2020/06/07 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にエラさんが現れました。
■エラ > 日暮れ間近の森の中、首輪付きの女が一人。
脱走では無く、鷹揚なタイプの男から許可を得ての外出であり、
目当ては此の森の中、其処此処に在る灌木の茂みから、膏薬に使う果実を摘む事であり。
携えた籠の中身はそこそこ充実し、そろそろ宵闇も迫るとなれば、
帰還を考えるべき頃合いではあった。
――――あったが、然し。
ふ、と屈めていた身を起こし、遠目に城壁を眺め遣る時。
胸の奥を疼かせるのは、此の儘何処ぞへ逃げてしまおうか、という投げ遣りな思考。
アテも無く森を彷徨ったところで、早晩追っ手に捕らえられるか、
或いは森の奥で野垂れ死ぬか、であるとしても。
二度と我が子には会えなくなるとしても――――――
「……そんなの、今と変わらないわね」
大人しくしていたところで、会える保証も、生き延びられる確約も無い。
仄暗い笑みに口許を歪ませて、籠を提げていない方の手がそっと、
己の首許を戒めている環に触れた。
■エラ > 己自身、甚だ疑わしいと感じているもの。
其れだけを唯一の希望として留まるのは、時折、酷く苦痛に思えてならない。
苦痛を苦痛であると捉えられる感性が、未だ生きている、という事自体が、
我ながらしぶとく出来ていると思わなくも無かったが。
――――――けれども今は、もう少しだけ。
もしも逃亡だと勘繰られ、追っ手が掛かったならば、其の時は其の時。
己の足が、気が向いたならば、其の前に帰還するかも知れない。
理性的な思考も、感情に任せた彼是も遠くに措いた儘、
女は暫く、森を彷徨い続ける事になった――――――。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からエラさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にタマモさんが現れました。
■タマモ > ここは九頭竜山脈、山賊街道から距離もない山中。
この山中には、害なす相手は多々存在する。
よく知られているのが山賊達、そして魔物達、次いで動物達。
時に、一部の冒険者達や、たまに現れる魔族達、だろうか?
まぁ、少女からすれば、どれも遊び相手、となろうが。
とは言え、やはり遊ぶなら、少女の好みで遊びたい。
そう考えるならば、やはり、その相手は…
「………が、こんな場所に、そうそう居らんじゃろうか?
しかし、希望は捨てん、見付かる時は、見付かるものなのじゃ」
今、少女が居るのは、いつものように高い樹木の枝だ。
ここの方が、遠く見渡せるし、安全でもあるから。
そんな呟きを漏らしながら、何かないか、見渡しているのだった。