2017/06/16 のログ
■オルナ > 「え、……や。これから帰るとこなので、……平気」
ぐぅーっと身体が言葉に反するように反論をあげてしまえば、顔が赤くなりそうで。目を思わず背け、
申し訳ないので、……施しを受けられるような間柄でも……なんてことを考えてしまい。
口をついて出てくるのは、
「それじゃあ、……手持ちがないので。薬草で」
貸し借りを無くそうと建前で籠を置きながら。鍋を舐める火の回りに対面するように腰下ろしてしまい。
今食事なんて取っていたら下山が間に合わないかも……という一抹の不安も抱えるものの。
ふつふつと食欲をそそる匂いと鍋には抗えずにいる。
■エズラ > 「はっは!平気そうにゃ見えねぇな――」
すごすごと向かいに座る相手を眺めつつ、椀を手に。
以前から思っていたが、女にしては随分と上背がある。
そして、側に来てよく分かったのだが――他にも色々と男の目を引く場所があり。
「んんっ?ああ、薬草、薬草な、うん」
正気に戻り、ごろりと肉の塊がワイルドに浮いた少し濃いめの味付けのスープを注ぎ、スプーンと共に差し出す――
「ま、食いねぇ――マズくはないぜ、山暮らしは長い」
自信たっぷりに告げると、自分の椀にもスープを注ぐ。
■オルナ > 「ん、……ありがとう。山暮らし……?」
差し出されたスープを受け取り、掬ったのを息を吹きかけて冷ましながら。足を畳むように座れば
相手からは下着が見えそうな角度。鍋の炎にちらちらと揺れながら。嚥下する喉元は白く。
羽織っていた外套を脱いでおけば、強調されるような胸元が目に留まりそうでいて、
「美味しい……」
話の腰を折らないように、スープをやや早めに飲み下して下山を急ごうとするものの。
一杯目の底が見える頃にはすっかり闇の中。簡易テントの周囲に闇が忍び寄っている状況。
■エズラ > 「ガキの頃から戦に出てた――異種族混合部隊でね、こういう場所に通じた仲間も多くて、色々教わった」
ズズ、と自分の椀に直接口を付ける。
その味に満足して笑みをこぼし、相手の感想にもそうだろう、と頷いて。
ところでその視線は、勿論しっかりとその主張の激しい胸元を観察中。
「――もう一杯どうだ、今日はもう、動かねぇ方がいいと思うぜ」
辺りはいつの間にか暗闇に覆われて、夜のとばりがおりている。
夜の山が危険ということくらい、まさか知らないはずもないであろう。
「テントを使えよ、オレが火の番、してやる――」
と、勧めてはいるが――そこはかとなく男の口元には笑みが浮かび。
それが、明らかに助平心によるものであることを、隠そうともしていない。
■オルナ > 「納得、……。ん。」
視線に気づきながらも、暗闇の中を下山して迷うことや山賊の夜襲に襲われることと、
好意に甘えることを天秤にかけてしまって。打算的な思考回路。もう一杯と進められてしまえば、
天秤は目の前の相手に傾き、
「そう、……ん。私も代わる。それで良い、……?」
あくまで対等と言わんばかりに提案しながらも、口元の笑みに諦観気味な感情もあって、
せめて湯浴みでも出来れば……などと場違いな考えさえ浮かんでいる。
「時間が来たら、……起こしてくれると。ありがたいけど。……最初、私でも良い」
恐らく年上であろう相手に丁寧語を失念しているけれど。当人はそれに気づいてもいない。
殺されるよりはマシかも、ということはあるけれど。
■エズラ > 「よし、決まった――」
むふふ、と笑みを浮かべながら、再び椀の中にスープを注いで。
暫し、ぽつりぽつりと互いのことや依頼のことについて話したり話さなかったりしながら、夜は更けていく。
やがて、鍋は空になり――火は小さくなっていく――
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からエズラさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からオルナさんが去りました。