2018/05/20 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中・秘湯」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > ざっくざっくと藪を抜ける音。
木の枝や枯れ葉を踏み分けて、分け入って。
ついに見つけた湯気の立つ泉。
近くには誂えたように川が流れている。
温泉は岩場のあたりに湧いていて、浸かるには少し工夫が必要。
それはいいとして…

「ま、とりあえず依頼の半分はこれで達成か」

地図を取り出し、この場所にチェックを入れる。
今回の依頼は温泉宿を開きたいという依頼主から山中でちょうど良さそうな温泉があるという噂があるので
その調査と、本当だったのならば場所の確認。
できることなら、温泉を採取、浸かってみた感想などの報告だ。
このあたりは少しばかり危険だし、やることも多い。その分報酬は結構なもので。

ブレイド > さすがに源泉が近いようで、そのまま浸かることはできなさそうだが
幸い側に川がある。
すこし工夫をすれば大丈夫だろう。
多少時間はかかるし手間だが、どうせ今日はここで野営するのだし問題はない。

「さって、忘れないにっと…」

空の水袋に温泉を注ぐ。

「あぢぢぢ…」

さすがに水で埋めてから渡すわけにもいかないので
ここは我慢だ。

ブレイド > 採取も無事終了。
さて…温泉に浸かる準備をする前に。
まずはテントと火の準備だ。
周囲を見るに、山賊がここいらに来たような様子もない。
ならばひとまずは安心できるということだろう。
テキパキと野営の準備を行いながら、作業に邪魔なフード付きマントを外す。
テントのなかに荷物を放り込んで、ようやく一息。

「ふー、どうすっかな…」

一旦腰を落ち着けるもいいが、川の水でちょうどよく埋めれるように
いい具合に温泉につかれる環境を作らなければならない。
穴をほったり岩で囲いをつくったり、川の水と温泉を引けるようにざつに水路をつくったり。
結構な重労働だ。ちょうどいい温度に保てるように、水路をせき止めるための木材も用意しよう。
石でもいいが、隙間ができそうだし。

ブレイド > せっせと作業を進めれば、徐々にあたりも暗くなってくる。
先に火を焚いておいて正解だったな。と、思いつつも
簡易的な自然の風呂を完成させる。
その頃にはすっかり夜で体も疲労でギシギシと軋む。

「くぁぁぁ……」

風呂は…まぁ、しばらくすれば湯が溜まっていくだろう。
湯加減を調整しつつ待つとしよう。

ブレイド > 「風呂の前にメシだな…」

豆、肉、芋。
それらをつかったシチュー。
まぁ、一人なのでそんなに量はないが、それでも携帯鍋一杯分。
三人前はある。
匂いで獣が寄ってきてもまずいし、シチューならば三人前でも割と腹におさまるものだ。
少しパンの量を減らし、シチュー分の胃袋を空けておくことにしよう。

ブレイド > 鍋をみつつ湯加減をみつつ…
何かと慌ただしい。
そういえば、この間買った結界石も設置しておかねば。
今回は風呂もあるので範囲が少し広いが…
まぁ、なんとかなるだろう。

「ふいー…まぁ、こんなもんか」

鍋を火からあげる。
このままではあつすぎるので、まぁ、しばらくそのまま…
その間に結界石の設置をしよう。
スタスタと、周囲を伺いつつ、キャンプの周辺を囲むように石を設置していく。

ブレイド > 動物避け、害意避けといった効果のある結界。
山賊が来たとしても、無意識にここを避けるような代物…らしい。
店ではそのような説明を受けた。
温泉、川、キャンプを囲むように5つの石を設置すると。
一瞬、魔力の流れのようなものを感じる。
なるほど、これで大丈夫、というわけか。

「さてさて…温泉の方はっと…」

小走りに自作の露天風呂へ向かう。
なかなかいい塩梅だ。食事を終える頃には
入れるようになっているだろう。

ブレイド > 「んじゃ…」

シチューを消費しにかかる。
全部平らげたら腹ごなしの時間が必要だなと思いつつ
木の匙で自作豆シチューを食す。
うん、なかなかの出来栄え。
ちょっと具が多かったかな?という反省点はあるものの。
これはこれで食いでがあっていい。
腰掛けるのにちょうどいい石にすわったまま、食事を続ける。

ブレイド > 「ふい…」

空になった鍋と食器を川で洗う。
さすがにシチュー三人前で腹はいっぱい。
風呂も準備できたし、少し休んでからゆっくり浸かるとしよう。
温泉の側にランタンをおいて、明るくしておく。
まぁ、転ぶことはないだろうが、暗い中で風呂に浸かるというのも
なんとなくつまらないと言うか…。

ブレイド > さて、腹もこなれたところで
いよいよ本日のお待ちかね。
秘湯一番風呂。
一人しかいないので一番風呂にしかならないのだが…それはいい。
服を脱ぎ、温泉の側の少し大きな岩に乗せておく。
得物は、手が届く範囲に立てかけておく。
いざというときのために。

「ん、っと」

つま先をそっとつけてみる。
うん、程よい熱さだ。
そのままゆっくりと温泉に浸かって、肩までどっぷりと。

「ふは~~~♪」

湯加減調整したおかげで心地よい感じに仕上がっている。
肌が荒れるとか、ぴりぴりするとか、そういった感じもなく、身体の疲労を徐々に溶かしてくれるような
そんな気すらする。

ブレイド > 顔を洗い、縁の岩に体を預け、空を見上げれば

月。

満月、とはいかないが三日月…というやつか。
なかなかにいい眺めである。
身体は温まり、ギシギシいっていたとは思えないほどに脱力して。

「んぅー♪」

大きく伸び、そしてお湯に浸かったまま腕や足の筋肉を揉んで解していく。
今日もよく頑張った。

ブレイド > それにしたっていい湯なのだが、すこしだけ体が熱くなってきた。
そんなに長時間使ってはいないはずだが。
だが、のぼせたというわけでもなくむしろ心地良い。
少しとろみのある温泉。
独特の匂いのなかでぽやーっと月を見上げて息をつく。

「は、ふ…」

心地よい。とても。
このまま眠ってしまわないようにしなければ。
さすがに外の温泉で溺死とか困る。
こんな秘湯では死体が見つかるのもだいぶあとになりそうだし。