2018/11/10 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にタマモさんが現れました。
タマモ > ここは九頭龍山脈、その中腹辺りである。
前回から、それなりに麓に近付いた。
が、少女がそれに気付いているかと問われれば…気付いていないだろう。
距離感なんて、とっくに失われているのだから。

しかし、少女にとって、そんなものとは別の問題が発生していた。

「………あの時、別れずに付いて行った方が良かった…
なぜに気付かなかったのじゃ、妾は…!」

そう、次の食事にと、前に会った少女から貰った猪の肉を調理中、それに気付いてしまった。
葉の器に並べられた料理は、うん、なかなかのものだ。
焼肉の山菜和え、焼き茸やら、見た目は美味しそう…もちろん、見た目だけじゃないよ!?
それとは裏腹に、少女はがっくりと項垂れている。

タマモ > 「まぁ…今更じゃな、人間諦めが肝心じゃ…うむ。
………人間では無いがのぅ」

なら言うな、との突っ込みは受け付けません。
ともあれ、はふん、と溜息混じりに、枝で作った箸を握る。
まずはお肉をひょい、ぱくん…もぐもぐ…うん、美味しい。
縮んでも、様々な経験値は残っているようで助かった。
これで、今までの経験さえ消えてるとか言われたら…絶望しかない。

とりあえず、腹が減っては戦が出来ぬ。
のんびりゆったりと、食を進める少女であった。

ご案内:「九頭龍山脈 山中」にセルナエルさんが現れました。
セルナエル > (そんな少女の眼前、ひらりひらりとゆっくり舞い落ちてくる白雪―――かと思えたそれは、立派なサイズの純白羽根。それに少し遅れてバサッ、バサァと聞こえてくる羽ばたきが夜空と針葉樹の天蓋を背景に降りてくる。 それは純白と黄金に彩られたたおやかなるシルエット。小柄な体躯に見合わぬ大きな白翼をゆったりと羽ばたかせる天使が、枯れ葉の絨毯の上に体重を感じさせない動きで着地する。俯く顔が持ち上がり、白金の前髪の合間に閉ざしていた双眸がぱっちりと開かれた。澄んだ翠の瞳が現れた途端、神秘的な美貌が愛嬌たっぷりの温度を宿し)

――――まぁ、なにかいい匂いがすると思ったら、こんな所で焼き肉パーティですか! ご相伴に預かってもよろしいですか? セルナも一口、いいえ二口、なんならもっとたくさんご相伴に預かってもよろしいですかっ?

(大きな白羽根を見る間に背筋にしまい込みつつ、ぐいぐい迫る天使娘の胸元が、たゆんたゆゆんと奔放に揺れた。)

タマモ > と、不意に少女の箸の手が止まった。
周囲には注意を払っていたが、上なんて見ていない。
いきなり聞こえる羽音に、びくーっとなったのだが…
うん、いきなり襲ってくるとか、そんな事は無いようで、ほっと一安心だ。

と、そうなれば、まずは驚かせてくれた相手をじろりと見遣る。
白い翼?黒ならよく見るが、白はそう見る事はない。
そこから連想する…いや、そんな必要もないだろう。
どう考えても、天使だろうとしか言えない見た目なのだから。
まずはそれだけで良い、そこが重要なのだ。

「いや…お主、これをどう見てぱーてーとか言うのじゃ?ん?
どう見ても、普通にゆうしょk…えぇいっ!そんなに寄ってくるでないっ!」

見た目がこうなら、恐れる事はない。
ってか、向けられる言葉と、遠慮無しに寄って来る相手に、うがーっと怒鳴る。
とりあえず、なんか癪に障ったので、ぺしーんっと目の前に揺れる揺れものを引っ叩いた…痛くないが。

セルナエル > (まぁ、少女の言う通り、パーティというには控えめな晩餐である。とはいえ、冬の寒さが清廉なる気配を強める夜の森にあって、この周囲にだけ漂う焼けたお肉の匂いはパーティといってもいいのでは無いかという豪勢な物に思えるのだ。とかなんとか考えながら近づいた天使は)

―――ひゃぁぁんっ!? 

(子狐といった印象の少女が振るった平手打ちに、どこか甘やかな悲鳴を漏らした。それはパァァンッなんて痛そうな音を響かせる物ではなく、可愛らしくてちんとかいう代物ではあったが、天使の乳はそれでも柔らかく揺れる。キトンの純白からチラッと一瞬ピンクの色彩が覗く程に。)

ど、どうもうです……子狐さん、とっても可愛いのに獰猛だったんですね。

(叩かれた白乳を両手で抑え、お肉を守る子狐からほんの少し後ずさる。どんぐりを巡って対峙する小動物二匹が醸す一瞬の緊張。くきゅるるるぅぅ…、きゅるるぅん、きゅるぅううん❤ そのシリアス(?)な空気を阻害するのは、装飾も美しい金の帯鎧に締められた天使の小腹。微妙におどつく翠瞳は、未だにちらちら狐少女の夕食を狙っている。)

タマモ > まぁ、相手がどう思うかは勝手である。
だがしかし、少女からすれば、今の状況も合わせ不意打ちのような現れ方は遠慮願いたいのだ。
あれだ、素直に真正面からやってこい?みたいな?
それはそれで、きっと警戒するに変わらないのだが。
ならどうしろと言うのか…それを問うても、きっと答えは出ない。

ともあれ、己の攻撃が効いたようだ。
相手の反応に、ふふんっ、と偉そうに胸を張る…無いが。

「まったく…こんな場所で、いきなり現れて、何も起こらんと考えるのが間違いじゃ。
お主とて、そうされたら驚くじゃろうが、違うか?」

ぴしっ、と指差しながら、後退る相手へと言葉を投げ掛ける。
どうじゃ?と、再確認するように、もう一度指を指し直して。
…が、そこで耳に届いたのは、そんな相手の腹の虫。
それを聞き取れば、指していた指がゆらゆら揺れた。

「あー…お主、何じゃ、腹が減っておるのか…
そう言う時は、もっと別の現れ方や、物の言い方があるじゃろう?
さっぱり分からん、と言う訳でもないじゃろうに」

はふー…深々と溜息を吐きながら、じと目で相手を見遣る。
うん、その視線は、明らかに己の夕食を狙っている。
…確かに、次の食事も考えて多めには作ったが…さてはて。

セルナエル > (ちっちゃな体躯で一生懸命胸を張り、何やらそれっぽい言葉を紡いでお説教をする少女に対し、指を突きつけられた天使娘はきょとん顔。澄みきった翠のどんぐりまなこをパチクリし、まるっきりピンときていない顔で小首を傾げている。しかし、何やら勢いを失した相手の言葉とじと目の行き交いに野良天使の野生が告げた。ここで押せばイケんじゃね?と)

――――では、交換条件ですっ! あなたがそのお肉をくれるのならば、セルナはパンを出しましょうっ! ふっふっふ、しかも、しかもですよぅ?

(双眸細めて手の平添えた桜唇に勝利を確信しているかの笑みを浮かべた天使娘は、おもむろに帯鎧に括られていた小袋をあさり始める。そうしてしばしもそもそしていれば、そこからにゅうっと何かを取り出し彼女に突きつけた。)

ただのパンではありませんっ! チーズとろとろ具もたっぷり! サラミとオニオンとトマトと……ええと、あとなんか苦いやつ……と、ともかく、いろんな食材が乗っかった、ゴージャスなパンなのですっ!

(少女と異なり、胸を張れば相応のぼりゅーむが揺れる肢体が突き出したのは、少しだけ端を焦がした硬いパン。その上に乗ったチーズや各種食材は、つい先程オーブンから取り出したかに香ばしい匂いを漂わせ、ほくほくと白湯気さえ立ち上らせていた。)

タマモ > さて、相手がどう出るか。
待っていた相手の行動は、交換条件の提示だった。
うん、でもちょっとまて。
少女は、ふとそれに気付いてしまう。

「………お主が、何やら色々挟んでおるパンを持っておる、それは分かった。
で、お主自身でそれを食せず、なぜ交換とするのじゃ?ん?」

そう、自分の食べ物持ってるじゃん、的な。
なにやら、ごーじゃすなものとか謳っているが、ちとおかしい。
それに気付けば、不思議に思うのは当然である。
まぁ、匂い自体は実際に悪そうではない…むしろ、美味しそう?
己の肉料理と同じ、作りたてっぽい感じもしているようだ。

実際の話、口に合わないとかもあるかもしれない。
が、そんな事まで頭は回らない。
それに…せっかく作ったし、今の気分が肉気分だ、と言うのもある。
もっとも、そこまで強い拘りとかがある訳でもない。
何か決定打みたいなものがあれば、案外簡単に認めるかもしれないが。

セルナエル > (最もといえば最もな狐少女の問いに、またしてもきょとんと小首を傾げた天使の返答。)

――――お肉が食べたかったからですけど……?

(「この子はなんでこんな当たり前の事を聞くんだろう?」みたいな顔。王都からこんな人里離れた場所に天使娘が飛んできたのも「なんだかあっちに愛の気配がありますっ!」といった電波な理由の思い立ちによるもので、どうせなら途中で美味しいご飯が食べたいと、宿の主人に頼んで結構がっつりお弁当を持ってきているのである。そうしてそろそろご飯にしようかな、どこで食べようかなとふらふらしていたら、芳しいお肉の香りが漂ってきたから降りて見たなどというサバイバル感の欠片もない理由。)

あ、あれ……? まさかこれでもダメとか言うんですかっ!? ぐ、ぐぬぬ……そのお肉、どんだけ美味しいんですか……っ。

(勿体つけられると余計に気になる人の性。既に取引としては微妙に足が出ているかも知れないけれど、それでもどうにか食べてみたい。他にも何か無かっただろうかと考えるセルナの頭に、安っぽく閃く一つのアイデア。)

いいでしょう! スープもつけちゃいましょうっ!

(再びもぞもぞ袋からどーん! 小ぶりの木椀に入れられた、これまたほくほくと湯気を立ち上らせるオニオンスープ。そういえば狐って玉ねぎとか大丈夫なんだっけ?)

タマモ > …あ、この天使、あれなタイプだ。
少女の脳裏に過ぎった、そんな感想。
さすがに、口に出すには到らずに済んだ。
いや、言っても良かったんだけど、気にしない。

「ふむ…まぁ、分かり易い程に分かり易い、率直な回答じゃな」

とりあえず、当たり障りの無い返し。
ただ、うん、再び溜息が漏れた。

「いやいやいや、普通に肉料理じゃぞ?
むしろ、普通にお主のを食べた方が良い気がするんじゃが…」

ちゃんとした調理道具の無い状況、自然で生きて来た経験を生かした調理法だ。
相手の料理と比べて、美味しいかどうか問われても、答えに困る。
スープまで追加してきた相手に、両手をぱたぱた振ったり、相手の持つパンを指差したり。
適当な身振りを加え、押し留めようと試す。
まぁ、でも気持ちは分からないでもない。
なので…

「むむむ…お主がどうしても、と言うならば…交換をしても良いじゃろう。
ただし、後での文句は受け付けんぞ?
妾のこの料理とて、自信作と言う程のものでもないのじゃ」

折れた。
あれだ、むしろ、本当に交換しても良いのか?な感じを見せながら。
それでも交換するならば、まぁ、それは相手の自己責任である。

あ、ちなみに、味に自信がなさそうに言っているが、普通に美味しい。
相手が、それに満足するかは別として。
後、少女は熱いのと辛いのと酸っぱいのが苦手なだけで、後は問題なし。

セルナエル > (ここに来ての急な謙遜に天使娘の好奇心はますます膨れ上がり、腹の虫もますます激しく餌をねだる。これはもう絶対一口食べないとおさまらない。なんならもう一品追加してやる……そんな悲壮な覚悟まで決めた天使の翠瞳には断固たる意志が見て取れるだろう。そうして狐少女から決定的な一言を引き出したのなら、眉尻を持ち上げ、桜色の唇をグッと引き結んでいた美貌がパァッと明るく輝いて)

やった、やったぁっ! そっちこそ、もう取り消しはききませんからねっ! 絶対絶対、そのお肉料理食べさせてもらうんですからねっ!!

(言うが早いか嬉々として子狐の小躯に近付き、両手に持った出来たて料理を彼女に突き出す。そうして少女が受け取るならば、彼女の傍ら、二人で座るには少しだけ狭いかも? といった感じの平石に安産型のお尻を下ろし、再び布袋をごそごそ。木製カップに水袋の中身である果汁でほんのり味付けした冷水を入れ、少し考えた後にもう一つ同様の物を用意して己の傍らにコトリと置いて、更には木製のフォークを用意して)

――――いざ…っ!

(大葉に乗せられた野趣たっぷりの肉料理を手に、未だ予熱たっぷりのそれにフォークを突っ込んだ。)

タマモ > よく分からない決意に満たされた天使、少女の感想である。
まぁ、その決意が交換承諾の流れを引き寄せたのだから、相手としては満足だろう。
こちらとしては、何とも不安な話ではあるが。
表情を輝かせ、突き出してくるのは手にしていたパン料理。
それを受け取れば、座っていた椅子代わりの平石に腰を下ろす天使をちら見する。
うん、大きなものは選ばなかったので、確かに2人座っては少々狭いかもしれない。
自然と、こう、ぴったりと身を寄せるような形になる。

「まぁ、妾としては、夕食が摂れればそれで良い。
さて、頂くとするかのぅ」

しっかりと両手でパン料理を掴み、はむ、一口。
…む、意外と美味い。
無意識に、気分良さ気に耳と尻尾が揺れる。
時折、口に入る苦い何かは、こっそりと吐き出しているのは秘密だ。
そう口は大きくないのだ、少しずつ、はむ、はむ、と減らしていこう。

さて、相手からどんな感想が聞かされるやら。
そんな事を考えながら。

セルナエル > (同性とは言え初対面相手では近すぎるだろう密着の距離感。眼前で弱々しく燃える焚き火だけが暖気をもたらす冬の森で、いかにも肌寒そうな薄衣の天使は、寄り添う子狐の暖かさにふにゃりと相好を崩した。そうして、二人揃って別々の料理にかぶりつき)

――――ん、んんぅぅぅぅうう~~っ❤❤

(口いっぱいに頬張った肉ときのこの旨味の凝縮が、セルナの顔をそれはもう幸せそうに彩った。元々十分減らした腹ペコ状態。さらには散々煽られ期待感が高まった上での事もあり、狐少女がちっちゃな手にてせっせと作った料理は天使のお気に召した模様。もぐもぐもぐもぐんぐんぐごっくん。口腔に残った肉料理の余韻にほわぁ…と一息ついて、清涼な果汁水の甘さでそれを流した所で)

――――………あ。

(ようやく気付く。狐少女が用意したのは当然自分の分の一皿だけ。少し多めに準備したとはいえ、それをこうまで口いっぱいに食べてしまえば残る量などお察しであろう。パンとスープ、ついでに先程置いた果汁水は十分すぎる対価だろうが、それでも半分このつもりであったセルナ的にはちょっと取りすぎ。よって天使の美貌はそぉ~…っと中空の闇夜へと頭部を向けて、頬に一筋汗を流して――――ちらっ。恐る恐る傍らの狐少女の機嫌を伺う。)

タマモ > うん、どうやら肉料理はお気に召したらしい。
幸せそうに頬張る天使の横で、もっきゅもっきゅとパンを頬張る少女。
こちらもこちらで、思いの外美味しい料理にあり付けた。
気分的には複雑だが、まぁ、悪くは無いだろう。
時折、スープを、果汁水を、喉に流し込む。

「ふむ…まぁ、これはこれで、悪くはないのぅ。
お主の方も、味覚に違いが無いのは救いじゃったか。
たまに、味覚がおかしいのも居るから心配ではあったが…」

ぷは、スープを飲み終え、器を置きながら隣の天使に。
そこで見える天使の反応に、かくん?と首を傾げた。
少女としては、自分が小食なのは理解している。
すべて平らげ、普通よりも少々多い程度なのだ。
なので、食べ切られても何ら疑問も感じない、そんな感じだ。

「………どうかしたか?」

なぜ、そんな風に機嫌を伺うような様子を見せるのか。
少女からすれば、それこそが疑問だった。

ちなみに、少女のパン料理はまだ1/3程残っている。
後は果汁水も、少々。

セルナエル > ――――…う゛っ。ぃ、いや……その、ですね……ちょっと、こお、セルナ、た、食べすぎてしまったかなぁ……なんて、………ご、ごめんなさいぃぃいっ!

(狐少女の不思議そうな問いかけに、純白のドレス姿をビクッとさせた天使娘は翠の瞳をあちこち彷徨わせ、ごにょごにょと聞き取りづらい声音を漏らした後に、結局素直に謝った。勢いよく下げた頭が、白金の後ろ頭に括った緩い三つ編みをぺたんっと垂れさせる。)

も、もしもその、セルナのせいでご飯足りないようでしたら……う、うぅ……セルナの分のパンも食べていいです……。

(しょぼんと気落ちした様子で肩を落とした天使娘は、再びもそもそ小袋をあさり、狐少女が食べているものと同様のパンをもう一切れ取り出した。下げたままの頭が、前髪の合間から持ち上げる翠の上目遣いは申し訳なさ気な物なれど、同時に取り出したパンにも未練たらたらである事が伺えようか。)

タマモ > 「うん?食べ過ぎ?…別にそn…」

どうやら、相手さんは対価以上の量を食べたのだと思っているらしい。
謝る相手の姿に、大して気にした風の言葉を掛けようとするも…
はた、と何か思い付き、言葉を止めた。
何か思い付いたらしい、その表情は…うん、こう、悪戯っ子の表情だ。

そんな状況も、気付かぬ相手は言葉を続け、新たなパン料理を取り出す。
どうやら、もう一つあったらしい。
その様子から、思いっ切り未練たらたらなのは分かり易い。

「ふむ…そうじゃのぅ…確かに、足りなくなったら困ってしまう。
食材を集めるも、一苦労だった事じゃしのぅ?
まぁ、妾としては、それでも良いのじゃが…
別の何かがあるならば、それでも良いぞ?何かないのか?
それとも、何かしてくれるとか…?」

ならば、何か他の事をして貰うとか。
あわよくば、何かしてやろうとか、悪巧みが始まった。
素直に、そのままパン料理を差し出すもよし。
その言葉に乗って、何か考えるも、他でも、色々と考えようはあるかもしれない。
少女としては、どうせ料理も諦め切れないだろうと踏んでいるからだ。
ならば、上手くすれば相手をいいように扱えるかもしれない。
頭の中で、あれやこれやと考え始めていた。
………まぁ、そんな悪巧みってのは、大概失敗するものだが…懲りる事は知らない少女。

セルナエル > ………う゛っ! ……うぅぅっ!

(世慣れしていないお人好しの野良天使は、狐少女の他愛ない口撃にもビクッ、ビクッと真白な体躯を竦ませる。ちょっと楽しみにしていたチーズパンは諦めるしかないのか……心の中でほろりと涙を流した瞬間、ぺかーっと天啓めいてもたらされる新たな交換条件。そこそこ大きな乳肉がキトンの下でぱゆんっと弾む程の勢いで顔を上げた天使は、食いつかんばかりの勢いで身を寄せて)

しますしますしちゃいますっ! セルナ、大盤振る舞いでなんでもしちゃいますぅ! ええと、熾天使の加護……は、あんまりぽこぽこ与えるなってミカちゃんに怒られたし……奇跡の使い方……も気楽に教えるなってガブちゃんにチクチクお小言言われたし……。

(なんでもすると言っていた勢いは、あっという間に消沈していく。このまま放置しておくと、最終的には肩たたきとかその辺に落ち着きそうな減速っぷりである。意外に長い白金の睫毛を落とし、繊細な眉根に皺寄せて、むむむむ…っと真剣に考えていた天使の脳裏。ふっと過ったのはつい先日思いついた、それはもう画期的な一人遊び。)

そうですっ! それならセルナ、狐さんにすっごい事してあげますよぅ!!

(持ち上げた翠瞳はそれはもう自信たっぷりである。無論、残念天使の思いつき。懲りない狐少女にお似合いの結果をもたらす事が確実の、酷くアレな代物なのだが、少なくとも出会ったばかりのセルナの顔からそこまで読み取るのは難しかろう。)

タマモ > 己の言葉に、面白いように反応を見せる天使。
あ、うん、ちょっと見てて楽しいかもしれない。
そして、狙い通りに交換条件を出してみれば…凄まじい食い付きを見せてきた。
つい、こう、引きそうになるくらいに?

そこから、更に相手は何を交換に出すか、悩む様子を見せる。
色々と出来る事はあるみたいだが、色々と制約みたいなものがあるらしい。
あれ出してはダメ、これ出してはダメ、と考えはなかなか纏まらない。
最終的には、思い付かず、好きにしてくれれば!なんてのが、一番好都合。
そう考えていたのだが…何か思い付いてしまったらしい。
ちっ、と心の中で舌打ちをしながらも、そちらへと顔を向ける。

「ほほぅ…すっごい事じゃと?
ふむ、ならばそれをしてみると良いじゃろう。
気に入ったのならば、それで交換を認めるのじゃ」

果たして、相手が何を思い付いたのか。
その内容を読み取る事は、今の少女には出来ない。
まぁ、天使が凄い事だと言うのだから…少しは期待を出来るか?なんて感じだ。