2018/10/10 のログ
■ブレイド > 「いや、冒険者になれたんだなーって…
なんか前、いってたろ?自由になったら冒険者にーってよ。
結局何もできなかったけどさ…自由になれたなら、ま、いいかってな」
不思議そうな表情から、一転して笑顔を見せる。
何にせよ、彼女が無事で自由を得たことが嬉しくて。
そのお祝いと言うには、今ある食材では足りないくらいだ。
「それにしたって、王都に帰るまでも結構距離あるだろ。
数日分余計に備えておくべきだぜ?食いもんやらはよ。
川でもありゃ話も違うんだがよ…まぁ、食え食え。どうせ拾ったようなもんだしよ。
食いしん坊だってならスープじゃ足りねーだろ?」
とりあえず食べれそうなものを帰りの分は取っておくとして、それ以外は差し出そう。
ついでにと、いくつかの香草と塩と香辛料をいくつか。
■ミュゼ > 「あ、はは……ん、色々あって、ね?その、飽きたって言って捨てられちゃった。
自由になったのは嬉しいんだけど、何となく、傷つくなぁ、って――お陰で、冒険者だよ。
ううん、君が励ましてくれたのも、あきらめないで頑張る為の力になったから、だから、ありがとね?」
そう言う事か、と得心すると共に、彼への礼を述べておく。
冒険者家業はその日暮らし、明日になっても礼が言えるかはわからないのだ。
故に、少女はにっこりと朗らかな笑みを見せつつ、スープの鍋をかき回して。
「ぅー……そ、そうだね。用意はちゃんとしてなきゃだよねぇ。
一応二日分は用意してたんだけど、昼間は天気が良くてつい、その、食べ過ぎちゃって。
だから、夜はひもじいひもじいスープだけ、の筈だったんだけど……くぅ、お腹に来るものがいっぱい出てくるぅ。
そ、それじゃ、ベーコン焼いて、パンで挟んでいいかな?お礼に、焼き菓子あげるから!」
少女からすればお金よりも大分素晴らしい宝の山が目の前に現れた様なもの。
ベーコンの塊、柔らかそうなパン、そしていくつかの香辛料。今は足りないものばかりだ。
実を言えば一張羅を買い戻すのにお金を使い果たしているのだが、そんなことはどうでも良くなる程度に上機嫌。
代わりに、と差し出すのはハンカチで包んだお手製の焼き菓子。うすべったいクッキーの様な生地にドングリをいくつか埋めたもの。
野性的な甘みが自慢のお手軽クッキーだが、彼の口に合うだろうか?合うといいな、とにこやかに。
■ブレイド > 「飽きたってひでーな。ま、ゲスには過ぎた代物だよ、てめーは。
アイツらみてーなのは見る目もねーからな。
ま、何かの手助けになったってなら良かったよ。冒険者としてはオレのほうが先輩ってことになるし
これからはいろいろ頼ってくれよな?」
たしかに不安定で、命のやり取りが常である冒険者であるが…
きっと、不本意に陵辱され、尊厳を踏みにじられ、玩具にされる毎日よりはいくらかマシだろう。
朗らかに微笑む彼女の姿に、ほっと胸をなでおろし。
「ま、このあたりは人里から結構離れてるからな。
余分に用意しといてもいいと思うぜ?…てか、食べすぎたのかよ。これからは一食あたりの買い物増やせよ…。
芋もあるから、一緒に煮込んじまおうぜ?
ああ、ベーコンもパンも気にせず食っちまえ。っと、焼き菓子?それじゃ、それもメシのあとに一緒にくおうぜ?」
先んじてと、クッキーを一口。
美味いとうなずき笑ってみせる。ややワイルドな味だが、それが逆にいい。
香辛料はまだ余ってるし、彼女に持たせておくのもいいだろう。
■ミュゼ > 「っと、その、励ましてくれてる、のかな?――えへへ、ありがと。
それじゃ、色々頼らせてもらうね?新米冒険者として、色々教わらなきゃ、だし!」
武門の家の出身故か、槍の心得はある。戦場での心得や、生き方も。
故に少女に足りないのは、冒険時の備えなどの知識だった。
それを彼から得られるというならば、これ以上の事はない。
頼れという言葉に素直に頷き、少女はにこにこと笑みを浮かべていた。
「ん、本当はいっぱい買いたかったんだけど、日用品を買い直したらお財布がぺたんこでさ。
槍とか鎧とかは無事だったんだけど、それ以外の服とかは一式取られちゃったから、買い直しだよぅ。
――ん、煮込んで、焼いて、いっぱい食べちゃうよー?何せお腹ペコペコだからね!」
彼と楽しく料理をしながら、鼻歌交じりの野営である。なんとも楽しく、心地よく、穏やかな時間だと思う。
洞窟の中の一夜は、冒険者になったらこんな時間も過ごせるのか、と驚いてしまうほどに素敵な一時だった。
■ブレイド > 「励ましなんてもんじゃねーよ。正直にそう思ってらぁ。
ま、先輩としても頼りねぇかもしれねぇが…
もちろん教えるだけじゃなくて、手を貸せるところがあったら声かけろよ?」
戦闘技術は高いが、いろいろな点でまだ、冒険者としては未熟だろう。
そういうところは一日の長があるので頼ってほしいものだ。
せっかく自由になれたのに、それを失うようなことになっては元の木阿弥だ。
「ま、最初はしかたねーよ。
そういうときは、先輩にお下がりでもたかれって。
そういや宿とかはどうしてんだよ…」
などと話しつつ、楽しい時間は過ぎていく。
彼女との再会を喜びながら過ごす時間は、それこそあっという間に過ぎ去ってしまうようなもので…
ご案内:「九頭龍山脈 山中の洞穴」からミュゼさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中の洞穴」からブレイドさんが去りました。