2019/05/31 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中 崖下の洞窟」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > さわさわと風が通って肌をくすぐる。
くすぐったげにむずがりつつもゆっくりと目を開ければ暗く低い天井。
岩場をくり抜いたそこは雨風を凌ぐにはちょうどいい程度の洞窟で、今となってはすっかり見慣れた景色だ。
「いっつ…」
ここに滞在してもう3日になるだろうか?
崖から滑落して足を痛め、直ぐ側のこの洞窟に這ってたどり着くことが出来たはいいが…
山賊に見つかれば一網打尽…という危険性もあって、おおっぴらに助けも呼べず
ここでコソコソ身を隠していたわけなのだ。
3日経っても痛みはなかなか引かないあたり、骨がやばいことになっている気がする。
「(飯も無限にあるってわけじゃねぇからなぁ…はやいうちになんとかしねーと…)」
■ブレイド > とりあえず毛布から体を起こして、控えめにのび。
足は…まだ痛む。
右の足首と脛あたり。
結構な高さから落ちたというのにこの程度で済んだのは強運かもしれないが
それでも不幸中の幸い。不幸には変わらない。
「み、水…」
とりあえず、ちょうど近くに湧き水のあるところがある。
崖沿いに行けばたどり着ける場所であるので、壁に手をついてゆっくりと立ち上がる。
「う゛…っ…」
安静にできないあたりも完治しない原因ではあろうが…背に腹は代えられない。
のたのたと水場に向かって歩き出す。
■ブレイド > 「ぐえー…」
わずかに離れた程度の水場にいくのにも一苦労だ。
まぁ、3日も休んだおかげで体力自体はあるのでいいのだが…
問題はやはり足である。
とりあえず水辺に座り込んで休憩だ。
水があるおかげでなんとか生きているようなものだが、さてさて…
回復魔法は流石に使えない、回復力や持久力が夜間に高まるといっても、大きな怪我となると効果はない。
食べ物も後数日分しかない。
なんとかして、近場にある宿にでもたどり着ければいいのだが…。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中 崖下の洞窟」にソウレンさんが現れました。
■ソウレン > ――――ぉぉぉん――――
何かの遠吠えのような、遠雷のような音が山中に響く。
同時に厚い雲が山の空を染め上げていく。
雨か、と思わせる雲行きだが…しかし、雲自体はそれほど広範囲でなく、
遠くに目をやればそこには星空が覗いている。通り雨のような空模様。
――――ぉぉぉん――――
同時に、再びその音が響き渡る―――。
■ブレイド > 「ついてねぇ…」
音につられて見上げる空には雲がかかっている。
長雨にはなりそうもないが…どちらにしても
今振られるのは厄介だ。
急いであなぐらに戻らねばなるまい。
少し急ぎで立ち上がろうとするが…
「い゛っ゛!?」
急に動かせば激痛が走る。
思わず変な声が漏れる程度の。
■ソウレン > もくもくと雲は広がっていき…。
さぁ、とうっすらとした霧雨が降り注ぐ。
同時に薄青い光が周囲を一瞬包み込む。落雷か、とも思わせるような光だが、雷鳴は無く…。
「……ここで何をしているのかな?」
霧雨の中。
水場に背を向けた少年の後ろから声がかかる。
振り向けば、いつもの着流し姿の女が立っているだろう。
いつもと違うのは、手に長剣の鞘をぶら下げている事くらいか。
■ブレイド > さすがの痛みに立ち上がれず、身をかがめていれば
雨が降り出す。
霧雨であるのはまだ救いか。だが、屋外であることには変わらず
身体はしっとりと濡れていく。
「ほんと、ついてねぇ……んお?」
光?なんの光か。
先に聞いた遠雷のような音から雷か何かかと思ったが…
音がない。待っても一向に。
雷鳴の代わりに聞こえたのは…
「んなっ!?なんで!?」
音の方向に振り向けば…酒場…イザカヤだったか?
の店主の女がそこにいた。
■ソウレン > 女がちらりと空に目を向ける。
雲はそのまま、霧雨はすうっと波が引くように止んでいく…。
「ふふ。いや、見知った姿が見えたからね。」
理由を聞かれてもいつもの微笑。その表情で少年を見ながら、ゆっくりと近寄っていく。
引きずる足の様子には気が付いている様子で、近くまで来れば身をかがめる。
「…折れているのかはわからないが、だいぶ酷いな。」
添え木くらいはしたらどうだい?と笑いながら立ち上がる。
まぁ、添え木になるものが無かったのかもしれないと考えつつ、周囲を見回す。
「誰かが通りかかるのはあまり期待できない状況だね。
…身を隠していたのかい?」
と一応状況を問うてみるが…。
■ブレイド > 女店主が空に視線を向ければ
偶然か何かしらないが、雨が止む。
通り雨だったのか、それとも彼女が…?それは定かではないが
声を掛ける彼女の様子は、王都で顔を合わせたときとさほど変わりはないように見える。
「かっこいいとはお世辞にも言えねー姿で申し訳ねーな」
見えたと言われても…散歩で来るような場所ではあるまい。
少しばかりいぶかしげには思えたが、害意があるようにも見えず
逃げも警戒もしない。
「あー、ちょっとな…ここのうえ、崖になってんだろ?
あそこから落ちちまってな」
彼女の言う通り添え木でもしておいたほうがいいのが事実なのだが
また彼女の予想もあたっていてちょうどいい木材もない。
「そういうこった。見つかると厄介な手合もこの辺には多いしな」