2020/05/20 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」に黒須さんが現れました。
黒須 > 「…チッ、あぁ、ド畜生が…。…迷った。」

(山中の中、その場に適さない男、黒須が彷徨っていた。
任務のこともあり、対象の魔族の殺害を難なくこなし、今になって帰るも、どこにいるのかわからなかった。)

「野宿するにしても、いい場所じゃねぇし…どうするか…。…あぁ?」

(山の中で聞こえる歌声に気付いた。
犬耳をぴくぴくと動かしてそちらを見れば、そのまま声のする方へ向かう。
そして、はっきりと聞こえるぐらいに鳴った時、岩場の上に居る少女を見つける。
綺麗な歌声をしている少女を見る様にゆっくりと下の方へと歩き、見上げて聞き入る。)

ヒヨリ > 歌の最中は、どうしても周囲の警戒が疎かになる。
派手に音を立て、近付かれなければ。
または、声を掛けられなければ、気付けないくらいに。

そして、歌の区切りがついたのか、歌声が止まる。
一息付くように、ゆっくりと閉じていた瞳を開き…

「………?…っ!?ぴゃあぁっ!?」

自分に座ってる岩場、その下に居た人影に、素っ頓狂な声を張り上げる。
同時に、その岩場で姿を見えなくするように、ずざざぁっ!と後退るのだ。

まぁ、この岩場、そこまで大きくない。
少し後ろに回れば、必死に岩場を影にしようとする少女、その姿が見えるのだが。

黒須 > (聞こえる歌声に耳を傾けながらその場にしゃがんで目を閉じて聞いていた。
久しぶりに。歌を聞いたので、どうしても聞きたくなっていたのだ。)

「…ん?」

(悲鳴を上げて岩場に隠れる少女を見て目を開けて見た。
ゆっくりと立ち上がり様子を見れば、必死に隠れる様子。こちらに驚いたようだ。)

「…驚かせちまったみてぇだな…。
大丈夫だ!おめぇを食ったりなんざしねぇよ!邪魔なら帰るしよ!」

(聞こえる様に、怯えさせないような声を出して言う。
邪魔なら立ち去れば良いし、どうするかは少女次第だ。)

ヒヨリ > 掛けられた声に、また驚いたのか、ばさっ、と翼を羽ばたかせる音が岩場の影から聞こえる。
が、それだけで、それ以上の動きは無い。
そして、顔を出すような様子もない。

…で、しばしの沈黙。
現れた男が短気を起こし、さっさと去るならば、それまでだ。
しかし、そうではなく、気長に待つ事が出来たのならば…

そろーりそろりと、ゆっくりと、慎重過ぎる程に慎重に、少女が岩場の影から顔を覗かせるのが見えるだろう。

黒須 > 「・・・。」

(ここで男はめんどくせぇと思っていた。
それは少女が出てこないで驚かせてしまったことではなく、怯えて怖がることをそう思った。
自分が居なくなっても、しばらくあのままだろうと思い、そのまま続けて怖がるのはめんどくさいだろうと思っていたのだ。)

「ん…出て来たか…。」

(ゆっくりと慎重に出て来る少女の様子を見るとこちらも胡坐を掻く。
立っていると身長的に威圧があるので、座っておけば体も少し小さくなるため、恐怖心も与えにくいと思った。)

ヒヨリ > 「………ほ、本当に、食べないですよね?
絶対に食べないですよね?
後になって、やっぱり食べるとか言わないですよね?」

顔だけ出しながら、胡坐をかいている男に、ぽそぽそと問う。
実のところ、食べる、のキーワードを言ってしまった為、なかなか顔を出す度胸を持てなかったのだが。
立ってる、座ってるに関しては、少女は今だ岩場の上の為、多分、あんまり効果はなかったのだが、知らぬが仏である。

まぁ、ただ、座ってるせいで少し身を乗り出さないと、相手を見る事が出来ない。
そのせいか、今だ不安気な表情と共に、少し広がってしまっている翼も見える感じとなっているか。

黒須 > 「めんどくせぇな…。俺はそんな趣味ねぇよ…。」

(再度確認するような少女に頭を指先でポリポリと掻きながら様子見をしていた。
だが、食べると言う言葉で少し警戒心を残したままである為、ちょっとめんどくさいなとは思った。)

「…人間でも、ミレーとかでもなさそうだな…。」

(広がっている羽をボーっと見て思う。
珍しい姿の種族だと思ったが、魔族でも襲うようなやつじゃないなら良いと思った。)

ヒヨリ > 「………」

先の言葉に、じっと様子を見詰める少女。
その瞳には怯えの感はあるも、その言葉を聞き取れば、その感覚は僅かに衰える。
瞳を通し、その言葉の真偽を判断した、とは分からないだろうが。

そして、後の言葉に、かくんと首を傾けた。
召喚されて、そう経ってないのだ、今だここの種族には明るくないのだ。
とは言え、一通りの説明は受けている為、一応は聞いている、程度の認識だった。

「ち、違い、ます…わ、私は、その、夜雀ですから…」

返す言葉は、緊張からか途切れ途切れ。
それでも、それに答えはするのだが…まぁ、聞きなれない単語だろう。

黒須 > 「夜雀…?」

(聞いたことのない言葉だと思い片眉を上げた。
自分も何から何まで知っていると言うわけではなく、暮らす中で理解できるある程度の物は分かる様にしていたのだった。)

「まぁ、ともかく…いいか…。」

(距離もあるし良いだろうと思い、懐を探るとライターと煙草を取り出す。
一本咥えれば火を点けて蒸かし、一服するのだった。)

ヒヨリ > 答えに、問い返すような男の呟き。
その反応は、聞き覚えのないものである、と言うのはすぐに気付く。
知っていれば知っているで、良い事もないのだから、知らないならば良いかな、と考えを改めて。

落ち着いたのか、やっと岩場の上に乗り直し、ちょこんと正座をする少女。
さすがに、人前で足を投げ出し腰掛けるのは、躊躇われるらしい。
そうしながら、静かに、岩場の下の男の様子を眺めている。
最初の頃程の警戒心は無いが、まったく無い訳でもないし。
こうして相手を前にして、いきなり飛び去るのも失礼かな?とか考えて、それも出来ないし。
結果、こうした状態となっていた。

黒須 > 「…お前、この山に住んでいるのか…?」

(煙を目の前の夜雀とは逆の方向を向いて吐く。
当然のマナーと言うこともあり、口に入れていた煙を吐きだした後、少女の方を見て聞く。)

「実は…ちょっとばかし任務でここに来たんだが…帰り道がわからなくなっちまってよ…。どこか、野宿できそうな所、知らねぇか?」

(初めて会った人間に話すのはどうかと思った。けれど、長くここに居ても仕方がないと思い、帰り道を知っているなら教えてもらおうと思い、知らないならどこか一夜を過ごせる所を見つけたい所だった。)

ヒヨリ > 「え、えと…その…さ、最近越してきました…?」

不意に向けられる、男からの問い。
主の使命で、ここから遠く見える城塞都市を見ている、なんて事は言える訳もなく。
住んでいるかと問われれば、確かに今は住んでいる。
結果、そんな答えになっているのか、そんな微妙な答えを返して。

「………お、王都…?…なら、あっちです、けど…遠い、です…?」

まずは、帰り道。
何度も空から見た光景、それを思い出せば、正確に王都の方角を指差し答える。
ただし、伝えた通り、飛べないのであれば、かなりの距離を歩く事となるだろう。

「休むなら、そっち…その、少し進めば…」

そして、次に指差す方角は、野宿の出来る場所。
ここからは木々に紛れて見えないが、言葉の通り、少し先に向かえば倒れそうな樹木と、それを支えるような樹木。
それが丁度良く重なり、寝る分には問題ない小ぢんまりとしたスペースがあるはずだ。

黒須 > 「最近か…なら、ここの土地勘はまだなさそうだな…。」

(最近ここに来たのであるならば、ここの地区には詳しくないのがすぐにわかった。
しかし、少女の目線。ただ宙を見ているだけでないと思い、少し妙に感じた。)

「遠くか…逆転の魔術が使えねぇ今は…めんどくせぇな…。」

(王都の方角を指されるも、遠いなら歩いて行くのもめんどくさいので却下した。
その後に、一夜過ごせる場所を紹介される。
その場所に良き、樹木の頑丈さを確認しながらそこに寝っ転がってみる。)

「…ん、ここなら良さそうだな…一日過ごすのには十分だ。」

(頭の後ろで手を組んでのんびりとした様子を出す。
木々に囲まれていると言うこともあり、咥えていた煙草を握って消しては、灰にして風に乗せて捨てる。)

ヒヨリ > 少女の視線は、言の葉の真偽を暴く力を持つ。
もっとも、それは出来る時と出来ない時のある、不安定なものだが。
だから、それが逆に狙ってそれを確かめられない要因となり、相手にその力を持つ確信に到らせないのだ。

「………?」

遠くであり、そこに向かうのが面倒、は分かる。
だが、間の言葉の意味が分からず、不思議そうにする少女であった。

「………そ、それでは…私は、その、これで…」

もう一曲と思ったが、さすがに、誰か居る側では歌えない。
その場所を確認し、寝転がる男にそう伝えれば、その場に立ち上がって。
ぱんぱんと足を叩き、汚れを落とす。

黒須 > 「ん…?ああ、迷惑をかけたな…。」

(自分の寝っ転がる場所を確保すると、腰から生えている尻尾を布団んがわりにしてその上に乗っかる。
モフモフと心地よさそうにすると、ごろっと寝返りを打って背中を向ける様にする。)

「…ああ、タマモのやつによろしく頼むと伝えておいてくれ…。」

(帰ろうとする少女に一言いう。
目の前の少女がタマモと関係のある何かだとは分かったが、詳しくまでは知らなかった。
知人か何かであるならば代わりに挨拶をして欲しいと最後に良い、軽く手を振る。)

ヒヨリ > ぺこん、と一礼をすれば、ばさっ、と翼を広げ宙に浮くのだが…

「………あ、はい…っ…え?…は、はい…です」

自然の会話の流れ、そのせいだろう。
男の言葉に、自然にそう返してしまい…また、それに不思議そうにするも、改めて、もう一度返して。

そのまま、身を翻し、飛び去って行くのだった。

ご案内:「九頭龍山脈 山中」からヒヨリさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」から黒須さんが去りました。