2017/08/08 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 「ふむ…」
九頭龍山脈、山中深くの少し開けた空間。
少女の姿はそこにあった。
その左手には一振りの刀が握られていたが、右手にあった鞘にゆっくりと収められる。
いつもの事だ、大した事をしていた訳ではない。
そう、大した事ではない…刀の鍛錬をしていただけなのだ。
どんな事であれそうだが、鍛錬を積む事が大事なのだと、との誰かさんの言葉である。
…まぁ、その誰かさんは、どこかでこちらを見ているのだが。
今日は、久々に鍛錬を付けてやると、連れられたのだ。
うん、正直辛かった、ほぼ一日をこんな事に費やされたのだから。
『今日はここまでで良いだろう。先に戻っている』
「………は?いや、妾も送っていって欲し…」
『戻るまでが修行だ…ではな』
そんなやり取りの後、その誰かさんの気配が消えた。
あれか、つまり転移では戻ってくるな、と…酷い話である。
空を見上げてみる、言うまでもなく曇っている。
いや、どころか雨が降っている、風も結構強い。
「風邪をひいたら移してやるのじゃ…」
この程度で本当に風邪を引く程のか弱さではないが、ぽつりと呟いた。
■タマモ > はふん、と溜息。
雨の中相手をしていたのだ、すっかりと全身びしょ濡れである。
手にしていた刀、それを、ぽんっ、と消す。
代わりに、唐傘を出そうとするのだが…もう今更な気がしたので、止めた。
「ともあれ…仕方ない、歩いて行くしかないのぅ」
ぐーっと伸びをしてから、軽く見渡し…首を傾げる。
もう一度見渡す、そして、再び首を傾げた。
「………大丈夫、大丈夫じゃ、道はどこかに通じておるじゃろう」
自分の言葉に、うむ、と一つ頷く。
そして、視線を来たらしき方へと向けるのだが…道?道?それらしきものは、なかった。
考えてみれば、来る時は連れられてきたのだった。
「お、お、おお…おのれええぇっ、馬鹿鴉がああああああぁっ!」
少女の怒声が山中に響き渡った。
■タマモ > 「むむむ…こうなれば、意地でも歩いて戻ってやろうではないか。
妾がそう簡単に、道に迷うと思うでないぞ…!」
ぐぐぐっ、と握り拳を振り上げ、心に誓った。
そうと決まれば、行動は早い。
道が無いならば、気にせずに進めば良い。
進めそうな木々の間を、ずかずかと歩き始めた。
雨でびしょ濡れだわ、結構な距離を歩いて帰れとか、散々である。
こう、突き進む少女の姿は、ある意味近づき難い雰囲気があるかもしれない。
■タマモ > こうして、少女は木々茂る山中を歩き始める事となった。
果たして、この先に少女を待ち受けるものは何なのか…
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からタマモさんが去りました。