2017/08/18 のログ
イーリス > 陸に上がると陸酔いをする、という部下たちは、夜のハイブラゼールで今頃どんちゃん騒ぎ、
楽しく陸でのひとときを過ごしているだろうから、伴も連れずにのんびりと温泉宿まで足を延ばした。

目的の宿は鬱蒼と茂る林の中にあって、古ぼけた異国の雰囲気を醸し出す茅葺屋根が印象的な宿だった。

宿の主は、長い年月を刻んできたと解る皺を深め、
相変わらず見えているか見えていないか解らないほどに目を細めて、
昔馴染みの客である己を、穏やかな笑みを浮かべて迎えてくれた。

今日も客はいないから、ご自由にどうぞ、という。
勿論、それが解ってここへと足を延ばしているわけで、遠慮なく、それ相応の対価を…いや、それ以上の金額を…残して、
露天風呂へと足を運んだ。

「しかし…いい加減、イーリスちゃん、はないだろうに」

薄雲はあったが、月明かりが十分ある露天風呂に浸かって、
先ほどまでの宿の主たる老婆との会話を思い出して小さく笑う。
幼いころから足を運んでいたから、そう呼ぶのは慣れていたが、今となってはそう呼ぶのは彼女ぐらいのもの。

「しかも…こんな程度は掠り傷にもならん」

左手を見れば掌に傷を負っていたが、それを甚く心配してくれた。
すでに治りかけてはいたが、わざわざここまで来た理由がその治療であり、
少しばかり滲みるのか、眉を顰めつつもゆっくりと肩先までお湯に浸かっている。
それに、誰もいない、ということだから、男であろうという意識もないし、やや気を抜いているかのように、のんびりくつろいでいた。
しかしながら、岩造りの露天風呂の縁には、護身用のダガーと魔導機械の短銃を用意しているのだから抜かりはないが。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道 鄙びた温泉宿」にグスタフさんが現れました。
グスタフ > 伝令から受け取った伝言はこうだ。
”お尋ね者の海賊の連絡有捕獲されたし”
それを受け取ってグスタフは顔をしかめた。
海賊を締め上げてその財宝をいただくのが国の算段なのだろうが。
今時海賊の捕縛なんて流行らないだろうに。

こちらは今単独にて、と追い返そうとしたが、その後の情報に眉を動かす。
女海賊単独にて行動中。付近に動員できる仲間おらず。
単独にて捕縛を願う。命を奪わなければ、そのほか不問に処す。
その命に。男は頷いて伝令に帰した。承ると。

その後は簡単だ。調べた宿の女将には、すでに手が回っている。
相手が湯治中で丸裸なのも、脱衣所の衣服を回収して確認した。
(……ち、武器が抜かれてやがる。)

まあ、女相手だ問題ないかと、女の服だけ隠し。男も服を脱いだ。
露天風呂に鼻歌まじりで入っていく。呑気な酔っ払い客を装って。

イーリス > 源泉から引いたお湯が、ちろちろと竹筒を伝って流れ落ちている。
さすがに怪我に利く、というから、効能はあるが、時期もあって、他の客の姿はないし、
幸いにして、サルだのシカだのといった動物の類も、今夜は人間に湯を占領させてくれるらしかった。

緩く空を見上げ、後頭部を岩の縁へと預けて、息を吐く。
最初は滲みた傷口も、今はお湯に慣れたのか、痛みはなくなっていた。
腱をやったわけではなかったから、傷さえふさがればどうと言う事はないが、それでも不自由はあったから、
ゆっくりと、手を開き、そして閉じ、と繰り返しても痛みがなくなっていたから、回復は近いだろう。

湯の中を見下ろし、掌の具合を確認していたが、不意に、背後に気配を感じ、はっとしたように視線を投げた。
無意識に利き手がダガーへと伸びるのは、一種の習性のようなもの。
豪奢な宝石がちりばめられていたそれを、温泉の湯に浸けることは厭わず、湯に隠すように持つ。

入って来た男は、呑気に鼻歌など奏でており、一見してただの酔っ払いだと思えた。

とはいえ、根が慎重なのか、それとも長きに渡る海賊生活がそうさせたのか、ダガーを引き寄せたまま、
やや鋭く険のある冷たい眼差しが男の言動を追う。

ちゃぷん、と僅かに音を響かせ、お湯が波打つのは、痛む左手を湯船に突き、寛いでいた体勢をやや整え、
咄嗟にでも動けるように、腰を上げたからだったが、
それでも警戒していることを悟られまいと肩先まで湯に浸かったままである。

グスタフ > ざばりとかけ湯をして、鼻歌交じりに早速湯に浸かる。
人がいない体で湯を進めば、さすがに人影に気付く。
それも鈍感に気付かぬふりして近付き、手が届くほど傍まで来てから声を上げた。

「おっと、なんだ先客がいたのか。声かけてくれりゃいいのに」

わはは、と笑いながら陽気に声をかける。無遠慮に更に近付く。
そこで初めて気付いたとでもいうように。相手の顔とそのシルエットを眺めて。
鼻の下を伸ばして、下心を隠しもせずに。実際股間がぴくりと反応した。

「おや、べっぴんさんだな。なんだ一人で来てるのか。寂しいな。
 どうだいお近づきのしるしに。一杯やるかい?」

目の前に腰を降ろして。こんなところまでもってきていた、酒を勧める。

イーリス > 鋭い眼差しはそのまま、男へと注がれる。
男の裸体を見たところで、気恥ずかしい様子などを見せないのが、年頃の娘と違うところであったし、
それは己が「ただの」娘ではないことを知らしめていることに気付いていなかった。

「………男性が入って来たのに、声をかけるわけには…」

それでも、一応、「ただの娘です」と言わんばかりに、もっともらしいことを付け加えて見せた。
男は、陽気に笑ってはいるが、その裸体に見えた傷痕が、「ただの」酔った客でないことを示していたが、
「ただの」湯治客かもしれないから、ダガーを握ったまま、じっと男の動向を伺うだけ。

「褒めて頂いたのなら感謝はするが…しますが。ここは、一人の方が寛げる」

事実、一人でのんびり湯に浸かって傷を癒していたのだから、言葉に嘘はなかったが、
どうにも一人張り詰めた緊張と、一応「ただの娘」を演じなければならないことも手伝って、少々言葉がたどたどしい。

「酒は、ええと、………まぁ」

飲めなくはない。飲めなくはないが、「ただの娘」が勧められて早々飲むか、という疑問がわいたのか、
何とも歯切れ悪く答えてから、君はどうぞ、と付け加える。

グスタフ > 「黙っているのも肝が据わっているな。いやいや。
 そう緊張せずに一献。遠慮せずに、ほれ」

ぐいっと盃に注いだ酒を手渡して。無理やり預けた。
にやにやと楽しそうに、女の身体を眺めながら色々と話しかける。

「こんなところに来てるってことは湯治か。どっから来たんだ。
 いや、待てよ。当てて見せよう。その肌の焼き具合……ダイラスからかな。どうだ?」

男は自分用に注いだ酒を飲む。怪しい酒じゃないと担保してみせて。
その実、麻薬に近い酒である。慣れていないものが飲めばすぐに酩酊するほどの。
服薬暗殺者の教育を受けたグスタフであってもそれなりに酔うほどの。

「女性に年齢を聞くのはやぼだが、こいつも当てて見せようか。
 年のころ……20前ってとこか。んで、名前はイーリスあってるかい?」

女が飲む呑まず関係なく、その手が動く機先を制して手を取り抑えにいく。
酒を飲んでいたら事は簡単だろうが――。

イーリス > 勧められるまま、半ば強引に杯を受け取ってから、肝が云々、との言葉に聊か言葉を失う。
そもそも「ただの娘」が肝が据わっているわけもないし、己の対応が失敗だったことは火を見るより明らか。
結局、上手く切り返すこともできず、ただ杯を満たす酒に、薄雲のなか反射する月を眺め。

「あぁ…少し傷を…怪我を、してしまって。…ええ、ダイラスから」

その傷がただの傷でもないから、何とも歯切れの悪い、口籠る言い方で呟き落とす。
相手が酒を呷るのを見る眼差しは用心深く、やや目を細めるようにしている。
当然、どういう酒か、を確認していたわけだが、多少の信用は置いたのか、杯を呷ろうと引き寄せた時。

続いた言葉に、咄嗟に杯を投げ、近くの石に砕けて割れる音がするのとほぼ同時、
ダガーを掴んだ手は、それを逆手に持ち直し、斬り上げようと動く。
が、湯の中だった、ということが僅かに反応を送らせ、その手を掴まれると、

「…っ。………そうだ、と言ったらどうする?
私を自警団か軍にでも突き出すつもりか?
ふふ…こうした状況でないと捕縛できんとは、王国の狗も落ちたものだ」

捕まれた手を振りほどこうともがくたび、お湯が弾む。
お湯が邪魔して上手く動けないものの、鋭い眼差しとその口調だけは、相変わらず凛としたもので、
男に対するやや威圧的で険のある声色が響く。

グスタフ > 「いや、確認が取れてよかった。間違えて犯しちまったら……お叱り喰らうからな。
 ……お前を捕まえたがってるのは、王都だけじゃあないんだぜ」

手を押さえて、この状況では湯に沈めるように体重を掛けた。
男の手管はシンプルだ。体勢を崩して上から体重を掛ける。
シンプルなだけに体格差という利点を覆すのは難しい。
そして、お互い刃に意識が云ってるから下半身は甘い。
踏ん張ろうとして開いたか、その股座の合間に腰を入れると、そのまま股間に股間を押し付けて、擦り付ける。

「怪我をしてるんだろう、無理はよくないなぁ?」

左手を捻りあげ少しでも手の力が解ければ、ナイフを持つ手も捻りあげる。
かなわなければ股座を擦ってそのまま挿入を果たそうとする。
抑え付けての動きは緩慢に水面を打つが、汗をかくほど力を込めていくつもの駆け引きを転じていく。

イーリス > ぎり、と奥歯を噛みしめ、捕まれている所為で、もがけばもがくほど、身体が軋むように痛む。

「くっ、ぅ…」

多少の荒事には慣れていたし、男相手にしても、ある程度は凌げる自信はあったが、
何しろ動きづらい湯の中であるし、僅かばかり負傷していることもあり、
体重を掛けられてしまうと、背の石造りの湯船の岩へと押し付けられ。

「誰が捕まえたがっているかは知らんがっ…この…っ」

治りかけていた傷口が開いたのか、ぴりと引き攣るような痛みが走って眉を顰めたが、
それ以上に、更に眉間の皺を深くさせたのは、秘所へと押し付けられた相手のモノである。
苦々しく、唸るように声を上げては、身を捩り、手を、そして男の股間を振りほどこうと試みる。

「っ…」

痛みが走ったところで、声を発することだけは耐えたが、すでに負傷していた手は使い物にならなかったし、
逆手で持ったダガーも、捻り上げられた所為で使い物にならなかった。

波立つお湯が、二人が動く分、忙しなく音を立てるが、
もがいていたが故に、無理やりにでも挿入を果たそうというその動きは、ほんの僅か妨げることはできた。

それでも、徐々に腕は痺れ、息が弾む。
ダガーを握っていた手からそれが零れ落ちると同時に、強引に挿入してくる異物に思わず悲鳴を上げて。

木々がざわめく林の中に佇む宿に木霊する声の主がどうなったのか、その後は二人しか知り得ず………。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道 鄙びた温泉宿」からイーリスさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道 鄙びた温泉宿」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にクライブさんが現れました。
クライブ > 薄暗い夜の山中を逃げる男を追いかける
逃げる男の仲間は既に始末し残りはあと一人、それを逃がすまいとすっかり庭と化した駆けにくい夜の山を駆ける

地の利の有利さから離れていた距離は詰まり、やがて手の届くところまで近づいた男目掛け容赦ないメイスを振り下ろす

硬いモノを砕く感触と共に倒れ動かなくなった男を見下ろし息を吐き

「これで全部片付いたか…?ったく、ゴロゴロ沸きやがって。どこで聞きつけた」

山の奥にある場所に帰る最中に見つけた怪しい一段
近づき話を伺えば奴隷商と解り護衛込みで始末をつけた…ハズ
しかしもし残りがいれば面倒になると賭けた道を戻り残りがいないかと捜し歩き

クライブ > 歩き戻り血の匂いや気配に気を配り、最初に見つけた人数と死体の数を数えて歩く
一つ二つと確認をして歩き、念のためと往復しては数に変わりはないかと数えて

「どうやら逃げてるのはいねぇな。あいつに面倒事を持ち込まなくてよかったもんだ…」

きっと里の運営で大変なのはわかっているだけに馬鹿どもが近づく前に処理できたと安堵の息を吐き
死体をどうするかと考えるが…野生の獣が食らうだろうとそのまま放置と決める

「さてと、そんじゃ戻るか。今回は合間が開いちまったしな。忘れられてねぇといいんだが…」

たった今始末した者たちよりも大事に思っている家族たちの事を考え
軽い足取りで山の奥へと入っていき……

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からクライブさんが去りました。