2018/08/04 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 低地の森」にシドさんが現れました。
シド > 樹皮や木の芽の青臭い香の中で脚に添え木をする。
触りの良いシャツを破いた即席の包帯をきつく巻きつけると痛みに眉間に皺が寄る。

「山道から落ちてこの程度の怪我なら重畳か。」

仰げど転げ落ちた山道は見えない。寄り添う木々の梢に隠された景観はただ燦々と輝く星々だけ葡萄色の眸に映す。
鬱蒼と生い茂る森を照らすのは星と月明かり――それでも木々の一つ一つ視認できるほど視界が晴れるのは
奇妙な薄緑の光を放つ夜光茸が木々の根本に生い茂っているから。
痛む脚を摩りながらも気分は悪くない。
夏日の夜だがこの森の中の空気は青い氷のような澄んだ風が流れて快いから。

「遭難なんて遠征以来か?サバイバルをするのも良いが……
 もう年だしな。従者が探しに来るのを待つか。」

手にしたナイフで周囲の草を刈り取り。集めた枯れ枝に火を灯す。
やがて闇に溶けるようにあがる煙と小さく爆ぜる火の粉を眺めながら大樹の根本に腰を下ろして長い脚を投げ出した。

シド > 遠くから自分を呼ぶ声に腰を起こした。
思ったより早い発見に手を振り仰ぎながら森を去っていく。

ご案内:「九頭龍山脈 低地の森」からシドさんが去りました。