2019/08/26 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にタマモさんが現れました。
タマモ > ここは九頭龍山脈、山中でも麓に近い場所。
立ち並ぶ木々、中でもより高い一本の樹木。
ふわり、と一人の少女が、その天辺へと降り立った。
微風に玉子色の髪を靡かせ、細められた赤味を帯びた金色の瞳が眼下に広がる光景へと向けられる。

「………あぁ…最近は、少しは涼しくなったと言うのに…」

視線は、そこに見える一点を捉える。
言葉を一旦止め、はふん、と溜息を一つ。

「無駄に暑くする、むさ苦しい連中が蠢いておるのぅ」

先を駆ける人影、その後を追うように続く幾つもの別の人影。
さて、あれは逃げておるのか、誘っておるのか。
少なくとも後を追う連中は、どう言った存在を指しているのか、少女の呟きから理解出来るだろうか?

「ふむ………先に行くのは、何者じゃろうか?
狙ってか偶然か、何とも見難い動きをしてくれるものじゃ」

額に手を翳すように添え、前を駆ける者へと視線の先を変えて改めて見る。
まぁ、偶然であろうが、上手く木々の草葉の影となり、はっきりと人影を見る事は出来ないでいた。
感心したような呟き、そして、とん、と足元を蹴る。
ふわりと少女の身は宙を舞い、別の樹木の天辺、そして枝を足場にし、それを追うように木々を飛び移って。

タマモ > 何度目か、たんっ、と少し強めに枝を蹴り、一気に追う追われるを行う者達の真上付近にまで近付いた。
視線は移動を続ける後を正確に追い、音も無く、その背後にまで寄って来る。
ゆっくりと、時間を掛けるように、距離を詰めて。
追っている者達は、どう見ても、真っ当な生活を送っている者とは思えない風体。
そこまでを確認すれば、ふむ、と少女は頷いた。

「面白味もない、楽しみ甲斐もない。
そんな連中は、ちと眠っておるが良かろう」

ぽつりと漏らす、少女の囁き。
次の瞬間、少女の姿は、その場から掻き消える。
その声を耳にしたのだろう、全員ではないが、幾人かが声のした方へと意識を向けた。
しかし、その場には誰も居ない。

消えた少女の姿は、そうした者達を囲わせたような、中央に位置した場所に佇んでいた。
と、周囲へと波紋のように広がる不可視の力。
何とか反応をし切った者達は、その現れた少女へと視線を向け…
警戒するような姿勢も取れぬまま、ばたばたと倒れ込んでしまう。
誰も彼もが、大小様々な寝息を立てながら眠っていた。

「ふふんっ、妾の手に掛かれば、こんなものじゃろうて。
さて、先行く者はどんな者じゃろうか?」

背後から近付いていた者達の異変、それに気付かず、更に先へと駆け続けて行くか。
気付き足を止めるのか、それは先を駆けていた相手次第だ。

ご案内:「九頭龍山脈 山中」からタマモさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にエレイさんが現れました。