勝手にあだ名を付けてみた。
そして、同じくいつものように、名乗りを挙げるのだ。
その際に、同じように、ひらりと手を振りながら。

ティアフェル >  やたら爽やかな笑みを向けられて自然、口許が引き攣る。
 予想通りとんでもない科白が飛び出してくるもんだから。
 アレ?わたし脅されてる? と滝汗しつつ。

「や、だけどさ! でもさ! こんな存在ったって、天敵とかはあるっしょ?
 ちょっと、あんま、良くないんじゃないかなー?
 ってか、やめて? やめよう? お願いだから。土下座? 土下座がお好み?
 なんでもやるよ…?!」

 命懸けで拒否した。プライドなんてなくていいからよして、と嘆願。
 何族か知らないが、ヤベエということだけは察して戦いた。

「うん、肩揉み拳、活用してね! どっからでも受けて立つ!」

 マッサージについては、任せて、とどんと胸を叩いて請け合い。
 治癒術以外にも色々と齧っている。基本医学やら、ほんのり東洋医学も。
 疲労回復に術力も使わず効果のあることは覚えがある。

「あはは、別にいーよ。お好きにどーぞ。
 うん、ティア、でもいーよ。みんなそう呼ぶし。
 タマモちゃんね。りょーかい。いやいやここで知り合ったのも何かの縁。
 せっかくだし、仲良くしよーよ」

 同年代くらいの女の子に見えるのでいたって気安くそう述べては相変わらずにこにこと愛想のいい表情を向け。
 呼びづらそうにあだ名をつけるので一応付け加え。
 ひらりと同じように上がる掌に「えーい」と軽く自分の掌を重ねて小さく音を立てようと試み。

タマモ > あぁ、そう、こんな反応が見たかった。
さすがに、楽しんでいるのを見せるのもあれなので、その辺りは押し留めながら。
笑顔のまま、少女の嘆願を聞いている。
さて、そんな姿がどう少女に映った事なのやら。

「うん?言ってみれば、獣の上に立つ者じゃ、それにおいて天敵なんて、ある訳がないじゃろう?
ふふ…さぁて、どうしようかのぅ?
………なんて、まぁ、これも冗談じゃが。
純な者は、からかい甲斐があって面白いものじゃ。
仲結ぶ事は望んでも、仲違うような真似なんぞ、するつもりはない、安心せい」

くすくすと、楽し気な笑みへと変えると、ぽんぽんっ、と安心させるように肩を叩く。
お仕置きとかでならやるだろうが、そうでなければ、本当にそれをやるつもりはないのだ。

「拳…あくまでも、拳なんじゃな…
まぁ、村なり街なり、着いたら頼むとするのじゃ」

自信満々に胸を打つ少女に、うむ、と頷いてみせた。
券じゃなくて、拳のままなのに、少々引っ掛かりはある様子が見えるだろうが。

「………なんじゃ、そうした呼び名があるならば、助かる。
では、ティアじゃな、よろしゅうのぅ?
仲良き者が増えるのは、良い事じゃからな。
その意見には、妾も同意じゃ。
っと…して、ここから近い場所に向かうのじゃろう?
せっかくじゃ、少し妾が付き合ってやろうか。
………野犬とか出たら、事じゃろうしのぅ」

こうした相手も、時折見掛けるのだ、別に問題はない。
少女の笑顔に、笑顔を返しながら、そちらの呼び名なら呼べると、そちらの呼び方を受け入れ。
振る手に重ねようと試みる、少女の手は、ぱしんっ、と音を立て重ねられて。

思い出したように、この先の事を問うてみよう。
どうせ、己の方も、そろそろ戻る予定だったのだ。
一人より二人、悪くはないだろうと。
悪戯っぽく、後の言葉を付け足して。

ティアフェル >  キタコレまた、どエスだよ……イイ笑顔で眺めている彼女の様子に、もう察した。
 頭を抱えたい気分でどんよりと表情を曇らせ。

「ずるい! このチート!
 遊ぶのはいいけど遊ばれるのは遠慮したい!
 っはあぁ~…もう、程々にしてよ……心臓に悪いったら」

 なんだか百獣の王らしい。何者なのか余計に謎は深まったが。
 それよりからかわれるのに不服ながら、どうにか獣寄せは取り下げてもらって胸を撫で下ろし。
 肩を叩かれて若干恨みがましそうな視線を向けた。

「拳で勝負よッ。
 ――と行きたい所だけど、指圧がご希望なら応じますとも」

 無駄なノリで拳を握ったが叩いたりするつもりはない。揉みモードのご消耗だし。
 こく、こく、と落ち着いた場所で施術しますと首を縦に。

「まー。呼びにくい名前みたいだからね。
 うん、ぜひぜひ。タマモちゃんはどエスを除けばいい人のようだし。
 うん、とりま街道を抜けて……先に宿場町がある筈だから日が暮れるまでに着くつもり。
 一緒に行ってくれるなら心強いわ! ありがとう、ありがとう、野犬が出たら反射的に盾にしちゃうと思うけど予めゴメンナサイ。しょうがないナマモノだと思って許して」

 呼び方を決めたり、よろしくと和やかに交わしたり、道連れを申し出てくれると否応もなく即座に肯いて。
 拝む勢いでぱしん、と音を立てて重ねた手を今度は組み合わせて。
 その上でいざとなったら盾にしますと先に詫びて置いた。犬に関しては完膚なきまでのへたれ。
 そしてそのまま、至って平和に。ここぞと女子トークを振り、楽し気に会話しながら街道を過ぎてゆくのだろう。

タマモ > 「これでも、お主より、倍を超える年月を生きておるんじゃ。
やれる事が多いのは、当然の事じゃろう?
………弱点を持ち、知られた時点で、下克上は難しかろうて。
ティアよ、世の中、諦めが肝心じゃ」

何千年も生きた妖狐、なんて、さすがに名乗れない。
ぼかすように伝えながら、ふふんっ、と再び胸を張る。
少女の主張に対しては、ぽむ、と肩を叩き、憐れみの瞳を向けるのだった。
もちろん、これも悪戯の一環だが。

「いや、そんな勝負はお断りじゃ、妾は肉体的にはか弱い女子じゃからな。
…ふむ、それでよろしく頼む」

ノリで拳を握る少女に、己は体を庇うように抱き締めてみようか。
まぁ、それもすぐに解けば、ふむ、と頷き返す。

「うぐっ…この辺りには、呼び難い名前が多過ぎなのじゃ。
あー…まぁ、それは否定せん。
とは言え、実際にはどちらでもあるがな、両方味わえるのは、楽しみも二倍ってものじゃからな。
ふむふむ、なるほど…道が分かっておるならば、そこに向かうとしよう。
………盾以前に、妾には襲って来んが…?
襲うとしたら、妾は避けてティアへと向かうはずじゃ。
もっとも、さすがに妾と共に居る時に、それをさせはせんがのぅ?」

少女の様子から、よっぽど犬は駄目らしい事は、よく分かった。
やれやれ、とわざとらしく肩を竦めながら、さらりと返し。
後は、目的地まで、少女と語り合いながら、向かうのだった。
余計な事さえなければ、別に己とて悪さはしない。
そこまでは、楽しい道中となる事だろう。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」からタマモさんが去りました。