2020/07/24 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にアンヤさんが現れました。
■アンヤ > 「ハッハッハッ、コイツは重畳、何日頃の行いという奴かのぅ?」
九頭龍山脈 山賊街道の山中に木霊するのは一片の狂気を孕んだ笑い声。
響きは老若男女どれにも当てはまらず、しかし間違いなく人が愉快なときに腹の底から響かせる笑い声である。
声の主は山中を包む宵闇より尚も黒い髪を持ち、隻眼を爛々と赤く輝かせる人影、それも人影はまとうものは東方の神職を生業とする者が着るような、この辺りでもあまり見かけない衣服に身を包んでいる。
その人影が夜の闇に包まれた街道で笑うのだ。
おぞましく、おかしく、不気味なことは違いないだろう。
が、当人は特にそうあらんと笑っているワケではない。
怪異や新しいコワイハナシになろうと灯りも無しに歩いているわけではない。
――…今宵はついていた。
ただそれだけなのだ。
具体的には美味い酒と面白い呪具が手に入ったのだ。
どちらも願い乞う前にぬいぐるみ?みぐるみ?をおいていけと、叫んだ愚か者達から貢がれたものだ。
呪具が一振りの小太刀。
まだ支配下に置くには魂が希薄であるが将来有望。
酒は龍殺しだったか、狐殺しだったか、名を忘れたがいやはや悪くない。
それは右手に確りと珍しい漆塗りの徳利にたっぷりと……
入っていたが今は……半分、そして今もう一口だけ口をつけたので後半分の半分といったところだ。
そこらの酒じゃ感じれぬ喉を焼く感覚と口に広がる豊潤な香りがまた極上の……。
ふらり
と山中を1人歩くにしては千鳥とまではいかないが、聊か不安な歩き方でただ目的もなく、できれば人里の方へと歩き続ける。
その足取りにあわせて、爛々と輝く眼が揺れるものだから遠目からではその瞳の輝きは鬼火に見えぬこともない。
■アンヤ > ゆらり、ふらり、ゆらりとふらり
千鳥足のまま人影は夜の闇の中を歩く
特に闇が好きだとか、その先に何か大事なものがあるか、等ではなくて、ただ高揚する気分にまかせて、ただただ歩く。
漆塗りの徳利が酷く軽くなる頃には正気に戻り少しは焦るかもしれない。
人とは違う悪鬼羅刹の類だけれども、見知らぬ場所に踏み込めば多少は焦るものである。
「………何迷うのもオツという奴じゃ、ハハハハ……。」
また笑う。
また笑うのだが、ピタっと足を止めて少しだけ視線を左右に彷徨わせた。
はて、此処はどこだろうか?と表情に色濃く出るのだが、幸い此処は夜の闇に包まれているし、周囲に人の気配もない為にその稀有なる表情を見られはしない。
■アンヤ > 立ち止まっても何も解決しない。
そう判断すれば人影はまた歩き出すのであった。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からアンヤさんが去りました。