2017/01/31 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にタマモさんが現れました。
タマモ > …おかしい。
洞窟から出て数日、少女はそんな事を考えながら、まだ山中を彷徨っていた。
久々の自然の中だと転移も使わず歩いて向かう王都、結構歩いたはずなのだが…まだまだ街道にさえ着いていない。
それもそのはず、少女の向かっている先は王都とは真逆の方角なのだ。
どこそこに向かわなければ、と気を入れて向かえば、それなりにちゃんと目的地に着ける。
だが、適当で良いやー感覚で向かってしまえばこんなもの。

「うむ…迷った」

ぽつりと呟く、今更な言葉。
一旦ぴたりと足を止め、空を見上げる。
…うん、日が沈んでて方向が読めない。
星?そんなものの位置なんぞ知るものか。

「こんな時こそ、これかのぅ?」

ぽんっ、と手元に出すのは唐傘。
ぴたりと立てれば、そっと手を離し…支えを失った唐傘は、ぱたりと倒れる。
向いている方向は…後ろ。

「………」

沈黙。
何というか…こうして、逆走しているのに気付いてしまうと、何となくあれである。

タマモ > ちらっ、と後ろを見る。
そして前を見る。
またちらっ、と後ろを…

「………まぁ、あれじゃな…楽しみは後になれば後になる程により良く感じるものなのじゃ…」

ひょいっと倒れた唐傘を手にすれば、ばさりと広げて肩に掛ける。
王都に着いたなら、これでもかというくらいに食べてやる。
…小食だが。
まぁ、別のご馳走でも良いのだが、そちらはそうそう都合は付かない。

ともあれ、目的の方向は決まった。
くるりと踵を返すと、来た道を戻るように歩き始める。

タマモ > それから、もと来た道を戻ったはずなのに、スタート地点にいつまでも戻れない…
なんてオチもあるのだが、それはまだまだ先の話である。
少女がちゃんとした帰路につけるのは一体いつになるのやら…

ご案内:「九頭龍山脈 山中」からタマモさんが去りました。