2019/02/07 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」に白露さんが現れました。
白露 > 九頭龍山脈の麓近く、草木の茂る山中。
しゃらん、と鈴のような音が響き渡る。
音響かせる元には一人の少女が屈み、何かを行っている。
片手に携えた錫杖、それを見れば先ほどの音の発生源はこれだと分かるだろう。

よく見れば、少女は何かを確かめるように草を掻き分けていた。
が、何かに気付けば、その内の数本をそっと引き抜く。

「えぇと、これで必要な量は取れたようですね」

その草を腰に下げていた袋へと入れれば、その口を閉じた。
少女が手に入れたのは薬草。
冒険者ギルドの依頼の中で、簡単そうな依頼の一つだ。

本来ならば、もっと上の依頼も受けれるはずの存在。
だが、そうしたものは大体誰かが名声欲しさに受けるもの。
少女はそうした名声には興味を持っていなかった。
だからこそ、誰でも出来そうな依頼を快く受ける。
案外、こうした簡単な依頼は受ける冒険者が少ないのだ。

ご案内:「九頭龍山脈 山中」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > がさがさと藪をかき分ける音。
葉と小枝まみれになりつつも少年が行っているのは
香木と香草の採取。とある調香師からの依頼だそうだ。
何に使うものかは…まぁ、聞かぬが花というもの。
こういった地味な依頼は誰も受けたがらない。
報酬も安く、『冒険者』というイメージからかけ離れているからだ。
少年からすれば単独で依頼を受けるのであれば、確実に、そして安全であるものを好む。
たまには荒事も行うが…

「(めんどうではあるけど…)」

草木をかき分ける音がひびく山中、その中に聞こえる異質な音。
金属の…澄んだ音。

「ん?」

何の音か気になってしまえば、確認の為に音のした方向へと向かう。
もし危険ななにかであれば、早々にこの場を去る必要がある。

白露 > 仕事を終え、後は王都へと戻るだけ。
来た道を戻ろうと、手にした錫杖を地に付けば、再びしゃらんと音が鳴る。
一歩、二歩、錫杖を付きながら歩む少女であったが…

ぴたりと、そこで足を止める。
何かが付近を動いていた、それは気付いていた。
だが、その動きが明らかに自分の方へと向かって来る。
そうなれば、確かめるべきかと考えるのは当然だろう。

「誰かいらっしゃいますね?
出来る事ならば、出て来て頂けると助かります」

そう周囲へと向かい、声を掛けてみる。
居る方向は分かってはいるも、あえて、そちらを見る事はしない。
もちろん、そんな気配を見せる事もない。
もし相手が賊か何かならば、不意打ちの一つもしよう状況を作っているのだ。
その類でなければ、立ち去るか、普通に出て来るかするだろうと考えて。

ブレイド > またさっきの音。
剣戟や伐採器具の音ではない。
鈴のような…この場には似つかわしくない音だ。
どうであれ、誰かがいることは疑いようもない。
が、次に響いた音はそれとは違う…
女性の声だ。
気づいている…というか、こちらもろくに隠密を行ってはいないため、それは当然だろうが
山賊も多いこのあたりであえてあちらから声を掛けるとは…腕に自身があるのか、豪胆なのか、両方か。

「あー、いるぜ。
怪しいもんじゃねぇ。ここらには依頼できた冒険者…
何の音かと思ってこっちに来ただけで他意はねぇ」

藪から抜け出れば、そこに見えるは白い少女。白銀の髪も美しく
こちらとは対照的。
ただ、瞳の金色だけが共通している。
両手を上げて、争う気はないことを示してみるが…聞き分けてくれるだろうか?

白露 > こちらが掛けた声への素直な反応。
その声から、少年であろう事は予想出来た。
ゆっくりとした動作で、その声で少年の方向に気付いたように振り返る。
錫杖を付き、しゃらん、と音を立てながら、視線を向ける。
予想通りに少年であろう事を確かめて。

「なるほど、同業者の方でしたか。
確かにこの錫杖はよく音を立てますからね、仕方のない事でしょう。
何かしていたのならば、妨げたり、邪魔になったりはしていませんでした?」

手に携える錫杖を示すよう、音が鳴らない程度に軽く揺らす。
小さく首を傾げながら、両手を上げる少年へと聞いてみた。

ブレイド > 落ち着いた対応、その話しぶりからもどこか余裕が伺える。
響く杖の音は先程聞いたものと同じ。
見慣れぬ武器であるが、その音自体は小気味よさを感じる。
しかし、同業者とは…

「いや、ちょっと気になっただけなんで気にしねーでくれ。
にしても……へぇ、同業者…冒険者ってことか。あんたも。
まぁ、このへんは薬草やら何やら多いしな。採取依頼に来てる冒険者とかち合うことはよくある。
あんたもそうか?」

賊の可能性はだいぶ低かったが…見たところ少女といった雰囲気。
少女のような外見であれ、侮っているというわけではない。
ただ、このあたりの賊に見つかれば…まぁ、おそわれるだろう。
この容姿であれば。見たところ一人…余計なお世話ではあるだろうが、少し心配になってしまう。

白露 > どうやら、こちらの心配は思い過ごしだったらしい。
胸を撫で下ろしつつも、その言葉で似たような依頼を受けたのだと分かる。
なるほど、思いの外、この手の依頼も受け手が居たみたいだ。

「そうですか…はい、分かりました。
冒険者ではありますが、ここではまだ登録し立てですから、新参者ですよ。
ですので、まずはこの手の依頼を受けるのが良いかと思いまして…
ご想像通りに、今受けている依頼は薬草の採取です」

さすがに、気配にはすぐ気付けど、その考えまでは読めはしない。
心配をしている少年とは裏腹に、笑みを浮かべ答える少女。
もっとも、少年が考える通りに賊に遭遇したとして…何事も無いまま終わる訳なのだが。

ブレイド > どうやらこちらに害意がないということは伝わったようだ。
上げたままであった手をおろし、少女に歩み寄ってみる。
距離をとったままでは話しづらいだろうし。

「オレも似たようなもんだ。一年くらいはセンパイだけどな。
にしたって、女ひとりでこんなとこうろつくのは感心しねーよ。
妙な奴らに拐かされても知らねーぜ?
ま、あんたが賊なんて相手にならねーほど強けりゃ余計なお世話だろうけどよ」

なかなかに堅実な冒険者のようだ。
危険をできるだけ避けている自分としては好感が持てる。
賊がいれば、錫杖?の音にも反応しているだろうし、自分の心配はそれこそ空振りなのだろうが。

「で、調子はどうだ?オレの方こそ邪魔しちまったんじゃねぇか?」

白露 > 上げていた手を下げ、少年が歩み寄って来る。
それを見ながら、まず手を上げる事が不要だったのを言っておくべきだった、と思うが今更か。
近付けば分かる、お互いの背の丈は似たようなもの。
とは言っても少年の方が少し上、僅かに視線を上げる形になって。

「一年でしたら、十分なものかと思いますよ?
危険性はそう高くはない、と伺いましたから大丈夫かと思っていたのですが…
しかし、人を誘ってまで受ける内容でもありませんでしたし、難しいものですね。
私は決して強くはありませんが、それでも、賊に会ったら逃げる程度は出来るかと思います。
でも、心配しての意見でしょうし、素直に受け止めておきますね?」

考えるように小首を傾げ、そう答えておいた。
付け足すように、ありがとう御座います、と軽く頭を下げて。
もっとも、どの依頼でも最低限の危険性は伴うもの。
絶対に安全であれば、冒険者に依頼する必要もないものなのだ。

「いいえ、丁度終わって戻るところでしたのでご安心を。
そちらはどうですか?まだ終わってないのでしたら、お手伝いでも致しますが。
えぇっと、そう言えば自己紹介がまだでしたね。
私は白露、白き露と書いて【はくろ】と申します」

そう言葉のやりとりをしながら、ふと思い付いたように、ぽん、と手を叩く。
名乗りつつ、もう一度だけ頭を下げた。

ブレイド > 必要以上の警戒はされていないようだ。
疑われていないようであれば安心できる。
白露と名乗る…異国の響きを持った名前の少女
自分が先輩風を吹かせて世話を焼く必要もなさそうである。

「ま、冒険者だしな。男だろうが女だろうが、ナメられちゃいい気分はしねぇよな。
わりいな、侮ったわけじゃねぇんだ」

礼を言ってくれたものの自分の発言を顧みて
少しばかり罰が悪そうに。
依頼も完遂しあとは帰るだけというところだったようで
むしろ、余計に気を回させてしまったようだ。

「そっか、ならいいんだけどよ…あーそうだな。
そんじゃ少しお願いできるか?
帰り道も安全ってわけじゃねーし、二人なら心強い。
オレはブレイド。ブレイド=エッジだ」

こちらも名乗り終えれば
頭を下げる少女に手を差し出す。
そういえば、前に不用意にフルネームを名乗るものではないと教わった気がするが…まぁ、いいだろう。

白露 > そもそも、最初の声に答えた時点で警戒は不要と判断が可能と言えようか。
少年の言葉に、少女は小さく横に首を振る。

「心配と侮りは別物です。
強かろうと弱かろうと、相手を心配出来るのは優しさだと思いますよ?
そうした心を持つのは、とても大切な事、それで良いじゃないですか、ね?」

物事を悪く考えるより、良く考えた方が良いに決まっている。
そんな少年に、笑顔を向けたまま、そう伝えて。

「はい、お任せ下さい。
それでは、ブレイド様の依頼を早々に終えて一緒に戻るとしましょう。
帰りの道は、私も頼りにしていますからね?」

少年が差し出す手、応えるように、こちらも手を伸ばし握手。
それを終えれば、後は少年の依頼をこなし、一緒に王都へと戻る流れとなるだろう。
無事に終わるか、一難あるか、それはまた別の話。

ご案内:「九頭龍山脈 山中」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」から白露さんが去りました。