2019/01/19 のログ
■ミセリコルデ > 大樹を背もたれ代わりに尻餅をつく形で座り込んで数分。
最初は意識が朦朧とし、その後に鋭い痛みが頭の中に走り、覚醒を促すが如くで、重たい瞼を開けて少しの間だけ定まらぬ焦点のまま夜空を見上げる。
「……ア………アア………。」
夜空に輝く星々がまるで宝石箱をひっくり返した様に散りばめられて綺麗で煌めいていて、見ているだけで頭痛が引いて……行きはしない、痛い、物凄く。
両手で狼の頭部を模してその頭蓋を利用して作られた仮面の上から頭を押さえこむと、先程とは違うリズムで呼吸を繰り返し、走る鋭い痛みをやり過ごそうと。
それも直ぐには消えず、消えたら消えたで山賊?に出会ってからの記憶がおぼろげで、だからこそ理由は直ぐに思い当たって、大きな溜息を吐く事になるだろうけども。
■ミセリコルデ > 暫くそんな感じでぼーっとしていたが、少しずつ頭痛がなくなるにつれて、四肢に力が戻り、このまま眠るのは非常に良くないと判断して立ち上がると、寝床になりそうな場所を探して山道を歩くのだった。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からミセリコルデさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/とある温泉宿」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「…あー……うー……」
秘湯というほど奥地では無いが、街道からは少し離れた温泉宿。
冒険者や旅人の宿泊所、というよりは湯治の為に作られているこの宿は、王都の兵士や商人、貴族などが主な客層である。
自分も例外ではなく、近隣の鉱山を視察した帰り道に疲れを癒そうと立ち寄ったのだが。
「………いかんな、これは。なんというか……とける…」
日頃の疲労と、鉱山内を歩き回った鮮度の高い疲労がお湯に溶けて解れていく。
時間が中途半端だからか他の客の姿もなく、己を知る者が見れば目を丸くするくらいに惚けた表情でお湯の中に沈んでいた。
もうこのままお湯の中に溶けてしまいたいなあ、と思うくらいには、久し振りの休息の様な入浴を満喫している真っ最中。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > 第七師団への多大な援助を通す為の根回し。
それとは別に、ホーレルヴァッハ家の人間として行うべき仕事。
不眠不休、とまでは流石にいかないが、ここ数日はそこそこ目まぐるしい日々が続いていた。
「………たまにはハイブラゼールでのんびりしたいな…。いや、あそこはにぎやかすぎる……。神聖都市、かなあ……」
無論、そんな休暇を取れる訳も無いのだが。
少女と見紛う様な風貌の少年は、湯船の淵に背中を預け、肩までしっかりと湯船に沈めて思考を揺蕩わせていた。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > とはいえ、そうゆっくりしている時間が無い事も事実。
此処で一泊した後、迎えの馬車に乗って王都へ移動。会食と晩餐会に参加した後、翌日は商工会ギルドの面々と会議。会議の後はダイラスへ移動して港湾関係者と会食。その後は――
「…あれ、ほねやすめができるの、きょうだけか……。まあ、かまわないが…」
深い溜息は、湯に沈んだ口元でぶくぶくと泡となって消えた。
ぼんやりと空を見上げれば、澄んだ冬空に輝く満天の星空。
王都やダイラスよりも綺麗に見えるものなのだな、とぼーっと星空に視界を奪われていた。