2019/09/25 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にハーティリアさんが現れました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からハーティリアさんが去りました。
■影時 > 「……押し付け合いの果てのゴリ押しかい。一番安直っつぅか、手管としては分からなくは無ェが」
肉の壁という言葉をふと、思い出す。
参陣する際に偶に聞く語句ではあるが、半端な知能がある同士が為すとなると微妙に哂えない。
骨を断つ程鋭く、容易くは破れないほど強靭な鋼線ではあるが力押しとなると、固定している個所がそろそろ保つまい。
犠牲のかいあって、程なくはじけ飛べば魔物達が押し寄せてこよう。
それを真正面で待ちながら、男は胸の高さで両手を構える。
「――だが、以上も以下も無ェな。先ずは手前ェから落ちとくといい」
印を組む。氣を巡らせて術を紡ぎ、結果を為す。魔物の列の最前線に地が震えてぽっかりと穴が開いたのだ。
深い深い穴だ。其処に将棋倒しになるが如く、倒れて入り込む様を眺め置けば、入った分だけ穴が埋まる。
そうすれば、直に手を下す手間が省けるのだ。穴は然るべきことを済ませ、しっかりと突き固めて埋めればいい。
一番後から遣ってくる魔物は、己と同じ位の背丈と倍近くの目方のある巨漢だ。
地響きを立てそうな足音は、落とし穴に落ちた同胞を踏みつけて悲鳴と絶息を奏でさせながら迫る。
それを口の端を釣り上げて、迎え撃つ――。
程良く時間をかけて事を為せば、生存者の有無を確かめに洞穴に潜る。
結局無事に犠牲者の有無も確かめ、救出できたか否か等は万事を眺めていた月のみが知る。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」から影時さんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にタマモさんが現れました。
■タマモ > ここは九頭龍山脈、麓付近のそう深くない山中。
森林に囲まれた、そう広くは無い小空間があり、そこを通り抜けるように河川が流れている。
少女の姿は、その泉の側にあった。
その側には釣竿、タライ。
まぁ、水辺に少女となれば、大概は釣りである。
もっとも、今回、そのタライには魚が数匹泳いでいた。
普段はすぐ戻すのだが、本日は、普通に食べる為に、であるからだ。
「………ふむ、まぁ、後一匹くらいとしておくかのぅ。
今日は、なかなかの調子のようじゃ」
ふむ、と満足そうに頷きながら、釣竿を手にし、振るう。
ぽちゃん、餌を取り付けた釣針が中辺りに落ちる。
■タマモ > 釣り糸を垂らしたまま、よいせ、と適当な岩場に腰掛ける。
後は静かに、反応があるのを待つだけだ。
瞳を閉じ、流れに身を任せる。
釣れるも釣れぬも、その時の運次第。
調子がよくとも、急に落ちる時もあるものだ。
まぁ、その逆もあると言えばある訳だが。
静寂。
さらさらと水の流れる音、微風に靡く草葉の擦れる音。
自然の立てる様々な音、それに耳を傾けて。
向ける意識は、釣り糸を垂らす、水の中に。
■タマモ > ぴくん、少女の耳が揺れる。
手にしていた釣竿、垂らす釣り糸から、僅かな振動を伝えてくる感覚。
「ふむ…」
瞳を薄く開き、視線の先を釣り糸の垂れた水面に。
くい、くい、と軽く釣竿を揺らし、何かを確かめる。
何度か、それを繰り返し、その後…
「………そこじゃっ!」
くんっ、釣り糸から、軽く引くような反応。
その瞬間、釣竿を持つ手の手首を返し、ぐいっ、と引き上げる。
ざばぁっ、少々派手な水音を立て、水面から飛び出してくる何か。
まぁ、言うまでも無いが、釣り餌に掛かった魚である。
が、月明かりのみを頼りにして釣っているのだ、周囲から見て、それが分かるか分からないか、と言った感じだ。
引き上げた魚は宙を舞い…ぼちゃん、少女の側にある、タライに落ちた。
落ちる際、器用に釣竿を手繰り釣針を外しつつ、タライに落ちる寸前、何かに受け止められたかのように落ちる勢いが和らいでいた。
派手に水飛沫を立てず、水音が小さかったのは、そうしていた為である。
「よし、今日の釣りはここまでじゃな。
さて、後は食すとするかのぅ」
よいせ、と腰掛けた時のように立ち上がれば、ぽんっ、と釣竿を消す。
呟いていた通り、後は、釣った魚を焼いて食べるだけである。
もそもそと、調理の準備を始める少女。
その後、少女は魚を美味しく頂き、今日のところは寝る予定だ。
付近に寝る場所はあるのか?
そんなもの、当然、野宿に決まっている。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からタマモさんが去りました。