2019/06/09 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中 沢」にホアジャオさんが現れました。
■ホアジャオ > 季節は初夏。
水色の空に、山野に新緑が映える季節。
『山賊街道』等と物騒な名前を奉られている場所にも分け隔てなくその季節は廻り、山肌の木々は瑞々しい黄緑色で彩られている。
その山の深く、岩の斜面から白く吹き出して溢れた水が、小さな沢となって下って行く場所があった。
時刻は昼下がり。
真っ直ぐな太陽の光が差し込む中、沢の水はきらきらと光を弾き、木々の間から沢を通って吹く風は湿り気がありながらひやりとした空気を纏って森の奥深くへ。
その沢へ、下栄えを揺らしながら近づいて来る騒々しい音がひとつ。
やがて木陰からぽんとと飛び出たのは、黒髪を細かい三つ編みに結った女だ。
山を駆けあがって来たらしく、肩を揺らし、その頬は紅潮して額には汗が光る。
「はァ……好容易(やっと)……着いたァ……」
額を袖で拭いながら、辺りを見回す。
一面の新緑と、弾ける清流。
沢を抜ける風と、緑の薫風に細い目を更に細めた。
■ホアジャオ > アルバイト先の王城で、知り合いになったコックから美味しそうな『ちまき』を貰った。
折角なので外で食べようとぶらぶらしていて、辿り着いた小川。
見れば近くの山から流れ落ちてきている様子。
思い付きで源流を辿ってみようと登ったら、案外と奥深く……もうお腹はすっかりぺこぺこだ。
早々と息が整い、最後はぁーと吐息を漏らす。
「…まァでも、空気も美味しいし……」
お茶を持ってくるの忘れたなあ、なんて思っていたけど、沢の水で十分、きれいで美味しそうだ。
まだ頬は紅潮したまま、沢の傍の岩棚へと歩み寄って、ぽんと飛び乗る。
濡れていたそれに滑りそうになって、おっとっと、と危ういバランスを取ってから、すとんと胡坐をかいて座り込んだ。
■ホアジャオ > 腰に下げていた袋を取ると、傍らに置いて。
そのまま岩棚から身を乗り出すと、下の清流に両手を差し入れて掬い上げる。
紅い唇を近づけてごくり、と飲みこむと
「太好了(やったね)……」
してやったりと言うように三日月の笑みを浮かべた。
姿勢を直して、胡坐をかきなおす。
傍らの袋に手を差し入れて笹に包まれたちまきの包みを取り出すと、器用に剥がして。
小ぶりだが、蒸したもち米のつやつやした様子に細い目をさらににんまりと細める。
ぱくり、と半分ほと口にして。
「……好吃(美味しい)ー」
むぐむぐと口を動かしながら青空を見上げて、至福の表情。
お腹を空かせて登って来た甲斐があるってものだ…
■ホアジャオ > 口の中が空になると、もう半分を口に押し込んでまたむぐむぐと口を動かす。
「――王都からはちょっと遠いケド、王城の中が飽きたらたまにこうやって『遠足』も悪くないなァ…」
ぺろ、と指に付いた米粒を舐めて、ご満悦。
そうして残りも平らげると、また清流を汲み上げて、喉を潤して。
「……はァ、収穫、収穫!」
ぽんぽん、とお腹を叩いてすっくと立ちあがる。
岩棚からすとんと飛び降りると、身体にひとつ、伸びをくれて。
「よォっし……」
空腹も満たされて充電完了。
たん、と弾みを付けて繁みに分け入り、軽い足取りで新緑の山を駆け下りていく…
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中 沢」からホアジャオさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にソウレンさんが現れました。
■ソウレン > その丘で、見慣れぬ女が一人。
砦の見える位置で、倒木に腰掛けて小競り合いを眺めている。
充分な広さを持つそこは山の中から女の様子を伺う事はできるだろう。
しかし、接近者があっても茂みや草木に隠れて近づく事は難しい。遮蔽が無いのだ。
そういうわけで、悠々とした様子で砦の様子を眺めていた。
正直な話、どちらかの陣営に加担する気はほぼない。
自分の店のある、王都に軍がやってくれば話は別ではあるが。
「……全く、飽きもせずによくやる。」
呆れたというには少し情感が籠っていたかもしれない。
そんな様子で、瓢箪と杯を取り出せば透明の液体を注ぐ。
つ、とそれを一口含めば、ほぅ、と艶っぽい様子で酒精混じりの息を吐き出した。
■ソウレン > のんびりと夜を過ごす。
視線の先には戦火がちらつく砦の攻防。
しかし今日は小競り合いだけで終わりそうだ。
おそらく、砦の所有権も変化しないだろう。
呆れながらも、その状況をじっと見つめていた。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からソウレンさんが去りました。