2017/05/14 のログ
■タマモ > まぁ、道はどこかに続いているもの。
先に進めば、いずれはどこかに辿り着くもの。
そんなものである。
…と言う訳で、少し悩みはしたが、少女は歩みを再開する。
一時間経過。
獣道のお陰で、道を外れる事はない。
しかし、少女の前には一つの試練が用意された。
「なん…じゃと…!?」
分かれ道。
方向感覚さえ失った少女に、選択肢が突きつけられる。
せめて、正しい方角が分かれば、それを選ぶのだが…
「………一人くらいは、残しておくべきじゃったか…」
分かれ道を前に、少女は唸る。
来る時に、そういうのは確認しておくべきだったのだ。
まぁ、それも後の祭りである。
■タマモ > さて、どうしたものか?
別に勘を頼っても良いのだが、間違えると困る問題が一つあったりするのだ。
真っ直ぐに戻る分、それだけの食べ物しか持ってきてない、という。
「なんじゃろうか…この状況、何やら既視感らしきものを感じるんじゃが…」
ごそごそと、袖の中に手を突っ込んで、何やら確認。
あぁ、やっぱり真っ直ぐ歩いて帰る分しかない、という。
この付近で、山菜でも採れれば問題は無いのだが…はてさて。
とりあえず、帰りの途中で誰かに会えるのを期待しよう。
そんな感じである。
■タマモ > 方針が決まれば、少女の決断は早い。
ぽんっ、と手元に唐傘を取り出せば、それを立てて…手を離す。
ゆらゆらと建てられた唐傘は揺らぎ…ぱたん、と倒れる。
ひょいっと拾い上げれば、再び手元から唐傘をぽんっ、と消す。
いつもの決め方なのだ、気にしないで貰いたい。
倒れた方向へと足を向ければ、そちらへと…向かおうとするが、まだ足は進まない。
視線の先、そこは獣道さえも無い状態だった。
「むむむ…これを行けと言うのか…?
まぁ、無理ではなさそうじゃが…いや、しかし…うーむ…」
実際には、方角は正しかったりする。
ただ、道の一つを選んでも曲がったりして、結局はその方向に行く事となる事を、少女は知らない。
踏み出す勇気、今、試される。
…とは、少々違う気がしないでもないが、少女は進み始めた。
そのまま、少女の姿は木々の中に消えていく。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からタマモさんが去りました。