2020/03/29 のログ
ファイネア > 崖を降りるとはまたハードな事をしていたものだ。
そういう事情であればしょうがないとは思うが。
仕方がなかったわね、とぽふぽふと頭を撫でるように手を伸ばすのだ。

「ふふ。じゃあその内に何かで返してくれればいいわ」

と、別にロープでなくてもいいと告げる。それで気が済むならばそれで構わない、と。
崖を下るとかでなければまぁ、長めのロープを一括り持っておけば足りはすると思う。
荷物はそれなりに重たくなるだろうが。

「魔族の攻勢がなければ基本いるだけよ。何かあればハードだけど。
数日交代で報酬は最前線な分高め。一番きついのはやっぱり清潔感かしらねー…。」

基本、男性が多い。風呂もない。水は貴重だからだ。
そりゃあ貴族が視察に来る際の風呂くらいはあるだろうが、あってないようなものだ。

「えぇ。戻るわ。今から長々夜道を王都にって時間でもないでしょう。
…ティアも何なら来る? 明日なら馬車も出ると思うわ。タダじゃないかもしれないけれど。」

清潔感はあまりないが一晩で済むならとも誘う。
何なら自分と相部屋にできないか相談はしてあげる、と。
もうちょっと親密になっておくのも悪くない…と思いながら、ちょっと蠱惑的な視線で覗き込んだ。

ティアフェル >  頭を撫でる手に、自分の方が年上だと思っていたが……現状はまったくそんな感じがしない。
 情けなさそうに笑って、ぴこん、とアホ毛が揺れた。

「何か? 別の物ー……そう云われると難しいな。
 何にしよう。最近ハマってるレース編みのコサージュとか?」

 ロープ代わりにお礼……暇な時に編むレース編み。髪飾りやらコサージュやら真面に作れるようになったので。思いついてしまい。口にした。

「そっか、運次第って感じね。
 今回は――大丈夫だったみたいね? あぁーそれな。髪とか油っぽくなっちゃうとツライ」

 女性は男性より匂いに敏感。男くさい中の勤務はそれだけでげんなりしてしまいそうだ…と想像して眉を寄せた。
 
「そだね。明日経った方が良さそ……――いーの?
 じゃ、行く行く。お泊りも楽しそう」

 相部屋か、夜通しガールズトークが火を噴くぜ、とこっちは相変わらずど健全思考。
 お願いします、と頭を下げた。
 覗き込む目線が妙に艶っぽくて少々どきっとしてしまいつつ。へら、と笑いかけて。

ファイネア > コサージュ、というとあのブローチ的な。
ふぅん、と少し興味深そうな様子を見せる。お洒落に気を使う、という気持ちは勿論ある。
外出時に使おうとは思わないが、王都で飾りに使う分には構わないだろう。

「いいわね、コサージュ。」

楽しみにしてる、と笑顔を向けた。
店売りではないハンドメイド品というのは特別感があるものだ。

「だから近くの温泉にね。さっきみたいに危険があったりもするけれど。
ま、私だって報酬が少ないなら参加する気はないわ。」

様子を伺いながら汗を流しにいくのだ。匂いに敏感なティアには少しキツいかもしれない。
ただ、まぁ、腕の立つ者はかなりいるし、実戦や手合わせ、という面を見ればデメリットばかりでもないと話す。
そういう場所にたまに行くというのは、先日からのそこそこ腕も立つ、という事が連想できるかもしれない。

「相部屋は相談の結果次第だけどね。…少なくとも安全でしょ?」

頭を下げられればOKと言って、街道を砦方面へと足を向ける。
耳元でちょっとじゃあ一晩可愛がってあげるわね、と冗談めかして囁いておいた。
距離はそう無い。思ったよりも早く砦には到着する。
その一晩は特に何事もなく通り過ぎていくだろう。

ティアフェル > 「あ、それでいい? じゃ、頑張って編むね。
 何系の色がいい?」

 お礼はそれでいいらしい。普段何となく暇つぶしに編んでいるが、上げる相手がいるのも楽しそう、ともらってくれるとの声に表情を綻ばせ。鮮やかな薄紅の眸からそんな色を選んでしまいそうになる。むしろ桃色の眸に合わせて薄紫もありかなーと考え始め。

「わたしは助かったから良かったけど。お風呂に入るにも一苦労ね。
 っはは、だろうね。実際報酬は結構いんだ?」

 防衛線などには参加を考えたこともなかったが、実際に加わっている人の意見には興味がある。
 これからその砦に行けるならまた得るものがありそうだ。
 メリットに関してはほうほうと聞き入って、やっぱり強い女の子なんだな、と改めて感心した。

「だあね、せっかくなら一緒の方が安心……」

 方向転換して終夜灯りの絶えない砦へと、ついて歩きながら。耳元での囁きに、びっく、と肩を震わせ。「云い方よ……」冗談キツイ、と肩を落として小さく息を吐き。
 そして、砦で一晩を過ごすことになり、お気に入りの雑貨店やらカフェやら情報交換など女子トークを積極的に展開し。寝るまで、むさい砦の中でそこだけ異質な空気を醸し出していた。
 一夜明けると、王都に帰るのに合わせてこちらもくっついて行き、無事の帰還を果たすこと。

ファイネア > 「任せるわ。たまには誰かの選ぶ色というのも悪くないもの。」

自分で選ぶと意識せずとも偏りが出てしまう。
何やら考えてくれているような雰囲気だし、任せておいてそれを楽しみに待つのも一興。

「危険手当的なものかしらね。
移動自体にも馬車はあるし、日数の割には良いと思うわ。」

そう言って話す内容は採取作業や簡単な討伐依頼よりも余程高い金額であった。
働き方や戦闘なのか医療なのか雑事なのかで金額も変動するだろう、と。
ただ、後方任務であっても環境は変わらないわ、とも。

「ふふ。見えてきたわね。」

ファイネア自身は冗談にしなくてもいいのだけど、とは思ってはいるがそれはまた今度にするようで。
主にティアの展開する女子トークに相槌を打ちながら話し込むだろう。
とは言え、仕事と山歩きをしたわけだから、それなりに早く寝入ってはしまう。

翌朝。きちんと交渉の上で馬車で二人仲良く王都に戻った、とか。

ご案内:「九頭龍山脈/山中」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈/山中」からファイネアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にタマモさんが現れました。
タマモ > ここは九頭龍山脈、山賊街道近くの山中だ。
少女は今、そんな山中の木の枝の上、近くの山賊街道がよく見える場所に居る。

最近、少々王城での関わりがあり、面倒な話を持ち掛けられた。
正しくは、己の式が勝手に話を進め、己が巻き込まれた、だが。

「………ふむ、とりあえず、扱いは聞いたが…
お主の方は、ちゃんと覚えておるか?馬鹿鴉?」

少女の手にあるのは、この少女らしからぬ魔導機械らしきもの。
その外観は、アケローン闘技場にある魔導投影機に近いものだ。
それを、こう、角度を変えて眺めながら、誰にともなく呟く少女。

『覚えろと言われれば、覚えるまでだ。
それにしても、ナズナ殿も変わった事を始めさせたものだな。
………技術的に出来るものではあるが、良かったのだろうか?』

それに答えたのは、側に佇む黒い人影、声からして男であるのは分かるが。
鴉の嘴を模した仮面を被る男は、溜息混じりにそう答えた。
何やら危惧した物言いだが、強く否定する様子は感じられない。
と言うよりも、相手が相手だから、それを諦めたような、そんな感じか。

「まぁ、ここの人間…人間?も良いと言っておったのじゃ、良いんじゃろう?
むむむ………まぁ、一応は扱えるようになったんじゃ、良かろう。
ほれ、お主はお主で、やる事も出来たじゃろう?
ならば、さっさと行った方が良かろうて」

唸りながらも、まだ魔導機械を弄る少女。
そこまで言えば、追い払うように、しっしっ、と手を振った。
そんな少女の反応に、再び起こる男の溜息。
次の瞬間、その人影は、その場から消え去った。

タマモ > 「まずは、扱えるようになる為に、好きにやってみろ、か。
………そうかそうか、好きにやれか、うむ」

ひょいっ、と立てた指の先にそれを器用に立て、くるくると回して弄ぶ。
こんなものを与えられた少女が、何を撮るのか。
正直、想像し難くない気がするのだが、そう言われたのだから、良しとしよう。
実際のところ、確かにちゃんとは使いこなせない。
説明を聞くのも面倒だしと、どうしようもない少女。
それを少女に言った相手も、そう大した期待は持ってない、と思われる。

もっとも、状況次第では、少女の学習能力は跳ね上がる。
主に、それが楽しみに通じる事とか、そんなもの。
間違いなく、そうした場面を作り上げ撮るとか、隠し撮るとか、そんな禄でもない事なのは、間違いないだろう。

少女が、気紛れに訪れる場所、それをここにしたのが…まぁ、そんなものだ。
しゅぱっ、と投影機を構える仕草。
誰か居ないだろうかと、映される映像越しに周囲を眺める少女であった。

タマモ > ぐるりと周囲を確認するも、映る映像に人影はなし。
まぁ、茂る木々があるせいで、その姿を隠しているかもしれないが。

「映すものもなければ、あれじゃのぅ。
………自然の風景なんぞ、らしくもないじゃろうしな。
いっそ、そこらの賊の生活でも覗いてやろうか?」

そんな事を呟けば、構える手元から、ふわりと投影機が浮かび上がる。
そのまま、ふわふわと、僅かに距離を置くように離れた。
少女はくるりとそれに振り返り、視線を向けて。

「さぁて、ちゃんと撮れるかどうか、試してみようかのぅ?
本来ならば、なんぞ台詞も付けるものなのじゃが…それはそれ、今回は不要としよう」

くすりと笑えば、ぱちんっ、と指を鳴らす。
距離を置いて、浮かんだままの投影機。
それに反応したかのように、急に作動を始めたようだ。

「妾が初の撮影は、ある山賊一団の日常とでもしてみようか。
ふふ…盗撮か、何か燃えるしちゅえーしょん、じゃのぅ」

たんっ、と枝を蹴れば、そのまま身を舞い躍らせる。
ふわりと音もなく地面に着地、軽く地を駆け、ある方向へと向かいだした。
浮かんでいた投影機は、まるで何者かが抱え追い掛けているかのように、少女の後へと続き飛んでいく。
まぁ、本当に山賊一団が居る、との確信はない。
それでも、何か居るだろうと、勘が伝えている。

タマモ > 木々の間を器用に駆け抜ける少女、同じ間隔を保ち、同じように抜けてゆく投影機。
うん、何とも疾走感を感じられる、そんな映像が撮れている事だろう。
そんな事を、ふっと感じ取る事が出来たのならば、駆けながらも少女は思案する。
もしかして、これはこれで、見る側からしたら、悪くないのでは?と。

「よし、ならば、少し遊んでみるとしようか…!」

と、いきなり、進行方向をぐにゃりと曲げる。
普通に駆け抜けようと考えれば、どこかで衝突を起こすものだろう。
しかし、そうならないのが、この少女だ。
動物的勘は、自然の中では非常に強い。
………いや、と言うか、己はヒトでなく動物だし、人間的な表現で。

駆ける速度は、徐々に増してゆく。
迫る木々の間隔も、それに合わせ、かなり縮んでくる。
駆け抜け、時に跳び、少女は進み続けた。
あれ?目的地ってどこだっけ?とか、ふと頭に浮かぶ。
そんな少女は、目的を失ったまま、ただただ九頭龍山脈を駆け続けていた。

たまには、こんな遊びも良いよね?多分?