2017/07/26 のログ
■ルヴィエラ > 付き合いも在るし、あの館では物資供給も必要だからね。
ただ港に来る船を待つよりも、陸路で運搬して貰う方法も在ったりする
そうなると、取引先は自ずと近辺に絞られて来るだろう?
(――要するに、この辺りの村や領地が取引相手に為りえると言う事だ。
自由、と言う意味では、己ほど自由に生きている者も居ないとは自負するが
其れはきっと、個々によって感じ方も異なるのだろう
何せ、淫魔が娼館経営なんて、得以外の何物でもないのだから。)
――そう、なら、今は特に手荷物も無いという事かな。
……ならば私と同じだ、私も今は特段荷物も無くてね?
嗚呼! そうそう、もう一つ…、……ちなみに其れは、どんな色形のリュックかな?
(――わざわざ、言うまでもない事を、少し大きめのトーンで響かせる
それから、もう少しだけ彼女へと質問を投げ掛けたなら、マントを回収した頃に
其の体躯を、そっと背後より腕の中へと抱き締める様にして軽く捕え――
ひょい、と、抱え上げようとする、か
瞬間、其の足元を何か、ロープの様な物が掠めて行くだろう
或いは足先へと多少触れるやも知れない其の感触は――逃げる奴隷や獣を捕獲する
ボーラと言うシロモノ、か)。
■ピア > 「な…ナルホド…。わたしにはちょっと難しいです…。
何せつい最近まで引きこもって生活してたものですからー…。」
王都周辺の地理さえ頭に入っていないのだ。
そもそも社会というものをいまいち理解していない節がある。
ともかく、あの娼館で優雅に座っていれば経営者として成り立つというわけではないらしい。
―――お貴族様の中にはそんな種類の人間がいたので、偉い人は皆そんなものかと思っていた少女は、また感心した。
「え?…ん?まぁ荷物は重いですからねー。
えーと、少し黄みがかった大きめの…――――」
何となく、彼が言う『同じだ』という言い回しが不思議できょとんとしながら自分のリュックを思い返す。
特に特徴もないものだったから、説明するとなると逆に厄介だった。
そのため口ごもっていると、突如抱き上げられて目を丸くする。
濡れた足先を掠めていく見慣れない武器は空振りしたように、
少女の足の代わりに河原の小石へとぶつかって音を立てた。
「な、何でしょ?アレ。」
どこから飛んできたのだろう。
抱き上げられていることは二の次で、きょろきょろと見回した。
状況を理解出来ていない少女は本人動揺しているつもりでも見た目大変、暢気である。
■ルヴィエラ > ふふ、だから外に出て色々な物を見たかった…かな?
部屋の中に篭ってばかりいると、如何しても気が滅入ってしまう性質でね。
いや、引き篭もっていた事も在るには在るんだが…今は、割合活動的に動いている訳だ、キミの様にね。
(――永く生きていれば、まぁ、そんな時も在る。
偏った事をしていれば、大抵はいつか其の"反動"が押し寄せる物だ
箱入り娘のお嬢様方が、冒険のいろはも知らぬ内から家出をするのも似たような物
知らぬ世界に憧れるのが、感動、と言う物をを覚える命の定めなのだから
――さて、所で足元を通過した重りつきの縄は、乾いた音を立てる
其れが飛んできた方向へと目を向ければ、きっと、幾つかの人影が目に入るか
皆、何かしらの装備を携えながら、此方へと近づいて来る其の様子を見れば
少なくとも、在る程度の危機感や知識が在れば、それが山賊の…少なくとも悪意在る者だと知れる筈
抱え上げられながらも、まだ状況に戸惑っている様子の少女を、彼らの方へと向けてやれば
――ふと、其の影のうち、一人を指差して、少女へ示し。)
―――……ちなみに、あんな感じのリュックだったりは…しないかな?
(最後の問いかけに為るかも知れない、其の指の先には
彼女が先刻告げた様な、荷物袋を携えている男が一人居た
――己は知らないが、或いは若しかしたら、其の男こそが
御者として少女を運んでいた筈の男…かも、知れない)。
■ピア > 空振りした武器を投げてきた彼らがその姿を見せたところでようやく、少女も何か察する。
箱入り娘ではないが、愛玩人形として愛でられていたがゆえに世間知らずな少女だ。
彼らが山賊と呼ばれる存在かと、一瞬惚けてしまいそうになる。
「っえ?あっ、そうです、あれです―――…けど…?」
山賊かもしれない男たちの中に1人だけ知った顔。
知ったといっても馬車で移動する数時間、ほとんど背を見ていただけではあるけれど。
少なくとも今より軽やかな衣服を着ていたし、顔つきも今より穏やかに見えた筈だ。
――――が、状況目まぐるしく変わるせいできちんと把握していない少女は、
「山賊に捕まっちゃったんですか!?
ちょ、ちょっと待ってください。え、と、えーと、ですね…
お金はそのリュックの中にありますし、それでどうにか……。」
彼も被害者と勘違いすれば悲痛な声を上げた。
いつまでも抱き上げてもらっているわけにはいかず、下りようとしながら山賊相手に交渉試みる。
荷物を奪われるのはイタイが、どれもこれも失ってもまたいずれ得られるものしか入っていない。
ただどうにも世間知らずが災いして的外れになっていることが1番イタかった。
■ルヴィエラ > (腕の中から、下りようとし始める娘に気付けば、まぁまぁ、と落ち着く様に制しながら
改めて、彼女の荷物袋を携える男の顔を見れば――ふむ、少なくとも御者が客へと浮かべて良い表情ではないだろう
金品が荷物の中にある、と教えてしまう位には危機感が薄い娘の、其のおでこの辺りを
掌で、ぺしり、と――痛みは無い程度に、軽く抑えては。)
……ふむ、できれば穏便に…せめて其れを持っていく程度ならば、と思ったのだがね…。
……ピア、彼は掴まった訳ではなく、元から山賊の仲間だ。
街でお金に為りそうな客を拾い、人気の無い場所まで運んでから、金品を奪う…そんな手口を使う者達だ。
(語る言葉は、まるで社会勉強とでも言わんばかりに冷静で、穏やかなモノ
雰囲気で言うならば、余りにも異質な二人の組み合わせに、山賊達の方が一瞬面食らった様にも見え
けれど、其れでもまた距離を縮めてくれば、明確に其の視線は、己が抱える娘へと向いているのだろう)
――……嗚呼、確かに。 金品はなくとも、此れだけの美しい娘を捕えることが出来れば、何処にでも良い値で売れるだろうからねぇ?
(そして、おそらくは相手方の考えていそうな狙いについて、台詞回しめいた声音で響かせれば
――少女の身体を、更にひょいと抱え上げては、姫抱きにして)
――さて、ピア。 ……君は冒険がしたい、と言っていたね?
(ふと、彼女に対して何やらそんな言葉を掛けるのだ
なんだか、妙に愉快そうな微笑を浮かべながら、ふと、あらぬ方へと視線を向けたなら
つられた山賊たちが、其方へと一瞬、気を逸らした其の瞬間
――先刻の道、彼女が乗って来ていた馬車の方へ、まるで風に乗るが如くの速さで駆け出そう
山賊達を、嘲笑うかの様に)。
■ピア > 「ふぐっ…」
かるーくお仕置き喰らった。
とんでもなく悪趣味な貴族を見た経験はあるが、深く言葉を交わす仲に
なった人に限って言えば善人ばかりだったので少女は本当にこういう状況には疎い。
「えっ、えぇッ!?酷すぎません!?
わたし言ったじゃないですかー!お金全然ないんですって!」
馬車を捕まえる際に確かにそう言って、それでも連れてってくれると言ってくれた彼だ。
それを裏切られてショックだが、彼らの狙いが自分に向いていることを知ればそんなこともそっちのけ。
顔面蒼白になった。まだ金品盗られた方がマシである。人が人を売り買いするとは恐ろしい世界。
しかしこちらは非力な自分と、やはり中性的な容姿が腕力とは無縁に見えさせる男性の2人組。
ここは相手だけでも逃げてもらった方が良いのでは、と逡巡しているうちに視界が揺れた。
「えッ?いや、はい!?」
相手を逃げさせなければ。荷物はもう諦めよう。出来れば自分も逃げたいけれど、後だ。なぜか抱っこされている。
という様々な理解しきれない状況に、返答はほぼ出来ていない。
山賊が反応出来なかったのと同様、少女も彼の素早さにはついていけず、ただ身を任せるだけだった。
男たちが濁声で何か叫んだけれど、何と言ったのか分からなかった。
ただ少女は、 これが冒険――― と思えば頭がクラクラするような、まだ自分には早かったと悟るような。
そんな複雑な思考の中、彼にまたもう1つ返しきれない恩が出来たことだけ理解した。
まだ旅の途中なのに前途多難。どうなることやら、である。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からピアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からルヴィエラさんが去りました。