2020/04/03 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にタマモさんが現れました。
■タマモ > ここは九頭龍山脈、その山中のどこか。
詳しい場所は分からない、目的も決めず、駆け抜けた、その結果である。
そんな場所に、何やら丸まった布切れの塊があった。
もぞりもぞり、その布切れの塊が蠢く。
「………ぷはーっ!
まったく、酷い目にあった!酷い目にあったのじゃ!」
と、ずぼっ、と少女の頭が飛び出し、はふーっ、と息を吐き。
ばすんっ、と包む布切れが、爆ぜる。
僅かな怒りを露にしながら、げしげしっ、と地団太。
そうしながらも、地団太を止めれば、くるくるとどこからか回転しながら落ちてくる投影機を、はしっ、と掴んだ。
「やれやれ…良さそうな映像は撮れたものの、とんだ目にあったものじゃ。
にしても、ここはどの辺りなんじゃろうか…?」
ちょっと不機嫌そうな表情、投影機を小脇に抱え、ぐるりと見渡す。
まだ九頭龍山脈には居るだろうが、麓付近なのか、山中深くまで来たのか、さっぱり分からない。
■タマモ > 「むむむ…思うように撮れるようになれば、これから先、好きに面白いものを…
今考えれば、良いように誘われたように、思えん事もないのぅ。
将来的には、武力よりも、映像の力が上回る…なんぞ言っておるが、さてはて」
はふん、軽く溜息。
王城の誰かさんと、己の式が交わしたのは、映像を使い世の流れを…とか何とか。
まぁ、確かにどこかでは、剣よりもペンのが強い、とか何とか。
それに近い事を、やろうとしているのだろう。
表立たず、裏から糸を引こうとするとか、あの式の考えそうな事だ。
とは言え、この地では、まだそうした事は流行していない。
それをなす為の協力関係との事らしいし、今こうしてやってるのも、やれるようになる必要があるから。
まったく、面倒な話である上、主である己に細かい説明もなしとは失礼なものだ。
………説明されて、理解する気があるかどうか、なんて疑問は気にするな。
「さて、これはこれで良しとして…他を考えねばのぅ」
気を取り直すように、すーはー、と深呼吸。
抱えていた投影機を持ち直し、これからどうするか、と改めて考え始めた。
■タマモ > しかし、投影機を持った少女。
考える事なんて、碌な事がある訳もなく。
山賊に出会ったならば、先に予定を立てていた、山賊に密着とか。
そうでない相手に出会ったならば、きっと、子供には見せれないよ!なんて映像が出来上がる事だろう。
まぁ、魔物とかに出会ったならば、バトル系の派手な映像が撮れる。
何者とも出会わなければ、また風景の映像とか、人を選ぶが楽しめそうな映像が撮れる、とは思う。
手にしていた投影機をふわりと浮かせ、腕を組み、考える仕草。
とりあえず、耳を澄ませ、何か聞き取れないかと音に集中するのだ。
………ただし、大音響は勘弁、耳を痛めるから。
そんな事を、もしもしたならば、少女の怒りを買う事受け合いだ。
■タマモ > ぴくん、少女の耳が揺れた。
集中すれば、少女の聴覚は本来の獣のそれを上回る。
だからこそ、それに欠点も付いて回るのだが。
有利ばかりの働く能力なんて、ありはしないのだ。
たんっ、少女が地面を蹴る。
その姿は、一瞬でその場から消え去った。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からタマモさんが去りました。