2018/05/15 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にラファルさんが現れました。
ラファル > 山賊街道の、少し奥まったところは、開発もされていないので木々が生い茂り、野生の獣達が闊歩していたりする場所である。
 文明というところからかけ離れたその場所は、破落戸が隠れる場所としても最適であるということも忘れてはならない。
 だからこそ付いた名前なのだろう、山賊街道と。自分の母親も、祖父も、祖母も、ここに入る際は気を払い、襲われないようにと警戒していたものだ。
 そんな山賊街道の外れた山の中に、金の髪を揺らし鼻歌交じりで歩く少女、山の急勾配や木の根っこ、悪路ということを気にしない様子でサクサク進んでいる。
 方角としては山の奥深く、下手をすれば山賊たちのアジトにさえぶつかってしまうだろう方向で。
 きょろり、きょろきょろ、と周囲を眺め進んでいく姿は目的があるとは思えず、おそらく適当に歩いているとも言えようか。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にブレイドさんが現れました。
ラファル > 「んー……。」

 一人、二人、三人……森の木々に混じって臭う、人間の匂い、どちらかといえば体臭がきつく、清潔にしてないことが伺える。
 あんまりいい匂いじゃないなと、ひく、と鼻を動かして視線を動かす。
 森の木々に隠れて盗賊らしき男たちが、敵意をむきだしにこちらを警戒しているのが分かる。
 少女は、ニィィと、唇を釣り上げた笑いを浮かべる、ああ、来た、来た。

――― エモノガ キタ ―――

 街の中では、人間を○○○○するのは、色々な面で不味い。
 しかし、街から出てしまえば、それが破落戸であれば……話が変わってくる。
 まあ、流石にその所を見られてしまうと、不味いかも知れない。
 それに関しては、少女は気を払い、音もなく移動する。
 先ずは、一番奥で弓を構えて居る男、彼が逃げて仲間を呼ぶ役割なのだろう。
 自分を見張っているはずの彼に向かい少女は『軽く走る』。
 盗賊は気がつかなかったのだろう、監視しているはずの少女が消えて戸惑い、弓を構えた盗賊の首がこきゃっと折られ、倒れていく。
 次に、剣と盾を構えた盗賊、瞬間移動と言わんばかりの移動速度、目の前に現れて、男は叫び声を上げる前に、素手の少女に首を刈られる。
 最後には、笑みを浮かべた少女が見えただろう。

 三人目に、少女は躍りかかる。
 ナイフを持った彼は、少女に気がつくものの……少女は既に彼の首を刈り取って、背後まで走っていた。

ブレイド > 「……」

採取依頼でこのあたりに来ていた少年は少し遠間からその様子を見ていた。
このあたりはゴロツキ…いや、山賊のアジトが点在する。
採取依頼と言えど気を引き締めなければならない一角。
この近くにもそれがあり用心はしていたのだが……

「何だありゃ…」

一人で三人…一瞬だ。
手練と言うかなんというか…まるで暗殺者か何か。
三人が声を出す…いや、音を立てる前にあっという間に刈り取られていた。

ラファル > 声が聞こえた。人ならざる存在、姿は肌も顕で年端の行かぬ少女の姿を取っているものの、ドラゴンである。
 驚いている少年が、ポツリとこぼした声に、少女は反応した。
 風を纏い、踏み込めば瞬間的に速度が乗り、空気の抵抗もなく、音もなく少年の方に滑るように移動する。

「ほんとねー。急に襲ってきそうで怖いよねー。」

 ぷんすかぷん、そんな擬音が見えるぐらいに感情を顕に、頬を膨らませて言葉を放つ。
 それはもう、長らく一緒にいたような気楽さで軽い様子で。

「はじめまして、ボク、ラファル。
 君はだぁれ?」

 ワクワクキラキラ、目にいっぱいの好奇心の光を浮かべつつ少年に問いかける。
 欠片の敵意も殺意もなく、じぃぃーっと彼のことを見つめる。

ブレイド > 「うおっ!?」

確かに遠くにいたはず。
最低限身体を隠していたはずだ。
そうでなくとも、あんな小さなつぶやきが届く距離ではない。
滑るように、目にも留まらぬ速度で距離を詰められたことにすら気づかない。
そんな彼女がそばにいた。
キラキラとした金髪が美しいとなんか見当違いなことを思いつつも
少女に視線を向ける。

「え?あ…は、はじめまして…
オレは、ブレイド。冒険者なんだけど……殺してくれるなよ?」

子供のように無邪気な瞳…。
瞳…金色の…人ならざる瞳。
まるで何かの宝石のような…。

ラファル > 「やっほー」

 驚く少年に、キラリンと、輝くぐらいに気楽な笑いと挨拶を。
 軽く手をフリフリっと振って見せて、少年のことを見上げるように覗き込もう。
 ブラジャーすら付けてない少女の胸はベルトで先端が隠されてるだけの状態である。膨らみはしっかりばっちり。

「ん?なんで殺すの?ブレイドは盗賊じゃないんでしょ?
 冒険者さんなら、トゥルネソル商会、宜しくね!
 いろいろあるよ!」

 竜眼はぱちくりと楽しそうに瞬いて彼を見つめよう。
 そして、くん、と鼻を鳴らす。

「ん?んん?
 むむむむむ?」

 くんくん、とまるで子犬のように少年の匂いを嗅ぎ回って、くるくると少年の周囲を回ろう。
 

ブレイド > 「お、おう」

ぎこちなく手を振り返す。
技量や屈託の無さはともかくなんて格好をしているのか。
おかげで目が合わせられない。

「トゥルネソル商会…?ああ、たしか一度依頼で行ったことあるぜ?
たしか、アッシェ?だったか?」

酒をさんざ飲まされた依頼であったが、報酬がよかったことは覚えている。
少しずつ落ち着きを取り戻すも、今度は少女のほうが何やら妙な動きをし始める。
匂いを嗅いでいる?

「え?どうかしたのか?」

なにか匂ったのだろうか?一応、ここに来るまでに水浴びは何度かしたのだが…。

ラファル > 「何してんのー?」

 ぎこちなく手を振っている少年、赤くなっている模様、それを眺めて少女はニマニマ笑い始める。
 逃げちゃダメだよーとばかりに、彼の視線を追って右に左に。
 ちゃんと目を見て話そうねーと言わんばかりに。

「あ!やっぱり、おかーさんの匂いか!」

 彼の言葉に、納得した模様、彼の持つ竜燐の匂いに気がついた模様である。
 アッシェの名前が出てきたので納得した模様でうんうんうなづく。
 動きも止まったので、納得した模様。

「うん、なんか慣れた匂いが混じってたから気になったんだ。
 お母さんの知り合いなんだね。」

 友だち友だち、と。だきっと抱きついて彼の胸板あたりに頬ずり。

「ところで、ブレイドはここで何してたの?」

 最初の問を改めて問い返し、胸板にほおずりしながら見上げて問いかける。

ブレイド > 「何って…べつになんも…」

少女の動きはすばやく的確。
目をそらそうとしても視界にはいってくる。
からかわれてるのか遊ばれているのか…
そういう意図はなくとも困ってしまう。

「おかーさん…?」

彼女は確か龍だかなんだかとか言っていたような。
なら、見た目通りの年齢やらでなくてもおかしくはない。
なるほど、だから匂いを嗅ぎ回っていたのか。
と、納得したところで、なんか抱きついてきた。

「なっ!?えっ…なにっ…て……い、依頼で、このあたりに群生してる植物の根を…
あー、隠れてたのは、山賊から身を隠すためで、べつにアンタをどうこうしようってわけじゃ…」

なんでいきなり抱きつかれ頬ずりされているのか。
再び混乱する。何もかもが急すぎて理解が追いつかない。

ラファル > 「そ、アッシェお母さん。
 鱗持ってるなら、友だち友だち。」

 にへーとゆるい笑いをこぼしながら頬擦り、すりすり、お友達に親愛は当然ですから。

「へー。根っこ持ってくんだ。
 うん、敵意なかったし、知ってるよ?
 でも、君の実力なら、今の程度は行けるとおもうけど。」

 抱きついたまま、少女は少年の顔を見上げる。
 じぃぃ。と彼のことを見上げて、にこーっと笑った。
 彼の実力であれば、瞬殺は無理だとしても倒すことは全然できるだろう。
 それで隠れていたという彼の言葉に、どうしてどうして?という疑問。

「あ、そうだ。植物てつだう?」

 何もかもが唐突で脊椎反射でしゃべっているような少女。
 どうよ!と言わんばかりにドヤ顔。

ブレイド > 「お、おう、そうか…
よろしく、な?」

こんなカッコで抱きつかれて頬ずりされている状況。
頬を赤らめたまま少し困ったような笑顔。
幼い少女のようであるが照れくさいものは照れくさい。

「まーな、薬に使うんだと…
実力って、三人相手ってのは分がわりぃ。
それに、オレはアンタほどすげーってわけでもねーからな。
怪我しねーならそれが一番…って、近けぇっての」

見上げる笑顔の無邪気さ。
まさか先程三人を瞬殺したとは思えない。
彼女の疑問に答えつつ苦笑。
見た目よりも行動がずっと幼いように思える。

「ん…?いや、えーと、ラファルには用事があるんじゃねぇのか?」

ようもなしにこんなところにいるとは思えない。
ましてや、王都にすんでるような者が。
くるとしたら、自分のように何かあってのことだろう。

ラファル > 「よろしくねっ!
 ブレイドかわいー。
 むらむらしてる?」

 困っているような、赤くなりっぱなしの顔、照れくさい表情の彼に少女は直球どストレートに問いかける。
 そして、そっと耳元に唇を寄せる。

「―――したくなる?」

 なにを、とは言わない、ただ、声の色は子供のそれではなくて、女のそれ。
 粘りつくような、情欲の篭る甘く蕩ける様な囁き。
 見上げる金の瞳は、少年の目を伏見勝ちに見据え、唇は少し開いて何かを待つように、少し上げられる。

「薬かぁ、成る程。
 でも、同時でなければ大丈夫でしょう?それに……彼らは絶対に三人で襲いかかることはなかったよ。
 ボク、すごかった?えへへ、嬉しいなー。」

 近いと言われても、しっかりと抱きついたては離さない。
 しっぽがあれば全力で振ってるだろう、今は出してないけど。

「ん?遊びに来たの。
 それよりも、ブレイドの方が面白そうだし。」

 まさかの用事なんもなし。
 山賊も殺され損とかそんなレベルなのである。ドラゴンに遭遇するのは災害と言われることがよくあるが、それが判るだろう。

ブレイド > 「かわいーっておまえな…
っ…なっ、なにを!?」

どきりと心臓が跳ねる。
心を見透かされたかのようにうろたえてしまう
無邪気な様子から一転…いや、無邪気ゆえの言葉なのか
寄せられた顔、引くことすらもできない。

「くっ…からかうな…っ!?」

少女の声か…いや、別人か?それすらもわからなくなるほどのギャップ。
見下ろす少女の瞳は怪しげな輝き
そして、向けられた唇は…

「すげーっていうか……え、う…」

言葉に詰まる。この状況…遊ばれているのか?
顔が近い、体が近い、囁かれた声、そして唇。
小さな体、その衣装。
どう考えてもからかわれているのだが…

少し上げられた唇、自らの唇で塞いでみる。
自分からしてはいるものの、ほとんどさせられたようなものだ。
玩具じゃあるまいし…困惑してしまう。

ラファル > 「――ふふ。」

 戸惑い、言葉を放つ少年に見せるのは、ふわりとした笑みで、言葉を放つことはない。
 彼の思考、彼の言葉に全てを委ねるように。
 ただだた、潤んだ瞳で見上げ、見つめ続けている。

「ん……」

 触れる唇、少女の腕は彼の首に巻きついていく。
 ちゅぅ、ちゅ、ちゅぷ、と唇を少年に押し付けて、啄むように擦り付けていく。
 甘く鼻を鳴らし、柔らかな唇を押し付け、自分の体を押し付けていく。
 母や、姉と比較すると、女としての膨らみは足りないのは承知なのだけれども。
 それでも、少女は自分の体を押し付ける。

「ん、んむ……。」

 ちろ、と舌を差し出して彼の唇を舐める。そして、そのまま体重をかけて押し倒していこう。
 彼を押し倒してねっとりと深く求めるような口づけ、自分から、体を擦りつける。
 ちゅ、ちゅ、ちゅ、ちゅ、と何度も唇を触れ合わせてから、唇を離す。

「ぷは……っ。
 からかって……ないよ?」

 ほんのりと目元を赤らめながら、少女は笑う。
 彼の上ちろり、と舌なめずりして。

「肌がいっぱい見えるほうが、興奮する、でしょ……?

 ボクと、したい?」

 そっと手を伸ばし、少年の股間へ。
 外見に似合わず手馴れた様子で、彼のその場所を撫で回し、首を傾ぐ。

ブレイド > 「ん、ぅ…んっ…!?」

自分から唇を重ねたというのに、戸惑いは隠せない。
甘やかな口づけ、なぜこうなってるのか…それもわからないままに
小さな少女の身体を感じながら、唇を重ねて。

「は、んわっ…!?んっ…あ」

唇に感じる小さな舌の感触。柔らかくも熱さを感じる。
そのまま押されてしまえば体勢を崩し、ラファルのいいように押し倒されてしまうだろう。
のしかかった彼女の小さな体。重なり合う唇…すでに自分の一部は硬く張り詰めていて。

「なんで、いや…
くそ…興奮しちまったよ!」

したいかどうか、そんなのは撫でられた股間の熱さでわかるだろう。
そもそも、小さな体を好む少年にとってはあまりにも刺激的すぎる接触で。

ラファル > 「やっぱり、可愛い。」

 戸惑うばかりの少年に、少女はもう一度、ほほに手を当てて唇を重ねていく。
 ちゅぅ、と強く吸い上げてから唇を話そう。
 お互いの唾液でてらてらと、濡れ光る彼の唇はとても淫靡で、もっと貪りたくなってくる。
 だから、ちゅぅ、と何度も唇を重ねていくのだ。
 地面に倒れる彼の上にのしかかり、ベルトを外せばぷるん、と小さな胸が揺れる。
 姉たちのように豊満ではないのが悲しいのだけど、きっと未来は、と希望を胸に。
 張り詰めている彼のその場所の上に、腰を下ろしてすりすりと、股座を擦り付ける。

「いいじゃない、異性に欲情するのって、子供残す本能だし。
 ボク、魅力的ってことだもんね?

 は……ふ。」

 熱くなっている彼のその場所、自分のホットパンツを下ろし、Tバックの小さな下着、それすらも下ろして。
 彼のズボンの上から擦りつけていこう、すぐに、くちゅ、くちゅ、と蜜の音がし始め、彼のズボンに染み込んでいく。

ブレイド > 「んっ…はぁ……
んなこと…んぅっ…」

否定しようとしても、重なる唇がそれを許さない。
甘く吸われ、何度も重ねていくうちに脱力してしまう。
しかし、胸を隠すベルトが外れ、小さな胸を揺らせば
彼女が腰を落としている…その下のものはビクリと跳ねてしまう。
自分でも度し難いとは思うが、欲情してしまっているのは言い訳もできない事実。

「う、そうだけど…こんな、いきな…り…」

言葉が続けられなくなったのは彼女がおろしたホットパンツ
その下の下着があまりにも扇情的だったから。
まるで、誘うようなそれすら脱ぎ捨てた彼女の蜜がズボンを湿らせていく。
ラファルが腰を動かすたびに熱くたぎるように脈打って苦しそう。

ラファル > 「そんなこと……?ないなんて、言わないよね?」

 だって、こんなに成っているんだもの、少女は楽しげに笑う。
 脱力した相手の体を優しく抱きしめて、もう一度、と唇を奪う。
 彼の胸板に乳房を押し付けて、跳ねるその肉棒を誘うように。
 欲情を誘うかのように、顔に唇をこすりつけ上から己の肉をこすりつけてみせる。

「いきなり、も何もないよ?
 ボクはしたいと思った、君もしたいと思った。
 理由が欲しいなら、それで十分じゃない?

 素直に、シタイって言うなら、するけど、いやならもうやめるよ?」

 彼の上にのしかかり、少女は問いかける。
 肌は薄く桜色に染まり、興奮しているのが見えるだろう、ちろりと舌なめずりして、見下ろす。
 ここで、するか、ここで辞めるか。

 その答えを知るのは、おそらく二人だけなのだろう。

ブレイド > 「くぅ……」

いいようにされている。
いや、はじめから彼女のペースなのだから仕方ないが
それにしたって翻弄されすぎだ。
柔らかな身体、唇、誘われている。いや、もはや捉えられている。

「…ずりぃな…くそ……
そんな、ここまでされちまったら…」

のしかかる裸の少女。自分はすでに興奮し彼女から目を離せない。
ならば答えは決まっている。
先程まで重ねていた少年の唇は彼女の望む答えを紡ぐだろう。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からラファルさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にディールさんが現れました。
ディール > 「ここかな?いやぁ探しましたよ。」

九頭龍山脈。山賊街道から少し外れた山の中に自分の捜し求めていたモノが広がっていた。
豊かな水。命の鍵となる清らかな水。
土に浸み込み、生物を潤わせ、植物に活力を与えるすべての基本となる水だ。
此処以外にも幾つも水源地はある、一つずつ探り当てていけば良いだろう。まずは幸先良く一つの水源地にめぐり合えた幸運には感謝しよう。
そしてこの場所を吐かせる為に尊い犠牲となった山賊には花の一つでも手向けてやろう。毒の花だが。

「さて、外交情勢も不安定。魔族の不安も脅威も増している。ミレー族もいい具合に暴走を始めた。ならもう少し、争いの火種は幅広く撒いて置かないと、ね。」

自分の往診鞄。そこから取り出されてくるのは牛乳瓶1本。
本来は新鮮な牛乳で満たされていただろうそれは、今は毒々しい小豆色の粘液を蓄えている。
牛乳瓶の蓋を開くと、なんとも甘く、そして果実が腐り落ちた時の様な腐敗臭が辺りを満たしていく。

ディール > 持っている物は毒と言うよりも、魔族の魔力を溶かし込んだ特製の汚泥。土に呪を。飲んだ生命体には苦痛を与え得る毒効を。
土から立ち上る瘴気は心穏やかな野生の獣を暴力的な衝動に突き動かさせ、作物には毒を濃縮したものを結実させる魔の薬。

「人の心何ていう物はバランスがすぐに崩れる物。疑惑を持っている相手がいるなら、自分達では究明できないことがあればそのせいにしていく。願わくばこの一滴が火種を大きくしてくれたらありがたい。」

種族は関係ない。混乱と戦乱を引き起こし、幾つもの命が散る事を望むだけの事。自分がヤリタイ事をヤルだけなのだから罪悪感も無い。
牛乳瓶の中身がゆっくりと水源に落ちていく。僅かに黒く濁る水は、そのすぐ後無色透明の清らかな水に外見だけは戻るだろう。
そう、外見だけは。

ディール > 「っていっても、まだまだ。私程度の力で開発出来る物なんて直ぐ解毒されてしまうんですがねぇ。」

言っている事は大仰なものだが、実際には簡単に解毒が出来てしまう。
ここは魔族として自分の力量が不足している為、なのだが。
騒ぎになれば直ぐにでも究明の為の部隊や、治療の為の人間が訪れるだろう。若しかすれば都合良く高位の治療魔法や神々の奇跡とされた神聖なる力にてすぐに異変は解決されるかもしれない。
そこから、魔力や魔法の知識が新たに得られるかもしれない。
もし解決が遅れれば、タノシイコトが起こるかもしれない。
中身の無くなった牛乳瓶を水源に投げ入れる。これ見よがしに、恐らくこの透明度なら少し目の良い存在なら牛乳瓶が沈んでいる事は判る筈。

「ハハッ。平和なんてツマラナイ。混乱があってこそ、戦乱があってこそ。命はより輝く。そして何より、力を求める存在も増える。憎しみこそが本来の生き物の根源だろう?」

ディール > この水がどこに注がれるのかは判らない。詳しく調べていないのだから。
無数にあるとも噂される水源地の一つなのだから、案外この毒は何事も引き起こさないかもしれない。
もっとも、この水を吸い込んだ土に植物。そして――先ほどから頭上を飛び交う小鳥といった野生動物が。或いは魔獣が一つの波乱を引き起こしてくれるかもしれない。
計画というには余りにも杜撰だが、かえって杜撰過ぎる方が上手く行く場合もある。この場合は自分に手が届くまでの時間稼ぎか、それとも自分だと断定されないための下手な工作なのか。

近くの大樹に背中を預け、水源の水がゆっくりと変質していく様子を本でも読むかのように眺めていよう。
動物が暴れるにしても、こちらに向ってくるなら叩き潰してしまえばいい。

ディール > 麓の方で僅かな騒ぎ声がする。どうやら一つ、当たりを引けたらしい。
後は勝手に騒ぎが広まっていけば良い。騒ぎは疑心を、疑心は不和を。不和は乱れを齎していくのだから。

「さて、次の場所に向かいましょうか。……あぁ、それにしても高速移動や瞬間移動の出来る魔法が欲しい。」

近頃の口癖となった文句を言いながらその場を後にしていく。
後に残ったのはどこにでもあるような靴の足跡と、王都以外でも流通している牛乳瓶くらいのものだった。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からディールさんが去りました。