2017/04/04 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」にメイファさんが現れました。
メイファ > 薄暗い街道沿い、其処に立つのは少女一人で周囲には何人もの男性が倒れ伏せている。
死んでいる訳では無い、皆が皆気を失っているだけである。

「弱い癖に数が揃うと強気になる連中って困るよ。
もう、まだ着いてもいないのに三組目…四組目?」

パンパンと手を叩き傍に置いてあった背負い袋を手に取る。
港湾都市ダイラスで会ったシェンヤンの者達に、目的であるシェンヤンを裏切ったと言われる道士の話を聞いた。
山中に消えてしまい消息が掴めなくなったが、其の前は此の九頭龍山脈の麓にある集落ドラゴンフィートに在る何らかの集団と共に居たらしい。
先ずは其処に行ってみようとこうして街道を進んでいたのだが、こうして山賊達が襲ってきた、という流れ。
強い相手と闘うの為らば兎も角、弱い相手と闘う趣味は余り無い。
そうは言っても降りかかる火の粉は払う必要もある。
もう来ない事を祈りつつ、気を取り直して歩みを再開して。

メイファ > (そういえば、ドラゴンフィートってどんな所なんだっけ?)

九頭龍山脈の麓にある集落、としか聞いてない。
ダイラスなら港湾都市だから海沿いに在るとか、王都マグメールなら王都と云うだけに想像し易い。
此の少女の中での集落と言えば村落の様な感じのものを想像してしまう。
だが、余り賑やかだったりする場所は苦手だったのを考えれば、あの子には合う場所なのかもしれないとは思う。

「何にしても、さっさと見付けて…はっきりさせないとね」

正直な話、実はまだ本当に裏切ったのだとは信じていなかった。
確かに争いは好まないし他人の物を奪ったりするのは嫌っている。
だからと言ってそんなのは裏切る理由に為るとは思えない。
なら他にどんな理由が在るだろうと考えれば、其の集落の者達に騙されている事。
そうであるならば、其の者達を倒して連れ戻せば万事解決である。
一番厄介なのは、何かしらの理由で本当に裏切っている事だ。

どちらにしても調べてみればはっきりとする。

メイファ > 目的地はまだ遠い。
日も既に落ちた事だし今日は野宿にしようと考え始める。
流石に街道で寝る訳にもいかない、程よい場所を探して少し街道を外れていった。

その後、もう一組だけ山賊が現われる訳だが…結果は同じだろう。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」からメイファさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にディールさんが現れました。
ディール > ―――ツイてない。まさに男の現状と今日一日を思い返すならこの言葉が当て嵌まるだろう。
道に迷った貴婦人らしき存在を眼にし、下心を持って近付いた所、実際には己を遥かに超えた力量の存在。
そして身分も相応に高貴だったために自分では気配すら悟る事のできない腕利きの護衛が多数居た。
尻に触れようと掌を伸ばした際に、喉首に短刀を突きつけられて漸く護衛の存在を悟ったのだが。

「――慣れねぇ事はするもんじゃねぇな。」

結局場を収める為に護身用の道具を殆ど使いきってしまった。
後ろから追われる恐怖を感じたのは久々であり、命の危険を感じれば備えを惜しみなく使い続ける。
何せ己は、普通の人よりは強くとも、死ぬ可能性は十分に秘めた『弱い』存在なのだから。
大分軽くなった往診バッグ、中に残っているのは催眠ガスのスプレーとほんの少しの魔力を秘めた宝石の数々。
――媚薬入りのローションやオイルといったものもあるが、これは護身の役には立たないだろう。

「……で、ここどこだよ。」

途方にくれた様に山道を振り返った。
山道――というよりも。これは獣道というほうが近いだろうか。

ディール > 空が晴れていれば――と思う人も居るだろう。
だがここは山奥。そして逃げる為に道ならぬ道を進み続けたのだ。
当然、自分の頭上に星は瞬く事無く――うっそうと生い茂り、新緑の若葉を思わせる青臭い香りが鼻を突く。
救いは、この山中の植物に食べられる物と果実に水をたっぷりと蓄えた水蜜草とも呼ばれる植物が存在していた事くらい。

「くっそ、女には出会えねぇし大赤字にはなるしよ…。一体俺が何をしたと言うんだい、神様よ。」

日頃の行いを棚に上げる。女性と見れば見境無く手を出そうとし、凡そ善とはいえない行動しか取らない男。
神がいれば神罰の一つも下す事だろう。
一応救いを呼ぶ手は無くはない。
途中にあった植物の幾つかを合成させた事で『女性の興味を惹く媚香』を調合して道すがらまいて来ている。
近くに運良く道を知る女性や、何かしら王都まで運搬できる手段を持つ女性が居れば香りに導かれる可能性は――0ではない。
多分。

ディール > 「しかしあの女良い女だったよなぁ。」

ついぞ数刻前に自分が命を落としそうになった事を忘れたのか。
いや、覚えていてもそれが性なのか。ゆったりとした臀部の脹らみ、たっぷりと実った乳房に妙齢の女性。
薄く肌の周囲に漂わせている香りは日頃から丁寧に香りの元を肌に刷り込んでいたのだろう。
……今にして思えば、寧ろアレは不埒な男を引き寄せる為の罠ではないのかという疑惑すら頭に浮かぶが。

「救助の為に火を起こす――ってのもねぇな。適当にここから移動しても下手すりゃ全然違う方向に進んじまう。」

幾つかの手は打つが山で迷った場合、基本的に取る手は限られている。
水を確保し、食料を確保し、そして人の目――いやこの場合鼻か。そこに訴え掛けるようにして誰か白髪近くを通りがかるのを待つ。
猛獣や魔族等の危険な存在もいるだろうが、それでも無闇に歩き回るよりは助かる可能性はこちらの方が高い。
何より、上手くいけば有る意味で美味しい救助が待っているかも知れぬ為だ。
こればかりは日頃の行いと運。……神にこっそりと毒づきながら、何かしらの変化があるまで腰を下ろしている。