2019/01/18 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にミセリコルデさんが現れました。
ミセリコルデ > ――港湾都市ダイラスから山賊街道を通りゾスの村を経由してまれびとの道を通り「王都マグ・メール」へと至る旅路。

飼い主である奴隷商人は既に馬車を利用して王都へ向っている。

で奴隷は当然奴隷商人と共に馬車に詰め込まれて移動するのだが、何の因果か馬車は満員御礼、奴隷商人は笑って1人だけ徒歩で来いと、期日までに王都に辿り着けと1日分の簡素な食料の入った皮袋を奴隷の1人に投げつけて……現在この状況である。

場所は山中の険しい道の半ば、路銀などもらえる筈も無く、1日分の食料が尽きたら自己で稼いで来いと言う意味と判断し、路銀を頂こうと山賊を数人殴り飛ばし、バーサク状態が曖昧な解除の状態で、山賊から巻き上げた財布っぽい皮袋の中身を覗きながら、灯りももたず山道を歩いていだ。

闘技場での経験もあるが、元々そういう部族で育っているから己に害を為す相手に加減せず全力で叩き潰しても罪悪感の一つもわかない。

それに弱肉強食は常である、バーサーカー状態に陥ればその傾向は更に強く、両脚を圧し折り、顎を砕き、人間は食べれないのでその場に放置してきた。

後は己の知ったことではなく、山賊達は自然が淘汰するか誰かの手を借りて助かってるかもしれない、がそれは己には無関係、今はその盗賊たちの皮袋の中身、硬貨?を摘み上げて投げ捨て、もう一つの袋を開けては同様に投げつけ、最後の一つにざらざらと一まとめにしながら、狼の毛皮を使用して創られた仮面の奥で、大きく溜息を吐き出す。

傍目から見れば人狼にも見える狼の頭部の骨格を利用し、皮を利用して作り上げた仮面、身体には仕立てが確りとした切り傷出来立ての革のマントに軽装、足もサンダル履きと大よそ旅人にも見えない姿。

ああ、ゾスの村まであとどれ位の距離なのだろうか……。

ミセリコルデ > 硬貨の詰まった皮袋、所有者は変われど役目は変わらず。

ギュと袋の口を紐で縛りなおすと、背負っている1日分の保存食がつまってる皮袋にしまうと、急にぴたっと足を止める。

フゥー……フゥー………フゥー…………。

聞けば獣が興奮し威嚇する様な音を響かせ、特殊な呼吸法で強引にバーサーカー状態の解除を試みる、成功率はあまり高くない上に、解除したらしたらで記憶が聊かふっとぶので安全なところでなければやりたくない。

しかし、止むを得ない……
思考が沸騰している状況で山道なんて歩くのは大丈夫大丈夫!なわけがない、血の匂い殺気を求めて山野を駆けて、先程まで転がした山賊と同じ運命を辿りたくない……。

静かに肺に一杯冷たい空気を取り込んで、興奮状態で増した体温で熱された時を白霧か竜の吐息の如く勢い良く吐き出し、再び肺に体内に冷たい空気を取り込んで、とくり返していくと、ズキっと頭に鋭い痛み、理性が強引に本能を押し込む際の特有の痛みが走り、狼の頭部の骨を利用してつくったその仮面の奥で痛みに耐えるように奥歯を噛み締め、脂汗が滴るとギリギリと歯軋りを。

ぐらり……。

不意にぐらりと揺れる身体。
足元がおぼつかなくなる。

結果……山道に生えた大樹の1本に身体を預けることになり、半身で樹皮をガリガリと削りながら、崩れ落ちて、最後には木の根元に座り込んでしまうのだった。