2020/02/11 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にタマモさんが現れました。
タマモ > ここは九頭龍山脈、そう深くはない山中。
木々生い茂る森林の中、隙間を縫うように移動する一つの影。
しばらく移動を続けた後、ぴたり、と動きを止める。

「………ふむ、撒けたじゃろうか?」

普通に乗っていれば、折れそうな、そう丈夫そうではない枝の上。
その上に、撓らせる事もなく立つのは、着物姿の少女だった。
視線を背後に向け、ぽつりと呟く言葉から、何かから逃げていたのは分かるだろう。

「まったく、よりによって、こんな場所で出くわすとはのぅ。
妾に構わず、依頼?とやらでも、素直にこなしておれば良いのじゃ。
本当に、冒険者と言うものは…」

はふん、軽く溜息を一つ。
そう、少女を追っていたのは、偶然出くわした冒険者。
しかも、時折、己を捕らえようと追って来る連中だった。

「まぁ、追い付くなら追い付くで、また逃げるだけじゃ。
さて、散策の再開といこうかのぅ」

今度は、進んでいた方向へと視線を向けながら、そう思案を巡らせていた。

タマモ > ふむ、と頷けば、一旦視線を下に。
ぐ、ぐっ、と体を右に左に伸ばし、背を反らして、と解す。

すっと瞳を閉じ、意識を沈める。
今まであった、少女の気配は、周囲へと溶け込むようになるだろう。
まぁ、気配を探るような、そんな相手が居れば有効なだけで、そうでなければ、余り意味はないが。

後は耳を澄ませ、周囲の音へと意識を集中する。
微風が揺らす、草葉の擦れる音や、動物の寝息。
そうしたものさえも、聞き取るレベルの聴力で。
………とりあえず、あれだ。
こうしている時は、大きな音は勘弁して貰いたいが、それは秘密だ。

ともあれ、何者かが居れば、少女は、それを捉えるが…
何も無いままに、また時は過ぎるだろうか?

タマモ > 気配を遮断する訳でなく、周囲と一体化する。
感知はしているが、少女を少女として、認識出来ないのだ。
自然を自然として感知する、そんな感じか。
それは、それに頼る者である程に、効果的なものである。

本来は、その手の類の相手に使う術なのだが…
あれだ、気が付いた時に、使ったりとかしてないと、勘が鈍る?みたいな?そんなものである。

そうしながら、とん、とん、と枝を飛び伝い、移動再開。
やはり、ただ待つのは苦手な少女であった。

タマモ > 少女の姿は、一度瞳に捉えようと、捉え続ける事は困難となり始める。
進む方角は変わらずとも、時に枝の上、時に地面、時に宙を舞ってと、一貫性がなくなってきたのだ。

極稀に見せる、少女独特の移動法。
そのまま、少女の姿は、森林の更に奥深くへと消えていった。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からタマモさんが去りました。