2019/04/19 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にアレシアさんが現れました。
アレシア > 人の気配所か虫の鳴き声すらしない山賊街道。
その一つでこの辺りに巣くっていた山賊だったモノから使えそうな道具や装備を奪い取る女。
その回収法も荒々しく無理矢理に引き剥がし適当に大きな背嚢に投げ込むと適当なもの。

「碌なものもない。これだから害虫どもは」

この辺りに住むようになり数週間の時。もう何組目かの山賊を潰しては食料や貴金属を奪っては蓄える生活。
そして偶に近くの村で物々交換で生計を立てる人間を真似た生活。
それなりに暇つぶしにもなるがどうしても山賊だけは面倒に思える。
それでもこの場にとどまるのは……。

「人間とは面倒だ…本当に……」

己自体も人間のふりをして生きるもの。こういう場がしっくりとくるので離れられないだけで…。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にエズラさんが現れました。
エズラ > 命が惜しければ決してその街道を通るな――
この周辺に住まう者達にとっての不文律である。
それにもかかわらず、男は旅荷物を背に慣れた足取りで街道を進んでいた。

「相変わらず、人っ子一人いやしねぇ……――」

普段は戦場暮らしの男が山へ分け入るのは、狩猟や採集の依頼を受けた時や――サバイバルを楽しむためであった。
長く街に滞在していると、どうしても戦場の感覚が鈍る。
それを恐れてのことだったが――ふと、その足が止まる。

「……こりゃ剣呑だな――」

鼻に濃厚に香ってくるのは、嗅ぎ慣れた臭い。
目の前には、山賊の集団と思しき骸と――そこで追い剥ぎよろしく忙しそうな女。
まずい場面に遭遇してしまったか――?

アレシア > 碌なものはないが少々の食糧に医薬品、後は酒がある程度。
普段から大したものを持っていない山賊であるがこういう場では普段以上に持っていない。
衣類も損傷が激しく使えるものですらない。
後は使えそうなものはナマクラと言える武器程度。

「割にあわんか。なんか考えるべきか」

ナマクラも売れば多少は貴金属にできる。しかし手間がかかるのが面倒。
偶に山で見る狩人のように動物を狩ればいいかもしれないがあれは食ってしまうので無理だと。
比較的回収できそうなモノを集め終え死体を投げ捨て視線を巡らせ。

「お前はコレの仲間か。旅人か?」

特に敵意もない視線なので放置をしていたが去る様子もない。
ならば確認し得置くかという気紛れ。振り返った視線の先に立つ男に静かに声をかける。

エズラ > 女にしては上背がある――褐色の肌に長い髪。
身に付けているのはそこらに転がる山賊と同じようなもの。
一体彼女は何者なのか――いずれにせよ。

「――ああ、勿論こいつらの仲間なんかじゃねぇ。旅人さ、ご明察」

敵意はないことを示すように、両手を肩よりも上に上げて見せる。

「すげぇなしかし――こいつらぜんぶ、始末したのか?一人で?」

山賊同士が争って全滅したところへたまたま彼女が通りかかった可能性もなくはないが――
異様に落ち着いたその佇まいと、なにより装備している巨大な剣が、彼女の異様な凄味を倍加するのに役立っていた。

アレシア > 「そうか。濃い血の匂いがしたのでな。仲間でないならいい」

もし仲間であるなら死体が一つ増える。それだけの事だと冷めた目で見つめ。
両手を上げる仕草に敵意はないという行動に視線を外し死体を道の脇に蹴りよけて。

「この程度のごみの掃除は楽なものだ。貴様も旅が楽になって助かった。違うか?」

それが当然というような口調で答えれば視線を戻し。
もう拾うものはないと再度確認してボロボロに刃こぼれのした大剣を鞘に押し入れて。

エズラ > 「はっは、こええこと言うなぁ……ま、でもたしかに言う通り、おかげさんで目的の場所までもうすぐだ」

両手を下ろすと、改めて周囲を見やる。
どの骸も屈強な山賊であり、多少体格が良いだけの女が一蹴りで転がせる体躯ではない。

「しかしよう、追い剥ぎみてぇなことしてたようだが、いつもそうやって食い扶持稼いでンのか?」

山賊の一団を苦もなく――少なくとも彼女は無傷に見えた――屠る実力者ならば、どこかの傭兵団や、それこそ騎士団にでも腕前を買ってもらうか――
あるいは冒険者ギルドへ登録し、正式に山賊討伐でもすれば良さそうなものである。

「山賊を襲うんなら、連中が仕事を終えた後にしねぇと儲けが出ねぇと思うぜ――ああ、村を襲う方が手っ取り早いかもしれねぇけど」

くっくっ、と少しダークな冗談を――

アレシア > 「殺し合いなど人間がよくやる遊戯だ。私は群がる虫を払う程度しかせん。なら運がいいな、貴様は」

何処に向かっているかは知らないがもう直ぐというのなら助かっただろうと。
いくら屈強といえど所詮は人間基準、己には些細な差でしかなく。他の遺体も邪魔だと脇に蹴り落として。

「追い剥ぎ?正当な戦利品を頂いただけだ。こいつらは私を殺して奪う心算だった。逆になった。ただそれだけだが?」

問題はないとはっきりと言い切り邪魔な死体は全て蹴り飛ばし、何も知らないものが見れば争いがあったという程度に道は綺麗となる。
蹴り避けた死骸も数日もすれば獣の餌となりこんできすら残らない。
弱肉強食が当然のこの地では山賊がそうなっただけと告げて。

「襲われただ。私からは手は出していない。村は私の大事な食い扶持だ。襲うものは例外なく掃除をするぞ」

ダークな冗談にお前もそうなるかと視線を細めて睨むように見て。

エズラ > 「人間が」と彼女は言った。
おおむね想像はしていたが、やはり――ということか。

「なるほど、まぁ冷静に考えりゃそうだよな――」

女――少なくとも女の姿をしたもの――が一人歩きしていれば、襲われて然るべき場所である。
人外――恐らくは強力な種族――である相手を見抜けなかった山賊連中に運と実力が不足していた。

「いや、気を悪くしねぇでくれよ――あんたから漂ってくるなんともいえねぇツワモノの気配についおかしな勘違いしちまった――」

彼女の口ぶりからすれば、村――つまり人間との交流も有しているらしい。
はてさて、こんな一匹狼が棲み着いていたとは、もう少し麓の街で周辺の近況など聞いておくべきであった。

「それにさっきも言ったぜ、オレは旅人――この山にゃ知る人ぞ知る秘湯があってな――目的地はそこだ」

彼女の背後、森の奥を指差しながら答える。

アレシア > 「……知恵は回るようだな」

ついうっかりと口にした言葉で何かを察した男の様子に口元にだけ笑みを浮かべ。
見た目だけで判断をしない事に山賊とは違いそれなりに数場は踏んでいるのだと見る。

「別に気にはしていない。人間のツワモノというのはそう言う事しかしないのか?」

おかしな勘違い、もしかして人間は力を持てば誰かを襲うものなのかと。そう言う認識をすべきなのかと男の言葉に考え。
ならば交流のある村は注意しておくべきかと微かに考える。万が一滅べば困る事になると。

「旅人がそうなるというのもあり得ない話ではない。秘湯か…」

そう言えばこの山は温泉が多かった。宿場もあったなと思い出し。
己の背後の森を刺されるとどの場所かと少し無防備に考え込む。

エズラ > 「そりゃ良かった――なんせここまでようやくやって来たっつうのに、そこらに転がされちゃかなわねぇからな」

剣呑な空気が少しばかり和らいだのを察す。
さりとて、相手の話しぶりからすれば、どうもまだ人間のあれこれを理解しきっていない様子である。

「……ん?」

何やら考え込んでいるのを見て、男も首をかしげる。

「なんだ、ここらを住み処にしてるってわけじゃねぇのかい?」

先ほどまでとは打って変わった、今度は見た目以上に柔らかな雰囲気すら漂わせている。

「よけりゃ案内するぜ――この連中の血の臭いに、いつまでも耐えてんのも辛ぇとこだしな」

アレシア > 「貴様が手を出してこないなら殺す必要はない。私からは手は出さん」

男にそう言う心算がないのならばこちらからも手を出す必要はないと再度言いきり。
基本的に交流がある人間は山賊か麓の村人、ごく稀に狩人程度。判らない事もまだ多く。

住処にしている範囲にいくつもあるそう言う場。男がどれを刺しているかが今一判らず。
向かうというからには少なくとも人の踏み入れる場のはずだと考え込んで。

「いや、何処だと思っただけだ。あちらは私が知るだけで5か所はある」

そのどれか判らない。そう静かに告げれば何故か男の雰囲気が変わった気がして。


「私は気にならん。だがどの場かは気になる。私の寝床の近くなら面倒だ、案内しろ」

もし男の向かう先が巣の近くにあるのなら歩かれて面倒。違うならそれでいい。確認はすべきと案内しろと命令のように告げて。

エズラ > 「なっ、なにっ?」

こちらが逆に驚かされた――自分が知っているのはひとつ。
まさか5つもあるとは――

「さ、流石だなオイ――むしろこっちが案内してもらいてぇとこだが」

秘湯の場所にも詳しいとは――この山賊街道をねぐらにするとは、本当に剛毅な女だ。
しかし、それだけの数があるなら、ひょっとしてこれから行く場所を彼女が知らぬ可能性もあろうかと思い。

「――ま、そういうことなら、行くとしようかねぇ――!」

ほれこっちだ、と手招きしつつ、街道から外れて森の中へと足を踏み入れる。
幸いにしてその方角は、彼女のんねぐらとは異なっていた。

アレシア > 「……しらないのか?」

驚く様子を見せる男に呆れた言葉を返す。
確かに人間の足でたどり着くには面倒な場所だったり見つけにくい場所ではあるのだが。

「案内は構わんが飛べるのか?あの上になる」

そう言い振り返り見上げるのは登るには無理そうな遠くに見える丘の上。
あきらかに人の身では行くのが大変を通り過ぎている場所。

そうして手招きをする男の後を追いかけて森の中へと足を踏み入れて。
進む方角はねぐらとは方向が違う事に知る場所の一つではないと考えながら…。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からアレシアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からエズラさんが去りました。