2019/09/05 のログ
ノール > そのまま、大あくびを漏らしつつ月が大きく動くまで居続け
此方からも見えない曲がり道の方へのそのそと歩くと、這ってそろり、と頭を出す

「…………」

クネクネと蛇行しあるいは時折曲がって見えない道が麓へ伸びる
登ってきている者が居れば気付かれてしまったかもしれないが、その気配は無かった
がくり、と肩が落ちる
そのまま、片手の大きな斧をぽいーと崖下へ放りなげ
立ち上がると、そそくさと何処へと姿を消した

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からノールさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」に紅月さんが現れました。
紅月 > ーーーちりちり、りりり…
九頭龍山脈、森の奥…今宵、月に照らされた洞窟前には久方ぶりの穏やかな時が流れていた。
ほんの数時間前まで修羅場を極めていた其処は、盗賊団の根城"だった"のだ。

ちょっと夜光花を眺めながらお茶でもしようとお気に入りのワンピースで山に入ったら、何処からともなく現れた人影…うっかり紅月を拐おうとしたのが運の尽き、そのまま拐われたフリでアジトにご案内頂き、一網打尽という訳だ。

盗賊の隠し財産で懐は潤った。
死人には不要であろうと、ついでに食料も頂いた。
盗賊当人たちはレア・ミディアムレア・ウェルダンと焼き加減よりどりみどりな肉塊となった訳だが…残念ながら、表皮や体毛から悪臭がしていた為に微塵も食指が動かず、現在根城と共に御焚き上げ中。
万事良好、いつも通りである。

「嗚呼…なんて酷い……」

すっかり血染めになってしまった、純白のワンピース以外は。
しょんぼりと意気消沈…ダラダラとワイシャツのボタンを留めながら、思わずボヤく。

紅月 > あれこれ作業をしていたら、すっかり深夜も深夜…むしろ、朝手前といっても過言では無かろう。
まだまだ夜の闇があるとて、あと2~3時間もすれば夜が明ける筈だ。

「ってゆーか、真後ろなんかもう巨大キャンプファイヤーで超あかるいし…」

半目になりながら、まだまだボヤく。
これじゃあ夜光花観賞どころではない…すっかり予定が狂ってしまった。

とりあえず、美しい木々に延焼せぬよう火の管理は"鬼火"達に丸投げしてある。
増えすぎた火は喰らい、足りぬ所は着火し…と、寝ずの番から料理番まで非常に頼れる子達だ。
今夜の処理も上手くやっておいてくれるだろう…証拠どころか灰も残さず、舐め尽くしてくれる筈だ。

「後は頼んだよ。
終わったら勝手に帰ってくれて大丈夫だから」

くるくる、ぽふり。
ハットを被れば半身だけで振り返り、鬼火達に手を振る。
これも何時もの事だ、仕事を終えたら自由行動…帰るもよし、他種族に手を出さぬなら散策するもよし。
…さて、と、呟けば自身もまた散策に戻ろうと、再び木々の合間へ入っていく。

紅月 > ざく、ざく…
歩を進めれば進める程に、緑と夜露の澄んだ空気が濃くなってゆく。
小さく羽音がするのは梟か木菟か…きっと狩りでもしているのだろう。

空を見上げれば満天の星…月はまだ上弦に届かぬ程度か。
目を細め、小さく笑う。
人の世もなかなか刺激的で愉快だが、やはり…己が身にとっては、自然に囲まれている方が気が休まるらしい。
街中はどうも賑やかすぎるのだ。

「……いっそ、朝日を拝んでから帰るかな…」

ため息混じりに、一言。
視線を前に戻しながら呟いたそれは、鈴虫や蟋蟀の唄に溶けていく。
そうして、彼女もまた…

ご案内:「九頭龍山脈 山中」から紅月さんが去りました。