2020/03/23 のログ
ブレイド > 中身は…男の言ったとおり、結構な価値がありそうなものがいくつか。
宝石も混じってるようで、路銀くらいは余裕でもとが取れる。

「ありがたくいただくぜ?」

箱ごと荷物袋に放り込めば、ランタンを再び手に取る。
用事が済めば長居は無用だ。
誰か来ないとも限らない。かえってさっさと換金してしまおう。

ご案内:「九頭龍山脈 洞窟」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にアルヴィンさんが現れました。
アルヴィン > 人気も少ない、山賊街道。その道を、長閑に馬うたせる一騎の騎影があった。
黒鹿毛の軍馬は、文字通りその体重と同量の金と引き換えにしても惜しくはない悍馬である。悍馬は、もっと走らせろ、もっと疾く走らせろと、時折不満げに鼻を鳴らす。それを騎士は、笑いながらに鬣を撫で、いさめながら、宥めながらに道をゆく。
まだ、陽は高い。春の陽はほどなくして暮れようが、それでもまだ、日暮れまでにはまだ間があろう。
野宿を、始めから覚悟している道行であろう。騎士の様子に焦りなどは微塵もなく、どこか呑気に長閑な気配は変わらない。
もの寂しい山賊街道の道行きとて、春の気配はやはり濃く、騎士にはその季節の装いを路傍の花や風のにおいに覚えるだけで、長閑に道行を楽しめるものであるらしい。

アルヴィン > 長閑な道行きに伴い、次第に春の伸びゆく陽も傾きだした。風はやはり、早春のものだ。底に硬い冷たさを宿して吹きすぎる。
宿など無いことは先刻承知、騎士は野宿に向いた場所を、いくつか予め旅慣れた商人たちから聞き出していた。
目当てとしていた大木はもう、間近い。
今宵は、その大木の根方にて、夜を迎えることとなろう…。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からアルヴィンさんが去りました。
ご案内:「山賊街道」にアルヴィンさんが現れました。
アルヴィン > 樫の樹、だろうか。山賊街道の傍らに聳える大樹がある。
苔むした古木のその根方は、風が遮られ、大樹の繁らせた枝葉を屋根とし、よほどでなければ雨さえも防いでくれる。
野営が頻繁に営まれているのだろう。根方には、折々に焚火が営まれるため、土が露出したまま下生えも繁らぬようになっている。
騎士がこの夜、野営の地と決めたのはそういう場所だった。
薪を組み、火を点す。
うまく風の通り道を作り、少ない枯れ枝で巧みに火を大きくしていた。
時折、枯れ枝で薪を突いて整えてやるが、騎士は決して焔を直視しなかった。
万一、忍び寄る魔獣でもいた時、焔の明るさに慣れた瞳は、瞬時に闇には慣れてくれぬ。それを、重々弁えている振舞だった。
簡素な食事はもう終えた。
春の夜は、まだまだ冷たさを忍ばせこの野営地に忍び寄る…。

アルヴィン > 火は、十分に熾された。あとは、十分な薪を添えておけば、今宵一晩は熾火となってもってくれよう。
それを確かめて騎士は、手にしていた枯れ枝を置き、マントを改めて地へと広げる。野営において、最も体温を奪うのは、地面だ。騎士のマントは、しなやかでありつつ、強靭なものだった。皮革の丈夫さを持ちながら眼にも鮮やかな青は、魔術を以って仕上げられたことを意味している。
焚火の傍ら、マントを敷いて。騎士は鎧を外すと雨露に濡らさぬようにと手を入れる。
そうして支度を終えた後に、若い騎士は傍らの雑草に手を伸ばした。
一葉をちぎり、唇へと。
そこから流れ出るのは、なんとも素朴な草笛の音色…。