2018/08/13 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中 露天風呂」に芙慈子さんが現れました。
■芙慈子 > 昼間はちらほらと人の姿が見える温泉も、この時間に入浴しようと考える者はいないらしい。
少女も人間であったなら、わざわざこんな夜更けに来ないのだろうが、
生憎と妖魔の血を引いているせいで怖いもの知らず。
ふんわりと傍で空中に浮かばせておく人魂のような魔力の灯りを頼りに、湯船へと近づく。
細身の身体に纏うのは白い長襦袢一枚。文字通り、一枚。
屈んで、岩の縁に囲まれた湯船に、そっと片手を入れてみる。
「……すこし熱い」
川の水がもう少し流入すれば、いい塩梅になりそうな湯加減。
しかし調節することもなく、少女は片足ずつゆっくりと浸からせていく。
■芙慈子 > 足湯状態で岩の縁に腰掛け、それ以上は身体を浸そうとはしない。
長襦袢を着たまま浸かっているので、湯船に入った裾はゆらりゆらり、金魚の尾のように泳いでいた。
水面を見下ろす少女の顔は、慈愛さえ感じられる穏やかな微笑み。
温泉独特のとろりとした水質を楽しむよう、時折手を入れては戯れて。
「――――ふふっ」
甘い笑い声響かせながら、もうしばらく湯船を楽しんで、
――――いつの間にかその姿は消え失せていることだろう。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中 露天風呂」から芙慈子さんが去りました。