2017/06/18 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にルアルさんが現れました。
ルアル > ここは九頭龍山脈にある洞窟の一つで珍しい鉱石が採取出来るとの噂がある場所。
その噂の鉱石が何であるかの確認と入手が目的でやってきていた。
重い金属音を鳴らしながら洞窟内を進むのはほぼ全身を金属の鎧で覆った小柄な人物だ。
焦らずゆっくりと進み常に周への警戒を怠らない。
一定距離を進んでは周囲に罠が無いかを注意していく。

(珍しいと言うのが一体どれ程の物なのか…噂はそれなりに信じて大きな期待は持たないのが丁度良い)

ルアル > 進んでいる道の先、枝分かれした道の片方に何かの気配を感じた。
その手に身長並の大きさを持つ戦斧を携えて一歩一歩をより慎重に進む。
こんな場所で感じる気配に碌なものはない。
既に此処まで進むのに数匹の魔物を相手していた、その気配もその手のものだろうと予測する。

(魔物か人か……さてどちらなのか?)

確りと戦斧を握り締めて気配の直ぐ近くにまで近寄った。
隠密行動は装備から考えて間違いなく不可能、どうしても金属音が鳴ってしまう。
此方の音に気付いた相手の反応次第で手を止めるか出すかを決める手筈だ。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にウィルバーさんが現れました。
ウィルバー > 結論から言うと、音の主は一人の人であった。
城からの依頼で、新たな魔道兵器の材料に使えそうな鉱石のありそうな場所を探して来いとのお達しであった。
危ないことは苦手なんですが、と言うと「危険手当出すから。」とのお返事が。

「無茶苦茶言うよなあ。 何考えてんだか。」
右も左も石だらけの空間で、スーツを砂まみれにした僕は頭を掻いていた。
ちなみに、採掘に使えそうなピックだのは一切持っていない。
今日は場所だけを探してくることが目的だったから。

「…なんだ? 誰かがこっちに近づいてくる…?」
道すがら、出会う魔物は全て排除した筈。
なのに、自分が先ほど通った方から金属製の何かをつけた人か何かの近づいてくる音が。
僕は交戦になる可能性を考え、両の手に魔力を集中させる。
屋外なら、空に逃げればそれで済むが、ここは石に囲われた狭い洞窟。
敵が現れた場合、基本的に逃げ場はない。

ルアル > 途中で先の気配が揺らぐ、それは此方の動きに反応したのだろうと予想は出来るものだ。
だが然し先の気配は待ち受けるように動きを止めていた。
微かに魔力も感じる事が出来る。

(魔法?そんなものを使う魔物なんて居なかった筈。……人?)

魔法を使う程の知性を持つ魔物が居るのなら、あんな疎らに魔物を置いておく訳が無い。
我が身を守る肉壁にして自分はのうのうと後ろから魔法を使う事だろう。
そうなれば可能性は単身でも行動する様な人だとの結論が出る。
そう予想はするも警戒は緩める訳にはいかない。
人だから安全なんてのは安易過ぎる考えなのだ。

何時でも戦斧を振るえる身構えはしつつも気配の相手を視界内に捉えられる位置にまで進み寄る。
相手からすれば、戦斧を携えた小さな金属鎧が見えてくるだろう。
勿論意識は確りと其方へと向けられている。

ウィルバー > どうやら、意を決して戦う時がやってきたようだ。
遠方から人の背丈ほどの斧と、それを持った全身鎧がこちらに迫ってきた。
顔がこちらからではよく見えず、相手がどんな人間で何を考えているかを察することは出来なかった。
魔力の類を感じないことから、魔物ではないと思われるが断定は出来ない。

僕は一度唾を飲み込んでから、まずは先手必勝と、僕は両手を突出し、突風を発生させた。
狭い洞窟内を駆け抜ける風。
回避は難しいだろうし、まともに食らえば鎧ごと身体を吹き飛ばす程度の勢いはある。

無論、致命傷になるような威力はないし、初めからそんなものは望んでいない。
要は交戦を回避できればよいのだ。

ルアル > 近付く相手には確かな魔力を感じる。
ただそれは感じるというだけで何を使うかまでの詳細を知る術は無い。
神経を研ぎ澄ませ集中していた前方から洞窟内ではありえない風の唸りが聞き取れた。

(風の魔法!?)

それは分かっても効果までは理解出来ず。
手にした戦斧を振り上げ先端を地面に強引に突き立て、重心を足元に集中し防ぎ切る構え。
突風ならば何とか耐え切り真空の刃ならばその殺傷力の殆どを重厚な鎧に阻まれるだろう。
尤も防ぎ切りはするが進む歩みは完全に留められた。
突進をするにも一呼吸必要だろうし相手が逃げようと思えば逃げれる状態だろう。

ウィルバー > 逃げたいのはやまやまだが、逃げるわけにはいかない。
こちらもガキの使いではないのだ。 
鎧と斧もった人が怖かったので逃げ帰りましたでは報告にならない。
こちらも宮廷魔術師としての職責があるのだ。

「君が誰かは知らないけど、ここには何しに来たんだい?
ここは見ての通り、城から送られてきた魔術師が先に調査を開始しているよ。」
襲われたらかなわんので、魔法は継続中。 つまり両手は塞がっていた。
風がゴウゴウと音を立てる中、鎧に対し声を張り上げた。

向こうは足を止めた。 このまま会話だけでやり過ごせる相手ならそれで結構だし、無理なら身体に教え込む必要があるだろう。
ただ、状況判断の速さと着けている装備品から相当な腕自慢だろうと僕は判断していた。
常識的な相手なら助かるが、あっちが戦闘狂や敵国の工作員の場合、ややこしいことになりそうだ。

ルアル > 唸る突風は収まらずに吹き荒れ続ける。
そうなれば此方も身動きは取れないままだ。
然しそれ以上の動きが相手には無いのは魔法の持続の所為だろうと予想はしていた。
詰まるところどちらもこれ以上は手が出せない状態である。

そうしている中で唸る風の音に紛れて人である声が聞こえた。
此処へと来た理由に対する質問に、一足先に調査の手が回っている事を伝えるものだった。

(既に先客が居るのなら無理に進むのも不毛でしょう)

珍しい鉱石は確かに気になるが先に調べられているならば如何し様も無い。
言葉は発しないものの風を抑える様にと手振りで示す。
次いで自分は撤収するのだと来た道を指し示した。
言葉を掛けようにも足止めの突風は強く発せ無いのだ。

ウィルバー > 手振りで何やら伝えんとしていることが分かったので、僕は魔法を止めた。
これで襲ってこられたら一巻の終わりだが、まあそれはないだろうと。

「冒険者の人かい? 良かったらこっちに来て手伝ってくれないか?
出来たらサンプルを持って帰りたいんだよね。
あと、先に攻撃したことは謝るよ。 
僕もちょっと、いやかなり怖かったからさあ。」
敵意がなさそうなので、僕は鎧の人が戻ろうとする前に矢継ぎ早で声をかけた。
今度は仕事の依頼である。

彼か彼女か分からないが、向こうも仕事で来ている以上手ぶらで返すのは忍びない。
それに一人で来るくらいなら鉱物関係の知識もあるのかも知れない。
それなら、今後依頼を出すのもありだ。

ルアル > 手振りで示した事に理解はして貰えたか突風は止んだ。
地面に突き刺さる戦斧を力任せに引き抜き携える。
撤収の意思表示は相手に示したのだ、それに反する事が無い様に来た道へと振り返った。
相手から掛かる声に足は留めるものの疑問が浮かぶ。

「既に調査の手は回っているのでしょう?
それなら私が手を出す理由はありませんし、その人達にも悪く思います。
そのサンプルも今調べている人達が手に入れる筈、その人達から貰えば良いのでは?
先に手を出した事に関しての行動を言えば少々配慮に欠けたところはありますが仕方ないでしょう。
魔法の使い手は接近を許したら終わる方が殆どですから」

聞こえるのは声質からいって少女であるものだろうと予想が出来るか。
相手の考えが分からないからか自分を引き止めた事に理解が出来なかった。
先に攻撃を仕掛けた事に関しての正直な感想もついでにと。
それを掛けた言葉が全て相手へと伝える。

ウィルバー > 鎧の中身は意外なことに、少女の声であった。
顔を見ていないので確信は取れないが、多分少女だろう。

「回ってないよ。 回ってたらなんで僕がお供も付けずに一人でここに居ると思うんだい?
魔物の相手もしながら一人でここまで来たんだよ。
だからサンプルの収集も何も終わっていないんだよ。
まあ、予算だけは残ってるから現地で冒険者や手伝ってくれそうな人を雇うのはありなんだけどさ。
依頼内容はサンプル回収の手伝いと僕がここを出るまでの護衛でどうかな?
ここに1000ゴルドあるから、それでどうだい?
君が言うように、接近を許したら終わりの可哀そうな魔術師を助けると思ってさ。」

今の僕にしてみたら棚から振ってきた牡丹餅だ。 
なので、これを逃してはなるものかと、両手を合わせ祈るような仕草でお願いした。

ルアル > 続けての相手の言葉に思案する、先ほどの言葉も合わせ思い出すようにしながら。

「つまり先程言っていた送られてきた魔術師と言うのはご自身の事で?
それにサンプルとやらを採取する方法も理解しないままに来るのはおかしな話ですね。
調べる内容が分かっているのですから前以って知識を持った方を連れて来るのは当然の事でしょう。
もう少し計画性を持って行動をすべきです」

呆れている様子は声の感じで分かるかもしれない。
そこまで言葉を続けて一旦止める。

「とはいえ、どうせ戻るだけだったのでそれくらいならば構わないでしょう」

実際に此処に何があるのかは気になるところ。
自身も何があるのかを調べられる上に報酬が入るならば悪くはない。
それにこんな間の抜けた人を一人行動させてもまた何か起こすだけだろう。
そこまでの事は言葉にせず思うだけに留めて受ける事にした。

ウィルバー > 「いやあ、そういう苦情は上に言って貰えるかな。
僕はしがない雇われ、上が言ってこいと言えば行くしかないんですよ。」
正論なので、言い返すことは出来ないが僕は僕で言い分がある。
なんだコイツ、と言わんばかりの様子の冒険者に一人でここに来ざるを得なかったいきさつを説明する。

「ホントかい? いやあ、良かった良かった。
これで城に対して結果を出せるよ。
ほんとは場所の確認だけでも良かったんだけど、サンプルもあった方が成果あがるからねえ。」
彼女? が承諾してくれたので、僕は喜びのあまりに大げさな位、鎧に包まれた小さな背中を叩いていた。
恐らく、こっちがあぶなかっしいので残ってくれたっぽいのも予想できたが、強力な味方が出来たのは嬉しい。
僕は両手で拳を作り、一人でガッツポーズを作っていた。

「早速だけど、城に報告出来る様な珍しい鉱石を持って帰ろうか。 半分は持って帰っていいよ。
まずはアレとかどう?」
具体的なことは彼女に任せることになるだろうが、とりあえずはと鉱石の露出している辺りを指差しながら訪ねてみた。
確か、あの辺は図鑑にも乗っていない珍しい石だった気がする。

ルアル > 常に雇われる立場の自分からすれば依頼を選べないという辛さは何となしに分かる。
それでも納得の出来ない部分は幾つかあるのだが、それを聞こうとは余り思えなかった。
手伝う事を承諾した後の馴れ馴れしさもあり、問題なのは彼の言う上の人だけではないだろうと考えさせられているのだ。
彼からしてみれば予想外の助っ人となっているのだから仕方は無いのだが。

「珍しい鉱石がという話でしたからね、とりあえずは調べてみましょう」

どうやら手に入れた鉱石は折半してくれる様で此方としてもそれはありがたい。
言葉短に返せば調べ始める事だろう。
此処にどんな珍しい鉱石が見付かるかはこれから分かる事。
図鑑で見比べるのとは違い此方は今までの経験に培った知識がある。
この地域での採取は珍しい物かは分からないが自分に知らない鉱石はほぼ無い筈だ。
採掘用の道具も揃っているのだから問題は何もない。
二人がどんな鉱石を掘り当て手に入れたかは後々に分かる事だろう。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からルアルさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からウィルバーさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にジンさんが現れました。
ジン > 九頭龍山脈の少々深くの場所、数匹の不死者が蠢いていた。
事故なのか、襲われたのか、この場所で命尽きた者に低級霊が憑依したのだろうか?
いや、ここでは他にも誰かが故意に憑依をさせたりもするらしいか。
ともあれ、理由ははっきりしてないが…不死者が居る事実は変わらない。
ここはそう誰か来るような場所ではないのだが…放置する訳にもいかないか。

木々の隙間を縫うように、ふわりと音も無くその前に降り立った。

「まぁ…仕方あるまい」

ぽつりと呟き、ゆらりゆらりとこちらに気付き近付いてくる不死者達へと視線を向けた。

ジン > 片手を前に差し出すようにして、印を描く。

「その乱れし理の流れ、正してやろう」

宙に描かれた印を、振り払うようにして消し去る。
すると、それが消えたと同時に不死者達が糸の切れた人形のように地面へとばたばたと倒れてしまう。
確認するように、視線をただの屍へと戻った者達へと向ける。
見回せば、憑依していた霊もただの霊となり辺りを漂っているだろう。

別に大した事ではない。
理から外れた事象を、元に戻しただけだ。
自慢する気もないが、こういった事においては主に引けは取らないと思っている。

ジン > 「屍は屍に、霊は霊に、それが正しき主等の姿だ」

地面に倒れた屍に再び視線を向け、軽く考える。
それなりに命を落とし日が経っているか、ところどころが腐っている。
これでは動物に始末させる事も出来ないか。
まぁ、これ以上は触れる訳にもいかない、後は自然に任せよう。

ジン > ここに降りたのも、不死者達を見付けたからだ。
それも失せた今、ここに留まっていても仕方がない。

「さて、では続きへと戻るとしようか」

まだまだ未熟である己を鍛える為の修行、その途中の事だった。
それが済んだならば、修行へと再び戻るのみだろう。
とん、と地面を蹴れば、その身は夜空へと舞い上がり、そのまま闇に解けるように消えていった。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からジンさんが去りました。