2017/12/19 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中秘湯」にディールさんが現れました。
ディール > 往診の帰り道に立ち寄ったこの秘湯。
やはりというか人の姿は殆ど見る事が無い、隠れた名湯。湯の色は清廉に澄み渡りながら、地中から湧き出た源泉が川辺を伝い。
魔力を含む土壌や、自然の薬草の根がその川辺に根ざしていることもアリ、様々な薬効がその時々で変わる事からも変り種の秘湯としての方が有名かも知れない。

先人が整備していた事もあり、一応ながら脱衣所の様な場所は数箇所に拵えられ、板張りの脱衣所は香木から削り取ったと説明されても納得されるほど芳醇な森の香りに満ちている。

そこから岩肌がむき出しになる――と言うよりも、だ。
岩を乱雑に積み上げ、その隙間を焼いた土で固め隙間を埋めた露天風呂はCの字型に作られ――その中心部に一つ、巨大な溶岩を固めた石が鎮座している格好。
入り口の方からは決して見えぬだろうその岩の陰に己は足を伸ばし――背伸びを一つ。そして肩までしっかりと湯船に浸かるようにして一時の休息を楽しんでいるかのようだった。

ディール > 立ち上る湯気を吸い込む。湯煙には気化された薬効成分も含まれ、鼻腔粘膜に微小に付いている傷みを速やかに解消するよう己の体に働きかけているのか。
内側からは体内の新陳代謝が捗ることによる熱と、外からの少し熱めの湯の熱にて疲労が――それと魔力を利用したことによる空虚感が補われていく。掌に湯を掬い、パシャリ、と己の肩へ。そのまま今度は顎が浸るまで更に深く腰を落とすと――溢れる湯が僅かに岩肌に落ち、遠くで聞こえる獣や鳥の目覚めの声に一つの彩をも添えていた。

ディール > そのまま――湯で疲れを取り王都まで無事に戻れたのはもう少し後の話――
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中秘湯」からディールさんが去りました。