2019/05/11 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にタマモさんが現れました。
タマモ > 開け放たれた、最後であろう扉の先。
盗賊達の集めたお宝が…!
…と言う訳でもなかった。

「………は?」

視線を右に、左に、向けてみても宝っぽい物は何も無い。
奥には盗賊の頭が座ってただろう、何とも無駄に豪華な机に椅子。
壁際の棚には幾つもの酒瓶やら何やら。
まぁ、うん、普通の部屋だ。

「いやいやいや、これは無いじゃろう。
きっとどこかに、こう、隠し扉やら隠し通路やら…」

盗賊経験なんてもの、少女にある訳がない。
なので、部屋に踏み込み、適当にそこらを調べてみようか、と。

タマモ > こんこんと、壁を叩いてみる…普通の壁っぽい。
こつこつと、床を小突いてみる…普通の床っぽい。
ぐぐぐっと、棚を押してみる…壁が見えた。

「………」

沈黙。
とりあえず、無駄に豪華な椅子に座ってみる。
がらりと、机の引き出しを開けてみた…数枚の紙。
それを取り出し、内容を確認。
………多分、次にやろうとしてた計画みたいなもの。
うん、これじゃない。
ぽいっ、と紙を放り捨てた。
ふーっ…長い溜息を吐くと、椅子から立ち上がる。

「………いい加減にせいっ!
妾が求めていたものは、こんなものではないっ!
お宝は…お宝はどうしたのじゃっ!?」

だむだむっ、と地団太を踏む少女。
哀れ、怒りの矛先は床に向けられた。

タマモ > 何回か床を踏み付ければ、やっと足を止める。
落ち着け、落ち着け、心の中で呟きながら、すー、はー、と深呼吸。
………よし、落ち着いた。

「ふむ…まぁ、無いものは仕方あるまい。
顔は覚えておる、後であの連中、叩きのめしてやるのじゃ」

そう、少女は名前を覚えるのは苦手だが、顔は一発で覚える。
さすがに、一回ぱっと見ただけで、数週間数ヶ月とか経ってから思い出せ、はちと辛いが。
数日かそこらなら、それが可能なのだ。
盗賊達からしたら、この場合、堪らない話だろう。

「逃げたのは、確か向こうじゃったか。
………さぁて、この償いはしっかりとさせてやろうかのぅ。
取っ捕まえたら、あれやこれや…みておれよ…!」

ぐっと握り拳を作り、意気込む少女。
そうと決まれば行動は早い、少女は部屋から出、盗賊達が逃げて行った方向へと向かう。
こうなった少女から、逃げられる相手は存在しない。

後、九頭龍山脈の山中で、男達の悲痛の叫びが響いたとか、響かなかったとか。

ご案内:「九頭龍山脈 山中」からタマモさんが去りました。