2019/08/16 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中 渓谷」にホアジャオさんが現れました。
ホアジャオ > 真っ黒な夜空に白々と輝く真円が昇った夜。
九頭龍山脈にある小さな渓谷のそばで、その月を寝転がって眺めている女がひとり。
流れは岩棚の合間を滞りなくさらさらと、時折ぱしゃんと何かが跳ねる音が混ざる。
その流れが運んでくる冷気混じりの空気と、森を通って渡ってくる緑濃い風で、岩棚の上からこぼれた女の三つ編みはゆらゆらと揺らされている。
女は特徴的な細いツリ目で、ぼんやりと空を見ている。
木々の葉の黒い影の合間から眺める夜空は、妙に虫食いになった星地図のよう。
風に揺らされた木葉のざわめく音に、虫の声も混ざる。

「―――いい夜。だケドさ…」

ふて腐れたような声が紅い唇から洩れる。
本当は、温泉探しにきてみたのだけど。
夢中になっている間に気付けば日暮れ。
足元も危うくなったこととて、今夜はここで一泊だ。

ホアジャオ > 故郷でも山育ちだったもので、野宿はお手の物。
下山を諦めればとっとと川魚を調達して、火を起して腹も満たして。
火やら食べ残し(骨)やらもろもろ後片づけしたあと、ごろんと寝ころべばなんとまあいい月夜。
日中と比べれば格段に過ごしやすく、野獣の余計な気配もなく、誂えたような野宿日和。

(これで、温泉が見付かってれば完璧だったンだケドなァ……)

ふわっと欠伸をこぼして、涙が浮かんだ目元をごしごしと擦る。
贅沢が過ぎると言えばそれまでだが、なにしろ昼間動き回ったおかげで汗を十二分にかいた。
傍の渓谷は水浴びをするには不十分なこととて諦めて、下着だけ先ほど洗って木に引っかけてある。
こうして風に吹かれていれば、明日朝には乾いているだろう…
おかげで服の下は若干スース―するが、眠る分には問題ない。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中 渓谷」にアクラさんが現れました。
アクラ > 「グゥアアァァァ!!」

森に木霊する獣の咆哮
取りが飛び立ち眠っていた動物が逃げ出す怒りを叫ぶ声が響く
木をへし折る破砕音や何かとぶつかる様な音
そして…

「いい加減、死ねぇ!」

子供からまだ大人に変わる前の子供の声が先程の咆哮よりはかなり小さいが響く
眠りにつこうとする少女からはそう遠くはない距離なのか両方の声が聞こえる事だろう
声の後もかなり激しく争うような音は止まらない