2020/04/28 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にイディオさんが現れました。
イディオ > (九頭龍山脈の山の中、其処の奥の方にある清流、その近くにある少し開けた広場に、その冒険者は簡単な拠点を作り上げていた。丸太を組み立てただけの防壁、スネアトラップと、鳴子。
それは、防衛拠点と言うよりも、此処を拠点にしている人が居ると教えているような佇まいではある、唯、丸太をそのまま組み上げて作られた防壁、それを破るには少し骨が折れるであろう。
その防壁の奥には、男のテントがあり、その周囲には簡易的な竈があるのだった。
冒険者は、其処から出て、山の中をめぐり、そして、戻って来る、そんな生活、三日目の事である。)

「……うーん、拠点を変えて、別の所を探した方が良いかな、この周囲には。」

(ミレー族の集落らしき場所が見つからない。この山の中に里があるという情報自体がガセなのか、他の場所に居るのだろうか。
判断をするにしても、もう少し位探し回ってからでも良いだろう。
ありふれた奴隷制度の奴隷ではある、それは、理解しているが見たことがない、人の奴隷をじろじろ見るのもあれだし、買おうとも思わない。
冒険者仲間にそれはそれでタブーなのだ、なので、自分で見つけてみてみようと思うが見つからない。
どうしたものだろう、ハイライトの無い目は、思案に暮れて、夜空を見上げる。今宵も夜が綺麗だな、なんて思考のずれ。
食料は困らないし、まだまだ、この山の中で生活も問題はない。
もう少し、探すべきだろうか、と考えてみるのだ。)

イディオ > 「結論を出すにはまだ、早いか。」

(折角拠点を作り上げて、動物の襲撃におびえなくてもいい状態を作り上げたのだ。それならば、依頼もない事だし、もう少し時間をかけてもいいのだと思う。
直ぐ近くの川で水は豊富で、周囲は森だ、木の実や、動物などが多く食料もたくさんある。
干し肉だって作り放題なのだ、食料に困ることもない。
ならばいいか、という思考に戻っていく、もう少しばかり興味の為に時間を潰すことに決めた。)

「それなら、今日の飯を食って、休憩して、明日また、行こうか。」

(もう少し捜索範囲を広げれば何かしらの当たりがあるかもしれない。
直ぐに決めるのは早計だと決めて、干し肉もある程度以上貯めて置けば、戻ったときに売る事が出来るからそれは其れでありだ。
じゃあ、と決めれば男は、休息するために寝袋の中に潜り込み、毛布を掛ける。
まだまだ寒くなるから、と、寝る前に外の焚火を一層強くして、休むことにする。)

ご案内:「九頭龍山脈 山中」からイディオさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にシスター・マルレーンさんが現れました。
シスター・マルレーン > 大勢の人間が動くのであれば、やはり整備された道が必要になる。
自然に広がる森林の中を、一人二人が歩くならまだしも、大勢の人間がかき分けて同じスピードで進めるものではない。

そして、際限なく広がる山ではあるが、整備された道はそんなに多いわけではない。
つまるところ、山であっても整備された道は戦略上重要な拠点である、ということだ。

そこに、簡易的な関所が欲しい、と連絡があった。
冒険者や雇われ傭兵は通し、賊の攻めに対しては抵抗できる拠点。

ついでに簡易的な診療所などにできれば、攻める際の重要な橋頭保になる。
うん、わかる。


「………せいっ!」

巨大な木槌で杭を打ち込むシスターの姿が一人、ぽつんとあった。

おかしくないかな? 遠い目で空を見る。

シスター・マルレーン > 一か所にとどまる仕事は、割と危険だ。
囲まれるどころか、人数を呼ばれることも多い。
その上で、当然戦果は上げられないことも多く、派手な評価はされづらい。
いわゆる、人気の無い仕事というものだ。


「貴方なら一人でいけるよね、ってどういうことですかほんとにー!」

がー、っと怒りながら、白く輝く木槌を振り回す。
杭がバターに突き刺すかのようにさくさくと地面に飲み込まれ、山側の道に対して壁が作られていく。
簡単に杭で囲い、そこに板を渡し。
最後に外側に土を袋に入れて積み上げる。


地味。

シスター・マルレーン > ぜー、ぜー。
建物を作ることは流石に無理である。壁を作ることがせいぜいだ。

ただ、柵を直す、橋を直すと、そういった仕事を繰り返したせいでこの手の技術が確実にスキルアップしているせいか、壁の仕上げは割と早い。

シスターって一体。 冒険者って一体。
自分の存在に疑念を持つのはやめよう。


「………あっつ。」

流石に泥まみれ、汗まみれになってフードを取れば、金色の髪がさらり、と流れ落ちる。
このまま働けば、明日には冒険者数人がとどまってから入り込める場所になるだろう。
ただ、分厚い修道服の中はもう汗でべたべただ。

シスター・マルレーン > 「………それに、せっかく作ったものを壊されるわけにもいかないですし。」

ふー、っと吐息を漏らしながらちら、と視線を向ければ。
襲撃をしてきた賊が数人、縛られたまま転がっている。

建築作業からそのまま戦闘に移れるのは彼女の強みかもしれない。
そんな強みは最初は無かったんだけどなぁ。 遠い目をする。

「……これ以上疲れると、強い方が来た時にまずいですし、このくらいにしときますか。」

ん、っと腰を伸ばして身体を反らす。いたた、と一言声を漏らして。

この拠点が完成した暁には、教会のものとして紋章を掲げるらしい。
作るのを一人に任せていい身分だな、なんて、ほんのちょっとしか思っていませんよ。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > そんな理不尽な労務に汗を流す修道女の耳に、蹄を踏み鳴らす様な音が聞こえるだろうか。
といっても、ぱかぱかという様な牧歌的な音では無く、多分に金属音を含ませた些か物騒な音。

その音源は、特に周囲に気を配らずとも直ぐに彼女の前に現れるだろう。整備されているとはいえ、辺鄙な山道を踏み拉く様に現れたのは金属鎧を纏った双角馬。所謂バイコーンに引かれた豪奢な馬車。
御者も無く馬車を引き続けるバイコーンは、建設中の拠点の前で速度を落とすとピタリと停止した。

停車した馬車の扉が徐に開かれると、中から顔を出したのは如何にも貴族のボンボン、という様な風貌の少年。
馬車から降り立ち、不思議そうに築かれた壁を見渡し、ふと修道女に気付くとつかつかと歩み寄る。

「……こんな所に拠点があるとは知らなかったが、関所か何かかな?見たところ、駐在の役人も見えぬ様だが」

小さく首を傾げつつ、縛り上げられた賊と彼女と壁に視線を向けつつ尋ねるだろう。

シスター・マルレーン > あー、やばーい。 教会の神父様、やれっていうのはいいけどちゃんとそこらに許可取ったのかしら。

許可も取らずにやれ、と命令されることも多々ある職場だ。かちゃかちゃという金属音からして、すぐに状況を察する女。
とはいえ、フードをそこから被りなおすのも面倒になれば、そっと肩をすくめて。

「………どうも、私は冒険者兼シスターの、シスター・マルレーンと申します。
 今はこの街道の先にある山、その更に奥にある賊の拠点から………。少数ではなく、ある程度まとまった数がやってくる時のために簡易拠点を構築しております。
 相手側から多数の人間がいいように整備された道を通ってやってくることは、ひとまずは防ごう、という意図ですね。」

手をぽん、と打ってにっこり笑顔。
年の頃は若いといえど、目の前の少年よりはよっぽど大人な修道女。

「………私はその、神父様にやるように言われて来ただけなので。
 外敵ではない人の通行を妨げるための関ではありませんし。

 その、一人で作ったわけで。」

頬をぽりぽり。神父様に責任を丸投げして視線が左右に泳ぐ。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 修道女の言葉をふむふむと頷きながら耳に入れる。
妙に土塗れというか、一仕事終えた感があるのは何でだろうかと内心首を傾げていたりするのだが。

「…ふむ、マルレーンとやら。此の拠点の意義は理解した。王都にてその様な計画書も申請も見た覚えは無いが…まあ、あって困るものでも無し。深くは聞くまい」

となれば、彼女は拠点付きの修道女か。それとも作業員の慰問か。構築している、という言葉に若干引っかかりながらも、責任者に顔を出しておくかと思った矢先。

「……一人で?此の拠点を、貴様がか?」

視線を左右に泳がせる修道女を、ぱちくりと驚いた様な瞳で見つめた後、付近の壁をもう一度眺めて、再度視線を彼女に戻す。
彼女が土塗れになっていた理由も、賊を縛り上げた者の正体も、全て理解したが、それでも驚きは隠しきれないだろう。

シスター・マルレーン > 「……ああ、よかった。」

胸に手を当てて、ほっと一息。許可が無いだとか挨拶が無いだとかで、さんざん因縁をつけられた経験が掃いて捨てるほどあるだけに、若干緊張していたのは事実。
あっさりと理解を示してもらえてほっと一息。

「ありがとうございます。
 ええ、一人で。

 そちらをご覧になって頂ければと思うのですが、この状況でも賊はやってきます。
 そのため、普通の作業員はやってくることができません。

 ………そして、教会の指示ですから、その指示で動くことができる人間は非常に一握りでして。

 結果として冒険者でもあって聖職者でもある都合の………ごほん。
 ちょうど適した人間を集めた結果ですね。」

あはは、と乾いた笑いを浮かべて。

「……泊まり込みでがんばってまーす。」

てへ、と舌を出して笑って見せた。