2018/06/18 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」に影時さんが現れました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にラファルさんが現れました。
■影時 > ――朝が来た。日は昇り、夜は晴れる。
見上げる光は街の中で見るそれではない。
山野の朝靄に翳りながらも、時に淀んだ気配さえ漂う街よりも心地の良いものだ。
雇い主の屋敷や宿等と比べれば、寝床は流石に固いけれども、日によってこのように野宿をせねば締まらない。
ここは王都の東部、九頭龍山脈。自然豊かな裾野の一角に洞窟が点在する地域がある。
その洞窟の一つを今、即席の拠点としている。
夜露を避けるための寝床であり、奥にある氷がまだ残っている場所を利用してちょっとした小遣い稼ぎに供する。
「……よゥし、いい塩梅だな」
奥に設営した木枠に吊るした肉塊の具合を確かめ、頷こう。
先日、狩猟して解体した猪型の魔獣の肉だ。丁寧に血抜きの後に解体し、洗浄したうえで氷室代わりの洞窟で寝かせていた。
毛皮類もそうだが、肉もまた其れなりに需要があるものだ。
この国を訪れ、真っ先にやったことが水質と料理の文化を調べ、把握することだった。
故郷と同じ食材や調味料を望めない以上、何が良いのか、どんなものがあるかを掴んでおけば苦労はしなくなる。
慣れた手つきで肉を切り出し、まずは長い杭にも似た串に突き刺したものを数本用意する。
そして、それが出来上がり次第、順次外に起こした焚き火の周囲に何本も刺してゆく。
じっくりと火で炙り、余分な脂を溶け出させながら熱で焼き上げてゆく。塩を振っただけも、楽しめよう。
他、鍋も作れるだろうが、其れと合わせてやっておくべきことがある。空を仰ぐ。太陽の位置を確かめ、大まかな刻限を見極めたうえで。
「そろそろ、か。焚いておくかね」
もう一つ傍に熾しておいた小さな焚き火に近寄り、取り出す煙玉を二個火の中に放り込む。
すると、強く炎が燃え上がって赤と白の煙を立ち上らせる。
――目印の狼煙だ。煙は次第に細くなるが、炙り肉の匂いもあれば事足りるだろう。きっと。
■ラファル > 少女は、山の中を散策していた。
朝早くから家を出て、山の中をぐるぐるぐるぐると歩き回っていた。
それには理由があり、その理由は、もうすぐ判明するはずである。
「――――!」
見えた。
山の中腹部に一筋の赤と白の煙。
その煙の意味を理解すれば少女は、そちらに向けて走り始める。
山の木々を潜るように、しかして音はなく、移動の気配も作り上げない。
道なき道を進み、崖を駆けるのは、飛行を禁止されているから。
己の体術と足で山を駆けて、木を蹴り上り、彼の待つ洞穴へ。
「ボク、とーちゃく!」
彼の待つ洞穴の入口に、少女は足音もなく移動した後に、到着のアイズとして言葉を放ち、ワクワクした目で、洞窟の中―――いい具合に炙られてお肉に視線を向ける。
思いっきり気を取られているように見えて。
その実周囲にしっかり気を配り、警戒している模様。
■影時 > 如何に落ち合う地域を指定していても、明確な場所を指定していないとなると普通ならば迷おう。
地図らしい地図を作成しようにも、難しい場所だ。
否、仮に実用に足る地図があったとしても、其れが市井に供されるものとは限らない。詳細な地図とはそれほどのものだ。
だから、この手を使う。互いに只者でもなんでもなく、片方は抜きんでたものを持つとなればこそ。
「――む。」
洞窟内で今度は一口ずつ齧り易いサイズにカットした肉を串に刺し、両の手指の間に挟み持ったところに声が響く。
来たか。その声を違えることはない。
外に出よう。街中で羽織る黒い外套は洞窟の入り口付近に積んだ荷物の傍に丸め、置いておけば仕事着である装束姿で。
「おう、ちゃんと来てくれたか。偉いぞ。
……少し待て。後は此れも刺しておけば、一通り仕込みは済む」
遣ってきた姿に頷くように目礼と共に声を投げ遣り、例の焚き火の傍に新たな肉を刺して追加する。
焼け具合を確かめて、炙る面をひっくり返しておくのも忘れない。
豪快に肋骨らしい骨付き肉を細い木串で突き刺したものも、炙られればまるで濡れるように脂を滴らせてゆく。
余分な脂が落ちたものは、そのまま生で齧り付くよりもずっと味わい深いことだろう。
■ラファル > 地図とは、正に軍事機密とも言えるようなものでもあるのだ、どこに何があるというのが分かれば、それこそ……そこを狙って攻めることができるから。
市井に地図が出回ることはあまりなかろう、あって、個人で作り上げたものという形になるのだと思う。
ただ、少女に関しては地図というのは必要がない、俯瞰したところで地形を、地面を覚えて場所を特定するのだから。
それに、此処にいるという合図があれば、そこに向かえばいいだけの話なので、楽といえば、楽だ。
「いい匂いー!ご飯?ごはん?」
肉の匂いを纏っている男、その匂いを確かめるようにクンカクンカと匂いを嗅ぐのは動物じみている。
少女は人間に見えるが人間に非ず。竜である。上の二人よりも純度の高い竜である。
実は人間も食べちゃう、性的にではなく物理的に、経験もあるレベルで。
でも、この人間は特別な人間で、懐いてる。だから食べません。
「だって、ボク、おっちゃんの忍術、覚えたいし!
ほら、汚れてもいい格好してきたし!」
男は多分目を剥くだろう。
だって、全裸。 ドラゴン、汚れてもいい、着ない。
ウロコあるから大丈夫だし、その辺の池で泳いで綺麗になればいいのだ。
ちゃんと、服は持ってきてますよ、袋に入れて。
おいちゃんの脇をぽてぽて歩いて、肉の串の方へ。
「んー!美味しそう!」
じゅるり、と下舐めずる少女。
思い出して欲しい、彼女と初めて出会ったとき、木々が道となるぐらいに無くなっていた事を。
あれは、一晩ではなく、一回の食事れべるなのである。
胃袋は異次元な女の子が、ここにいる。
さあ、食材の貯蔵は、十分か……!
■影時 > 故郷においてもそうだ。正確な絵図面入りの地図というものはあっても、出回らない。
戦乱の時代の諜報合戦の一つとして、この手の地図の奪い合いもあったものである。
――ただ、そう。ただ、ここの居る面々であれば特に必要はないかもしれない。
現在地を示す符牒の狼煙でも焚けば、あとは一直線に進んで行けばいい。
「おうよ。
だが、まだ手を出すんじゃあないぞ。もう少ししたら食べ頃だろう――が。」
こんな場所に居れば、洞窟内に吹き込む風に焼き肉の匂いが少なからず染み付いてしまうのは是非もない。
後で足元で匂い消しの香でも焚けば良いが、今はそうもいくまい。
此れから喰うものだから、猶更今やってもますます意味がない。
だが、問題はまた別にある。クンカクンカと匂いを嗅ぐ少女の仕草ではなく、姿だ。
「真逆、ハダカで来るたァ思ってなかったぞ。
何も羽織ってないよりは身体の動きが見える分だけマシだが。……腹拵えだ。一つ食べていいぞ」
膝を曲げて屈みこみ、呆れ混じりの表情でしげしげと少女の裸体を眺め遣ろう。
助平交じりもあるけれども、鋭い目つきを垣間見せるのは筋骨の成り立ちや身体の可動範囲を確かめるためだ。
勿論、その目が顕すように見た目が全てではない。
しかし、少なからず外見の枠に収まるのであれば、己の持ち前の知識も有用であろう。
洞窟内に数日がかりで仕込んだ肉は数頭分である。――もしかするとあっという間かもしれません。
■ラファル > 「生でもいける口だけどなっ!
あ、これ、お土産。
こっそりもらってきた。」
お腹は、無敵です。
にぱーっと、無邪気で明るい笑みを浮かべる少女は、肉の焼ける匂いがとても。とてもいい感じに食欲をそそるらしく、美味そうと嬉しそうに肉を見やる。
で、ふと思い出したのか、服と一緒に入れてきた酒瓶を取り出して、手渡す。宵の口一閃と、銘打たれたお酒の瓶であった。
自分の体を見やる相手に、少女は特に意識を向けることはない。
彼の視線に有るのは、情欲よりも先に情報収集であることが分かっていたから。
「だって、汚れてもいいって言うなら一番じゃん?
おっちゃんの目のほよーにもなるしー。
わぁい!」
呆れ交じる言葉に少女はにししーと悪戯っ子特有の笑い方で笑ってみせてから、許可をもらって一本。
ぱくりと食べて、タレの味と、肉の焼き加減、極上の味にうまー。と目を輝かせる。
少女の肉体は、見た目に反して柔らかい。可動域も広くそれこそ骨が入っていないかのように足を開いたりできるであろう。
余計な筋肉はついていない肉体は……こう、女としての膨らみは少なくて、そういう意味では残念かも知れない。
子供だということを考えて、将来に期待であろう。
速度に特化した肉体と、いうものであった。
お肉の貯蔵は、許可が出れば多分直ぐになくなると思われます。
■影時 > 「ナマは俺にゃ真似は出来ねえなぁ。新鮮な魚なら、山葵と醤油があれば良いが。
おゥ、気が利くな。――後でこの洞穴の奥の氷の傍に置いとくか。」
ゲテモノ食いの類は出来なくもありませんが、ドラゴンの女の子には負けてしまいます。
如何に人間として並外れた資質を持ち合わせていても、限度はあるのです。
山葵は自生していた物を使うとして、醤油は商会で買ってくれば事足りるだろうか?
そう思いつつ、手渡される酒瓶を受け取って、すまんねぇと頷くように目礼しよう。
この銘柄は先日見たものだ。いざバレて怒られることでもあれば、一緒に怒られもしようか。
義理よりも合理性に基づく思考は出来ても、流石に貰った恩義に知らぬ顔というのは気に食わない。
「保養ついでにつまみ食いでもしちまおうか? ン?
骨は、あー、其の侭ペロッと遣っちまってもいいが、吐き出すなら焚き火の中にな。あとで埋める」
確かに余分な装備がない分だけ、早くなるのは確定的に明らか。
しかも、尋常な使い手であれば敵が裸であるのを見れば、戸惑って隙が生じる。なんと隙のない二段構え。
欲を言えば肉付きがあればと思うものはあれども、抱き締めてちゃんとそこにあると分かる肢体もまたいいものだ。
将来性に期待。仕込める分だけ仕込める余地がそこにある。
焼き肉は塩だけをかけたものもあれば、今取るようにタレを付けて焼いたものもある。
見ようによっては野卑かもしれないとしても、骨に付いた肉をむしゃぶりつくように喰らうのは格別の一言だろう。
立ち上がり、一旦瓶を奥の氷室代わりの氷が残る場所に置いてくれば別に包んだものを持って出てこよう。
大きな木の葉か木の皮で包まれた「それ」は少女の鼻でもわかるだろう。ほのかに甘い匂いをさせるものだ。
■ラファル > 「知ってる!握りってやつだね!」
生の魚、採れたて新鮮なやつを切って、酢飯と山葵で食べるおいしい食べ方。
作れるの!?キラキラして目で見ます。
醤油は甘口を今酒蔵で醸造できるか試しているところ、まだお待ちください。
ちゃんと貰うときに貰っていいかと、作ってる人に聞いてもらってるから、怒られることはない。
イタズラはするが、贈答品にケチつけるようなことはしません。
忍術教えて貰う対価というところであります。
「え?おじさんろりこん?うわー。
溜まってるならいいけどー。でも、今は忍術が先ね。」
骨はバリボリガリ、とカルシウム分として少女は噛み砕いて飲み込みました。
埋める手間が省けるでしょう。
ちなみに、エッチィことに関して抵抗はありません、両親に仕込まれていますし、始めても済ませてあります。
ちなみに、この全裸の状態から暗器も出せます。少女の鱗は、そのままでも鉄以上の硬度を持ってるので、鱗を投げれば即席の手裏剣です。
それだけではなく、手を振れば真空波で相手を吹き飛ばしたり切ったりできます。
合理的といえば合理的な考えです、羞恥心?なにそれおいしいの。
「……!!」
奥に彼が移動して、戻ってくる。
その手に包まれた木の葉、そして、その中身。
少女の目は固定されている、甘い匂い。
じぃぃ、と視線は彼の手に。
「おいちゃん、それ……!!」
何かは、わかった。
でも、期待もあるし、なにより、こういうのは持ってきた人の口から聞くのが一番である。
ワクワクが、止まらない少女―――!
■影時 > 「ほゥ、良く知ってるな。
俺が言ったのは、スシという奴にも出来るがサシミという魚の喰い方よ」
どっちも作れるぞ、と。事も無げに言いつつ、この山野を見回そう。
悪名めいた名前の街道こそ走っているが、肥沃な土地であれば新鮮な魚類にも困らないだろう。
米と醸造酢等々、色々と用意すべきものはあるけれども、各地を巡った身として仕込むことは難しくない。
自分で食するものは大概自分で作るようにしているからだ。
貰った酒は――必要経費としても、ちゃんと問題なければオジサンは一安心です。
「ろりこん? ……あー、それしか喰えねぇって類じゃないぞ俺わ。
だが、何処ぞの本に出て来る貴族にも居たな。
確か、将来有望なオンナノコを小せェ頃から目をかけて仕込んで、云々、というのは」
最近聞いたこともある語句を思い出しては、そう来たか、と笑おう。忍者も大差ないことは遣っている。
ある里であれば、捨て子を拾ってはそのように仕込むということをしていたか。
その是非は己は敢えて語るべき言葉を持たない。
血統から選別するように近親婚も重ね、異能を収斂させることもやった業も知るものとして何を言えるか。
ただ、どちらかと言えば、という味わいの嗜好だけがある。
忍術一辺倒ではなく、色々と知識を蓄えたものとしての記憶を掘り起こしながら、肩を竦め。
「此処に来る前に買っておいたものよ。饅頭って知っているよな?
腹ごしらえが済んだなら、修行だ。俺はこいつを持って逃げる。――奪ってみせろ。
だが、ラファル。お前さんの持ち前のチカラではなく、その体術のみで為せ。良いな?」
そう。ほのかな甘い薫りは餡子の匂いです。シェンヤン渡来の菓子を出立前に買い求めておいた。
日持ちするものであれば、ちゃんと冷暗所に保管しておくことでしっかりと今も保つ。
最低限弁えておくべきことを述べれば、哈ッ!!とその場に強い気配を発し、即座に己の気配を減じて横手の森に走ろう。
周囲を圧する程の気配の発生後の虚に紛れ、身を隠す。
遣っていることと言えば、猫だましにも近い。しかし熟達者がやれば格が違う。
■ラファル > 「お母さんが、そっちの竜だから。」
東洋の知識はだいたい母竜の方である、お酒も、お醤油とかは姉が母から知識を得て研究してるんだっけ、確か。
作れるなら、食べたいなー。
まあ、それは別の時、ということであろう、今は我慢します。
「つまりおじさんは、女の子なら誰でもいい系?
まあ、それはそれで、生物的に正しいしいっか。」
性的なことに関しては、ただ言いたいから言った、レベルの適当さ。
少女的には、ヤれる年齢なら、子供が産めるならそれはもうヤッテいいものである。
ロリコンとか、そんなのは特に気にするものでもないものである。
求めるなら、答えるのには吝かではない程度には。
「……ボク頑張る!体術のみ?」
あんこの匂い、まんじゅうの香り。
それが逃げていくのが分かる、飢えた獣の目をする少女。
体術のみと言われて、ふむ、と考える。
持ち前の力というのは五感とか、匂いを負うとかもダメなのかしらん。
「あ!」
質問しようとした時には、彼は逃げた。
そこにある肉をぱくっと一口で食べてから少女は立ち上がる。
気配の薄れた洞窟、少女はするりと移動する。
きょろり、きょろり、匂いを嗅いで、そして追跡を開始する。
言われた通りに、隱行を身につけた体術で。
闇を走るための技術で、影時を追い始める。
気配を悟らせぬよう、音を立てず、高速で走り、飛び、彼を探り、彼から隠れる。
ただ、追いかけただけでは彼は隠れるだろうから。
■影時 > 「俺の所の竜――否、龍か? つくづく、物凄い血統だなァおい」
知識と血統の所以は竜種であるという。聞けば能力の由縁も納得できる。
その上で幾つか思うところ、思案すべき点はある。
教授すべき内容だ。ただ、己の持つ技を全て教えれば事足りるというものではないからだ。
寿司作りはまた、時が来ればやれるだろう。今はちょっと真面目になる時間である。
「お互いにイイってなら、いいだろう。違うかね?
それにもう少し胸乳張った上で出直してこい、なんて言う気は無ぇぞ、俺は」
嫌がる女を責め、苛めるのは拷問の時位でいい。
気軽でいられるときに殺伐をしたものは如何に酔狂としても、アウトです。
互いに合意の上であれば、差支えはあるまい。
「ああ。つまり、風で周囲をぶっ飛ばすってのはナシだ。
鼻を使うのはまぁ、止めようがないなァ。竜の力、権能にはあんまり頼るな。
……――俺が見るにな、ラファル。お前さんは一通り修めておくべきことは出来ている。
足りんのは経験だ。同格、あるいはそれ以上の他の奴らとの相対の経験よ。
生まれ持った力を使うのはあくまで自由だが、自惚れはしないとしても、其れだけに偏らん技を教えてやろう。」
深く茂った木々の合間をすり抜けるように走りつつ、放つ声を周囲に響かせる。
方角を特定し辛いように発声法を工夫し、周囲に残響させながら要点と狙いを告げる。
その上で一本の木の幹の上に立ち止まり、幹に触れて気を流す。山野を駆け巡る自然の精気の流れと同調し、索敵を行う。
成る程、隠れたか。結構結構と頷いた上で懐から取り出した小石を、おもむろに投じる。
投げ遣った場所にあるのは、事前に仕込んでおいた罠の一つ。
曲げた枝が拘束を弾かれることで弾性で戻り、強く自身の幹を打つのだ。その音を囮にまた、別の樹上へと飛び移る。
■ラファル > 「うん、お母さんとても偉い竜だしね。
龍じゃなくて、竜と言って欲しいみたい。」
長く生きた竜らしい、竜王として、谷を一つ支配してる、それがあそこの陸文洞なのだけれども。
そういう意味ではお姫様、なのだけど、まあそれは今は気にするべき時じゃない。
「だね。
まあ、でもあまりお手つきしてると、お母さん来るよ。
あれで、結構過保護というかー。」
訊かれたら怒られるかもしれない。でもそう感じるところはある。
上ふたりは大人しめであるから、あまり角は経ってないけど野生に近い自分はよく捕まってお仕置き受ける。
多分お母さんは、過保護。
「ふむふむ。わかったー。」
竜の力、権能には頼るな、つまり、今の人の姿でできる最低限で彼を捕まえなければなるまい。
肉体的な制限が無いのが、僥倖というところであろう。
影時の言葉を聞きながら、少女は走る――返答はしない、下手な返答は居場所を教えるものだ。
彼の見解を聞くに集中しているとも言える。
確かに、相対の経験はないと言える、今まではクマとか、野盗でも、各下の三下とか、そういったのばかりであった。
彼のように実力のある人と戦ったり競ったことはない。
木々を、草を滑るように踏みつつも音を出さず、スピードを上げていく。
今までの隱行を超えて、速度を上げつつ隠れる、それを行うために。
石を踏み、木々を蹴り、体のバネを使い、音を消しながら加速していく。
もっと、もっと、少女は遠心力を、慣性を、味方につけて加速していく。
「―――っ?」
何か、ビリっとした気がした。
攻撃的なものではなくて、探るような――――。
それと、前後して何かが飛ぶ音と、大きく響く木の音。
五感を澄ます。
瞳を閉じて、耳で音を聞き、肌で風を感じて。
大きなものが風を切る音、木々のそれではない、彼ぐらいの大きさの何か。
(こっち!)
少女は、薄い気配を探り、影時に追従するように、再度、そちらに走る。
■影時 > 「ほゥ。……龍神の類とは、違いそうだな。面白ぇ。
その場合、遣ってくるのはどっちの御母堂だろうな? 言うまでもないだろうが」
故郷でも狐狸化生の類は珍しくはなかった。
勿論、祀られるべき対象としての龍神も実在するのも含めて、垣間見てきた。
龍ではなく龍。その細かなニュアンスに拘る所以は何か。考察すると、きっと面白い。
声を投げ遣る中、 店長遣られてる方だったら、俺は敵わんなと言い足して跳躍しつつ肩を竦めよう。
直接的な殴り合いはまだいい。しかし、物資の面での取引を抑えられると厳しい。
いずれ、相手の言うもう一人の母親に邂逅すべきなのだろうか。ふと、そう思う。
見た目は子供であったとしても、大人と渡り合おうとする者をただ、齢のままに軽んじる気はない。
自身の責任は自身を以て為すべきだ。いずれ、子は親から離れるものであればこそ。
「……それにな。強ぇ力を其の侭に扱うと、腹も減るだろう?」
声を送る。厳密に隠密状態を維持し続けないのは、隠れているばかりでは勉強にならないからだ。
肉体的な素質も含めた素の性能であれば、さしもの己も劣ろう。
アドバンテージとなるのは蓄えた知識と心得、そして経験の差だ。
大きな音というデコイを仕掛け、誘導すると同時に移動する。
同格の忍び同士との相対によく用いる手管だ。予め、罠を仕掛けていた領域だからこそできる戦術である。
移動する。樹上と樹上を飛び移る。そうしながら、微かな違和感を覚える。
後は見ない。恐らく、来ている。追い掛けている。その動きに微かに口の端を釣り上げ。
「善し。このまま付いてくるといい」
そのまま斜面に沿って進み、跳び上がれば出る先は川岸に出る。
砂利が目立つ河原まで速度のままに直進し、左手に包みを持ち替える。
右手での動きで手元に転がす火薬玉を確かめ、気の運動で火を導火線に灯す。転がせば不意に濛々と白煙が起こる。
匂い消しの香を混ぜた煙幕だ。
先程の焼き肉の臭気も中和し、その上で身を翻す。今度は追従していよう少女に駆け寄るように。
■ラファル > 「両方?」
どっちが来るのか、どっちが行くのだろう。まさかのダブルドラゴン……。
とはいえ、店長お母さんの方は、肉体的には竜になりかけの人間であり、喧嘩とかそういうのは全然ダメなのである。
竜王母さんの加護で守られているぐらいであるし。
「……うん……。」
確かに、彼の言うとおりに力を使うとお腹が減る。
それに見合うだけ食べるとすごいことになる、上の姉二人を合わせて三倍ぐらいは食べる。
彼の言うことは、なんとなくわかった。
お腹好かないで力が出るならそれに越したことはないのだ。
それを教えてくれるのかもしれないと、期待する。
「い……た?」
ようやく、影を見かけられた。
そこは変わらであり、玉砂利がたくさんある場所。
流石にそこでは足を踏みしめれば音が鳴る。
何を考えているのだろう、懐から取り出したのは煙玉。
それを投げると白い煙が周囲に。
視界が悪くなる、足音の砂利の音が近づいてくる。
音を頼りに少女は、影時に矢のようなタックルを。
■影時 > 「ははは、そー来るか! そいつぁさしもの己すらかなわんな!!」
呵々大笑する声もまた、特定の方角からではなく木々の反響を以て木霊する。
状況を愉しむ思考と戦いを組み立てる思考を別々に、同時に頭の中で捌いて取り扱う。
物理的な打撃と経済的な打撃は国を滅ぼすにも足る力である。
腕力ではそうそう負けない気でいても、補給等が立ち行かなくなるのは大変困る。
「じゃァ、聞いとくか。
どういう時に腹が減る。何をどうした時がひもじくなる? それ次第で処方が変わるな」
一番あり得るとすれば、竜としての特異性を全開にした時だろう。
人間の枠に収まらないことをすれば、己も腹が減る。内在する氣力を全開にした時が特に危うい。
大きく、強い力をそのままで使うからとするなら、絞り、収斂することで余分な消耗を抑えることも出来よう。
「よぅし、ちゃんと付いてきてくれたか。良いぞぉ……と、ッ!」
そう、玉砂利が転がる場所は暴れればその分足音がする。
ではどうだろう。そんな場所で足音を立てずに立ち回るとなると、それはどんな方法があり得ることだろうか。
一番率直な方法で言うとなると、体重を無として砂利を揺らさず、動かさずにあれば音は鳴らない。
――故にそれを為す。
深く息を吸い、吐く。周囲の精気と体内の氣の流れを合わせ、整えて体重と打ち消し合う力を起こす。
それは強く外に作用するものではなく、自身の内側のみに留めるために余分な気配の放散は起こさない。
砂利を蹴る音は一歩、二歩、三歩と進むうちに薄れて、次は音はなく身を回す。
矢の如く突き進む姿に左手を伸ばし、ぺたりと胸元を触れてみようとしながらすれ違ってゆこう。
一連の所作に、ぱっと煙は晴れる。それだけの目まぐるしい動きが此処に起こる。
■ラファル > 「どうくるかは、おかーさんたち次第だし、ボクわかんない。」
というか、わかってもどう対処すればいいのか。
物理的には、竜王の方のお母さんにはかなわないし逃げられないし。
店長の方にご飯抜きされるととても悲しい、お腹減る。
それに、喧嘩は苦手だけど、怒ると雷が起きる、そして落ちる。
リアルに勘弁願いたい威力で。それを思うとブルと身を震わせる。
「んー……?ご飯の時間でしょ?
遊んだ時でしょ、力を使った時でしょー?
……あと、食べようと、思ったとき、かなー?」
己の意思で、空腹を操作できる。
食べたものを能力に、力に変換するので。ある程度の空腹を操作することができるのだ。
食べたいものが見えれば、食べたくなり、空腹にできる。
そんな、無限に食べられる能力でも、あるのだ。
「音が……!」
玉砂利の中、消えていく音、玉砂利が音を出すのをやめたかのように。
そこまでの域にはない少女、普段は竜の異能で音を消すから、で。
飛び込むが、音が消えて匂いが消えて、視覚がないとなると―――。
第六感しかない、もしくは風を感じるか。
「……っ!」
自分の胸元に触れようとする空気の流れ。
それと、さっき持ち替えた饅頭の気配。
早く動けば動くほど空気は流れる、そして流れる空気を肌で感じ読み取るから、少女は自由に空を飛べる。
触れようとする手。胸を触らせてむしろ左手に持ち替えたまま、持ち替え直してないお饅頭を奪い取ろうと、腕に抱きつこうと身を縮めた。
たべもの にがさない しゅうねんが そこにあった。
■影時 > 「分かった分かった。つまり遣り過ぎるなら、覚悟しとけ――そういう話だろう」
難しく考えても、対処しえない事態は来る時は来るのだ。来るならば来い、だ。
要は開き直りではないが、胡坐をかいて腰を据えて向かい合う程度の気概だ。
刃を支える心と書いて忍と書くのであれば、万事揺るがぬ不動心の心構えで弁える。
「思って事を為そうとしたとき、か。
なぁ、お前さん前に森食ったコトがあったな。あれもそうか?」
空腹を操作できるという特徴については、己も知らない。
其れが能力とするならば、それだけの暴食を為し得る余地を自身の中に準備することであろう。
事前準備として活力を使うから、腹が減る。より腹が減って食が進むというのは論理としては成り立つ。
食事も睡眠も体力を使うのだから。
「おっと。……――捕まっちまったか」
つくづく、良いセンスだ。見えない。音がない。そして匂いもしない。
そんな中で気流の流れを頼りに、手を伸ばしては己が腕に抱き付いてゆく。
自身の氣の制御だけでは、荷重が生じたことによる音の発生は消しえない。踏み込んだ分だけ、音は生じてしまう。
触れる起伏の浅い乳房をやわやわとやりながら、素直に隠形を解除したうえで此処までとばかりに手を伸ばす。
ぽん、と。トロフィー代わりの木の皮の包みを少女の頭に乗せ置いてあげよう。
■ラファル > 「まあ、何を持ってやりすぎ、とかわからないのが怖いよねー。」
これに尽きる。近くに見える核弾頭がすぐ隣にあるようなものである。
まあ、その時になったら状況によるけど、助けになろう、悪い人でないのは自分も、店長の方も知ってるし。
「うん、木って凄いんだよ?
アレの能力……。何よりも固くなるんだよ。」
能力が使いたい時に使えなければ意味がないだろう。
そのための名前が暴食なのだ、いつでも、飢えて、空腹になれるのだ。
食べてる最中にお腹を減らすこともできるのだろう。
「いぇい!」
ギューと腕を抱きしめる。ええ、もうお饅頭は私のものだとばかりに。
胸をむにむにされるのはくすぐったいけど、くすぐったいだけだ。
ん?
「あれ?」
左手に持ってた気がしたのに。
いつの間に頭の上に、影時の腕から離れて頭のまんじゅうをもぐりもぐもぐ。
あまーい☆
「もぐもぐもぐもぐ」
玉砂利の上に腰を下ろして、早速饅頭怖い怖い。
■影時 > 「その機微は俺も諮りようが無ェな。
……凄いのか。平らげきれる程口も腹も達者ないからなぁ、俺は」
龍神は天災の類が人の如く成った、という言い伝えもある。或いは考察か。
その心は計り知れないということである。想像してもその通りにふるまうとは限らない。
その力の片鱗を秘めているであろう少女もまた、これもまた計り知れない。
食事に纏わるものは退けるとして、大きく異能を使う時とその後が問題であろう。そう見立てる。
「まァ、軽くこんなもんだろう。
――本を読み解いてじっと退屈な時間を過ごすのは、嫌いだろう?」
手を離し、件の饅頭を置き遣ればふぅと息を吐く。
木の皮に包んだ菓子は己の体温が移り、少し温くなったところはあるがふっくらとした皮と餡が愉しめる。
怖くなったついでに、一杯の茶が欲しくなることだろう。
ごき、と首を鳴らしながら、己もその場に座り込んで息を整えよう。
精神を鍛える座学云々はきっと向くまい。心構え等は今すぐ培えるものではない。
ならば、ただ実技を経た鍛錬が最良の処方と視る。
■ラファル > 「だよね、だよね。まあ、お喋りすればわかると思うから。
凄いんだよ。本当に。」
木の力は食べれば食べるほど判るのだけれども、石よりも固くなる。金剛石といえばいいだろうか、あれになるのだ。
今は食べてないから使えないんだけれど、と軽く肩をすくめてみせる。
「必要なら出来るけど、好きじゃないなー。
ボク、運動する方が好きー。」
こう、苦手なのは退屈でじっとしているのが苦手なのである。
あむあむ、と饅頭を頬張りながら返答してみせる。
勉強や心構え、楽しいと感じられるなら大丈夫なのである。
喉が渇いたので、川でゴクリゴクリ、とお水をのんで。
彼の思う通り実技と鍛錬が好みなのは間違いない。
■影時 > 「心得た。――あー、詰まり。食ったもの、其の侭の力と有り様を出せるのか」
はた、と。その言葉にふと気づく。
木の凄さではなく、木を食して表現できる特質、特徴。其れを表して凄いということか。
まさに異能そのものである。
ふぅむと、何が何処まで為せ得るか知っておくべきだろうか。そんなことも考えつつ。
「だと思ったぞ。さぁて、食べ終わったら肉喰い直すか。俺も腹が減った。
出かける前に麺麭の類も買っておいたからな。体力付けたら、服着て組手といくか」
詰まらなくない座学というのは、中々教える側としても難しいものである。
そうなると、まずは下手な道理を説くよりも実演を伴う教練の方がきっと身になるだろう。
先程見せた技等、実演を行ったうえで絡繰りを教授してみせよう。
だが、その前に己も腹が減った。
緊張が緩めば景気良くなる腹の虫に先程まで居た場所に戻り、遅ればせながらの食事と洒落込もう。
米の類が望めないなら、肉と合わせて食せる麺麭の類も最近慣れ始めた。
陽が沈む頃合いまで、土に塗れることも厭うことなく――。
■ラファル > 「うん。」
彼の言葉に短く首肯。鉄を食べれば鉄の力を。オリハルコンを食べるとオリハルコンの。
色々と出来るのである……食べることができるものであれば、だが。
「わーい!ごはんごはん。
戻りがてら、くまさんでも捕まえていこうかー。」
組手とかはそういうのは大好きである。
そして、足りないと困るからともっと材料を追加しようと提案。
くまさんは美味しいんだよ、と微妙な感想。
ハラが減っては戦はできぬとも言うし、彼とともに食事をしてから、後の練習に励もうか。
午後の訓練はちゃんと仕事用の全身をちゃんと身に纏う装束で訓練したとか―――
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からラファルさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」から影時さんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > 「ふへ…」
どがっとロープで縛って猿ぐつわを噛ませた賊を蹴り転がす。
気絶はしているのでまぁ、これ以上どうこうする必要はないだろう。
こうして捉えた賊はあわせて三名。
依頼で言われていた辻盗賊の数と人相書きとも一致している。
物陰に潜んで一人ずつ奇襲をかけてしまえばこんなもんだ。
あとは……どうするか。
とりあえずひとまとめにして王都まで連れて行くか…それにしても距離がある。
生死不問ということだが……全身をもっていくよりは体の一部をもっていったほうが楽…
それはわかっている。わかっているのだが。
「むー…」
悩む。
■ブレイド > 彼らのねぐらにしていた洞窟でひとまず休憩。
むろん盗賊三人はそこらに転がしてある。
しかしどうすべきか。こんなことなら正面から戦って殺してしまっていたほうがよかった。
自分が傷つく危険性も高くなるが、無抵抗の相手の首を切り落とすよりはよっぽどいい。
王都に連れていけば、縛り首。晒し者。とうぜん死ぬだろうから、ここで殺しても変わりはしないのだが。
「ふ、はー…」
さて、どうしたもんか。
縛ってあるし装備も外した。
ボディチェックもしたし、猿ぐつわも噛ましている。
目隠しもしてはいるが…いっそ麻袋でもかぶせてしまえば抵抗なくやれるだろうか?
■ブレイド > 下手に目覚めた時になにかされても厄介だ。
やるなら今だ。
「……まぁ、てめーらがわりぃんだから恨むなよ?」
とても気が重いが、一人で三人を護送なんて真似をするよりはいい。
立ち上がって腰の得物を抜く。
「やんなるな、まったく…」
一人目に歩み寄り剣を振り上げる。
気絶している相手は声もあげないし、身じろぎもしない。
まぁ、殺すのに苦労はしないだろう。
「……」
人を殺すというのもはじめてではない。はじめてではないのだが…気分は良くない。
少しばかり嫌な顔をしつつ、剣を突き立てる。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > 「はー…」
気は重いが、一人やってしまえばあとはもう作業だ。
他の二人が気が付かないうちにサクサク殺ってしまおう。
同じように処理する。あとは、こいつらの体の一部を持っていけば終わりだ。
確か、どっかに入れ墨があったはずだ。
それらを剥がして、あとは指やら耳やらも一緒に持っていけば証明になるだろう。
「あー…くっそ…」
得物の血を拭い去り、ナイフに持ち替えて
それらの処理をする。依頼はこれでおしまい。おしまいだが…
気分を変えたいところだ。だが、こんなものを持って温泉宿に行くこともできない。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にヴァレリアさんが現れました。
■ブレイド > 「慣れねぇな…なんつーか」
こういうことに慣れてこそ一人前なんだろうが。
喧嘩で相手を傷つけるくらいならなんてことないのだが
こういう一方的なのはあまり好きじゃない。
じゃあ無理してでも三人とも護送すればいいだろうという話なのだが
自分が死ぬのは嫌だ。できるだけ危険は回避したい。
だったら王都で小間使いのような仕事だけしていろと言われるかもしれないが…
冒険者なのだ。冒険者なのだから…。
■ヴァレリア >
「わっ、ひどぉい」
その言葉は突然、少年の背後からかけられた
その場には少年と…犠牲者、しか、いなかったはずなのに
「血の匂いに惹かれてきたのだけど…うーん、男の子がこんなことしてるなんて」
黒朱のドレスにマントという出で立ちはこの場所には相応しくない
どこか浮いたようなイメージを与える少女は佇み、
不思議と暗闇の中でも明るく見える赤い瞳が、じーっとブレイドのことを見つめていた
■ブレイド > 「!?」
突然背中にかけられた声。思わず身構える。
剣をかまえつつすばやく振り返ると…
少女?
白い肌の…そしてドレスの…こんな場所ではありえない姿。
洞窟の闇の中、赤い瞳を見つめ返す金色の目。
「誰だ…テメー。こいつらの…いや、それはねーか。
なんにしても…なんだよ」
見つめ返しつつも、もう一本の腰の得物に手を伸ばす。
■ヴァレリア >
「何だよ、って…私のセリフなんだけどなぁ…」
頬を右手の小指でこりこり、と軽く擦りながら瞳を半目に閉じる
「お散歩してたら血の匂いがしたから来てみたら、こんなシーンを目撃しちゃったみたいな…。
うん、キミこそ何者?殺人鬼~?」
間延びしたような口調はどこか緊張感が感じられない
少年が得物に手を伸ばす様子にも気づいているのだろうが、変わった反応は見せないのだった
■ブレイド > 「散歩って…そんな恰好でかよ。
山道をご苦労なこった」
どこか緊張感のない少女の態度。
余裕なのか慣れているのか。
このシーンを見てもこの程度の反応だ。
死体に慣れている、血の匂いという言葉からそういうものが日常なのだろう。
「オレは冒険者だ。山賊退治の依頼を受けてきた。
コイツラは山賊で…つれていくこともできねーから、殺して一部だけもって帰る。
答えたぞ、次はテメーのばんだろ」
剣を少し抜いて答えによって…ということを匂わせる。