2017/05/16 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 先日の続きではない、ある日の出来事。
少女はいつもの気紛れで、この九頭龍山脈に訪れていた。
まぁ、賑やかなのは好きなのだが、こうした自然の中がやはり一番落ち着くのだ。
いつものように、手にした扇子をぱたぱたと扇ぐ。
そして、方角も決めずに適当に歩んでいた。
別に今回は無理をして歩いて帰るつもりもないし、迷っても大丈夫である。
■タマモ > 歩いているのは、山道でも獣道でも無い、道無き道。
これも気紛れ、木々を抜け、茂みを避けて進んでいた。
目的は無くとも、何かあれば嬉しいものだが…そう思いながら。
「………む?」
ふと、足を止める。
視線は少し前にある茂み、そこに生る木の実だ。
…うん、見た目は美味しそうである。
近付いていけば、触れてみたり、匂いを嗅いだり、色々と試して。
■タマモ > 試した結果はこうである、これは食べれる。
そうと決まれば、後の行動は決まっていた。
ひょいっと一つを摘み取り、ぱくり。
もぐもぐもぐ…ごくん。
「………お、おぉ…甘くて美味しいのじゃ、これはなかなかに良い物を見付けたものじゃのぅ」
食べれる事は確信していたが、味の方がどうであるかは何とも言えなかった。
その味が自分の好みと分かれば、こう…自然と表情に笑みが零れる。
「よし、これは是非持ち帰らねばならんじゃろう」
袖からいつもの風呂敷を取り出し、地面へと広げる。
そして、次々と木の実を積んでは風呂敷へと放っていった。
■タマモ > その茂みの中の木の実を摘み尽し、もう無いか?と辺りを見回す。
近くに見える、同じような茂み。
そこにも木の実が生っていれば、風呂敷を手に、そちらへと向かって行く。
同じように木の実を摘み、風呂敷に…それを繰り返す。
思ったよりも数は多く、気が付けば風呂敷一杯になっていた。
「これだけあれば、皆に分けても十分に妾の分があるじゃろう。
皆の喜ぶ顔が目に浮かぶようじゃ…うむ」
風呂敷を包み、しっかりと結ぶ。
よいせ、とそれを背負った。…思ったよりも、重い。
■タマモ > さて、荷物もこう増えてしまったのだ、これ以上先に進むのはちと辛いか。
そう思えば、少女は踵を返して来た道を戻り始めた。
…もとい、来た方角へと戻り始めた。
道なんてものは無いのだ、頼れるのは方向感覚だけである。
その辺りは、まぁ、どうにかなるだろう。
そんな帰り道、途中でふっと何かを思い出したように笑う。
自分にある矛盾、それを思い浮かべて。
そんな自分が、何かおかしく思えてしまったから。
ともあれ、その後はしばらく歩いてはいたが、結局面倒になって式を今回は呼ぶ事になるのであった。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からタマモさんが去りました。