2019/12/17 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にデドロスさんが現れました。
デドロス > (九頭龍山脈に足を運ぶつもりは無かった。無かったのだが、何故か此処に転移させられていた。
地下迷宮の探索の最中に足を踏み入れた部屋が罠だった訳だが。
よりにもよって飛ばされた先が山賊街道、それも山の中なのは笑えない。

魔物も山賊も報告件数が多い区域。それ以上に今の時期では寒すぎる。
街中で防寒の装備や道具を準備こそしていたのだが、山の寒さは骨身に染みる。
焚き火を起こす事で暖は取れようが、魔物、山賊からは見つかりやすくなるだろう。
一寸思案する様に周囲を見回した。)

「マズったな。パーティーの連中もどっかに飛ばされた臭ぇが。
依頼人も見当たらねぇし、こんなことなら」

(さっさとパーティーの面子や依頼人から身包み剥ぎ取っておけばよかった。
その言葉を飲み込んだのは、まだ近くに誰か居ないだろうか、という不安が過ぎったからだ。

枯れ草を踏む音は静かな物だが、枝を踏めば音は反響する。
足を余り上げないようにしながら、休憩所として小屋か洞窟を探す事にした。)

デドロス > 「この木の実とか喰えるのかわかんねぇな。
無茶苦茶うまそうな見た目なんだがなぁ。喰って腹壊した、じゃぁ。
山賊や動物、魔物にはいどうぞ、と身体差し出すようなもんだし。

どっかで音でもなりゃなぁ。」

(かさ、かさ。かさ、かさ、と。およそ歩く音とも思えない音が少しだけ響く。
幸いグリープは足裏全体の保護もかねているため、硬いモノを踏んづけて、といった間抜けな目に遭わないのは幸運。

枯れ草の上でほんの少しだけ足を上げて、ゆぅっくり爪先を前に進ませる。
そして足を静かに下ろす。重心は後ろに。これだけでも転倒のリスクは減らせる。
なるべく岩陰に、木の後ろに。人目に付かないようにゆっくりゆっくり足を進ませている。

天の救いでもあれば神も信じるが、生憎悪党。幸運の値はあまり高くないと自覚はしていた)

デドロス > (手頃な洞窟、とまでは言わないが。岩穴くらいの狭い空間を見つけたのは1時間後。
退避するように岩穴の中に入り、軽く設営。
折り返しのある岩穴なので、ここなら焚き火を焚いても大丈夫だろう。
多分。)

「やぁれやれ。っとにツいてねぇな。
こういう時はあれだろ?不幸の揺り戻しで幸運があってもおかしくねぇんだがなぁ。

良い女が空から降ってくるだの、都合良く迷子になってるだの。
そんなんでもありゃカミサマを信じてやろぉって気にもなるんだがなぁ。」

(そもそもカミサマなんぞ、と口の中で殺す様に言葉を紡いだ。
指先は小さな石を床から摘みあげ、平坦に。
岩穴だったが誰かしら使っていたのかもしれない。床は岩ではなく、土が敷き詰められ、その上に少しばかり草が生えていた。

雑草は食べる気になれないので、土の地面をありがたく。
岩穴周辺の枝や、とりあえずの糊口をしのぐ食料を探す為に岩穴を出たり入ったり。暫く繰り返されるのは探索行動。)

デドロス > (無事に街に戻れたのは少ししてから。山賊に助けられたという顛末だった、とか)
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からデドロスさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にタマモさんが現れました。
タマモ > 「………まぁ、こう言う日もあるものじゃ」

ここは九頭龍山脈、そのどこかにある洞穴。
その入り口に佇むのは、そんな呟きを漏らす、遠い目をした少女が一人。

今日も暇潰しの釣りであったが、妙に調子が良かった。
そう大きいものでもないタライだが、それを数杯分、小川へと返す余裕っぷりだったのだ。
食するのに必要なのは、せいぜい数匹。
しかし、今日釣れたのは、記憶をしているだけでも十を越える。
遊び半分とは言え、こう調子が良ければ気分も良いもの。

…ではあったのだが、途中、見事に雨に降られた。
もう少し、こう、良い気分を味わっていたかったのだが、これは仕方が無いと言うものだ。

さすがに、ずぶ濡れになってまで、釣りを続けるつもりはない。
内側に少々加工を施した風呂敷包み、それに数匹だけ魚を包み、この洞穴へと逃げ込んだ訳である。

だが、話はこれで終わらない。
その降っていた雨は、今やすっかりと止んでいた。
まぁ、雲空なのだから、またいつ降るか、とも分からないが。
そうは言っても、雨で小川から引き上げた身としては、やはり、納得出来ない部分もあったり、なかったり。

とりあえず、どうするか…
そんな事を考えながら、洞穴の前で、雲空を眺める少女であった。

タマモ > 「ふむ…」

軽く考え込み、ふと、視線が風呂敷包みへと向く。
手を伸ばせば、もそもそと漁り、取り出すのは二匹の魚。
続いては、ぽんっ、と手元に唐傘を出し、かちゃかちゃと、仕込み部分から串を二本。
とすっ、と魚に串を通せば、傍らに置いておき。

「まぁ、せっかくじゃ、小腹を満たすのも良かろう」

ぱちんっ、指を鳴らせば、ぽっ、と地面に灯る狐火。
それを焚き火代わりに、串を通した魚を側に刺す。
後は、魚が焼けるのを待つだけだ。
…色々と、間が何か抜けている?
細かい事は気にしない、食べられれば、それで良いのだ。
ぶっちゃけ、生でも食べられるのだが、それはそれ。

しばらくすれば、辺りに漂うのは、魚の焼けた匂い。
ある程度焦げ目が付き、それなりに焼けたのを確認すれば、狐火を魚から少し離そうか。

しかし、その魚をすぐに食べたりはしない。
少しの間、待つ構えである。
なぜならば………うん、秘密としておこう。
決して、焼いてすぐは、熱いから食べれない訳ではない。
…多分。

タマモ > こうして、またしばらくの時間が過ぎる。
冷めるまで待った焼き魚、その串を掴んで。

「………よし、さすがに食べられるじゃろう」

本来、こうしたものは、焼いた直後が美味しいと言う。
だがしかし、駄目なものは仕方無い。
掴んだ焼き魚を口元へと持っていき、あむ、と一口。
………もぐもぐもぐ、ごくん。

「うむ、やはり、ちゃんと火の通った魚と言うのは、美味いものじゃのぅ」

うんうんと、己の言葉に頷きながら。
もう一口、もう一口と、焼き魚を食べてゆく。
もう少し、色々と細工でも施せば、もっと美味しくなるのだが…面倒なので、これで良い。
これはこれで、ちゃんと美味なので、許せるものだ。

そんな感じに、少女は焼き魚を頬張ってゆくのであった。

タマモ > 一本目の焼き魚、それを完食する少女。

「さて、もう一本…ん…?」

きゅっきゅと串を拭い、唐傘に仕込み直す。
そして、二本目の焼き魚へと、手を伸ばすのだが…
すかっ、その手が、空を切った。

「おや…?」

視線を、二本目の焼き魚の置いてあった方へ、向ける。
そこにあったはずの焼き魚が、風呂敷包みごと、その場から消えていた。

「は?…いや、待て、これはどう言うこt…」

不思議そうに、かくん?と首を傾げる少女。
疑問を口にするのだが、その言葉がすべて語られる事はなく…
少女のまた、次の瞬間、その場から消えていた。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からタマモさんが去りました。