2016/09/20 のログ
■ミリーディア > 別にこの場所に来るなら来るで構わない。
だが、変に力を使ってくれたせいで、こうして自分が来る結果になってしまった。
そんな誰とも分からぬ相手を軽く恨みながら、報告書をまとめておいた。
非常に高い魔力行使の形跡あり、後、その者は麓へと移動。
更に同質の魔力を感知、その者は魔族の国の方角へと移動。
細かく書いてしまったら、またうるさい連中が騒ぎ出すだろう。それを考慮して、普段通りの大雑把な内容にしておいた。
「何にしても、この前者が問題だな…麓か…」
とんとんと報告書をペン先で小突きながら、再び溜息。
ただでさえ、あの麓の集落は一部の連中に睨まれている。
結果次第では、下手をすれば大事になりかねないだろう。
とにもかくにも、次の目的地はその麓の集落だ。
果たしてどうなる事やら…そんな事を考えながら、踵を返して馬車へと戻り始めた。
■ミリーディア > 目的地から、馬車を待つ街道への戻り道。
弱かった雨足が、その強さを次第に増していた。
周りに張ってある膜で自分が濡れる心配は無いが、これから向かう道程は少々大変そうかもしれない。
そう、馬車での行く道も、目的である視察も。
面倒事を嫌う少女は、ただただ頭を悩ませるのであった。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からミリーディアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にサクヤさんが現れました。
■サクヤ > 今日は依頼を兼ねての修行日。
九頭竜山中の宿場まで湯治の客を送り届けた少女は、帰りを兼ねての山籠もり。
昨日は素敵なお友達が出来たから、今日も何かあるかな、なんて期待をしつつ、泉の畔に立っていた。
今日狙う獲物は、月明かりにゆらゆらと煌く魚影。
忍装束の上衣を脱ぐと、ぴっちりと体にフィットする黒い一枚のみを纏って。
「――さて、お魚採るよぅ。上手く捕まえられるといいな……♪」
ざぶん、と飛び込み、水の中を遊ぶように泳ぐ。
すい、すい、と水をかき分けながら魚に近寄ると、腰の後ろに備えた苦無を抜き放つ。
水の中をかき分けるように、込められた術式を起動。
ひゅん、と水中に流れを作りながら横薙ぎに魚を指すと、水底を蹴って水面へ。
「ぷはっ、まずは一匹っ……♪」
よしよし、と頷きながら、用意していた籠に魚を入れる。
そして、今度は二匹目の魚を求めて水の中へと戻っていって。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 九頭龍山脈にも小川の一つや二つやあるものだ。
普段釣りを楽しむ自然地帯を離れ、今日は山脈をさ迷い歩いていた。
結果は…飛べば簡単に見付かるものを、歩いて探した為に見付からなかった。
結構な時間歩いて歩いて歩いて…日も沈み、それでも諦めずに歩き続ける。
そんな中、目に映ったのは木々の隙間から見える水の揺らめき。
「………見付けたああああああああぁっ!」
喜び勇んで猛ダッシュ、そして、泉の前で立ち止まった。
よし、これならばきっと魚が釣れるに違いない。
泉を満足気に見詰めながら、釣竿やらタライやら準備をするのだが…ふと、視線に先客らしき影が見えた。
しかも、釣りではなくて、泉の中に入っている。
うん、この状況で釣りとか、無理そうだよね?
そんな事を頭に浮かべながら、じーっとそちらへと視線を向けてみた。
■サクヤ > 随分と水の中にいた少女は、水遊びを兼ねて四匹の魚を静かに仕留めた。
二匹は夜ご飯、残りの二匹は干物にして売ろうかなぁなんて考え中。
最後、水底から勢いをつけて、そのまま水面をざばぁん、と人魚の様に宙返り。
そのまますとんと川岸に着地すると、体をフルフルと震わせて水を落とす
それはさながら犬かあるいは狼の様な、そんな雰囲気を纏った仕草で。
「ふぅ、これでお夕飯ゲットー♪やっぱり水遁は気持ちいいねぇ」
んぅぅ、と伸びをして、ふと魚籠の方に視線を向ける。
目と目が合う。沈黙。恋が始まるかというとそういうわけでもない。
きょとん、としながらも、少女はとりあえずぺこっと頭を下げて。
「あ、こんばんはだよー……あ、もしかして釣りしに来たとか?
むむ……今ちょっと水の中引っ掻き回しちゃったから、お魚が怖がってるかもだよー」
ごめんよー、なんてしゅーんとしながら、もう一度頭を下げるのである。
■タマモ > 向けている視線の中、その影は魚を手に水の中から現れる。
…いや、飛び出してきた、といった感じか。
側に着地をする影、よく見れば少女であるのが分かった。
水を払う様子に軽く首を傾げながらも、言葉の中に聞き覚えのある単語を聞き取り、ん?となる。
そして、やっとこちらに気が付く少女。同じく沈黙。
頭を下げて言葉をかけてくる少女に、ひらりと手を振った。
「うむ、こんばんはじゃのぅ。
…いや、まぁ、一応は、な?確かに、今日はちと無理そうじゃ…仕方ないじゃろう」
残念ではあるが、少女が先客である、ここで文句を言っても仕方が無い。
申し訳無さそうに頭を下げる少女に、気にするでない、と宥めるように下げた頭に手を伸ばし、撫でておいた。
………自分より小さい、ちょっと嬉しい。耳と尻尾をゆらゆらと揺らす。
■サクヤ > 手を振られれば振り返し、撫でられれば甘えるように擦りつく。
普段はふかふかな髪の毛だが、今は濡れているからしっとり風味。
しょんぼりしていたのも少しの間で、許してもらえたならにっこり笑顔に変わっていく。
そしてふと、手元の魚を見ると、それをそっと差し出しながら。
「ん、釣りのお詫びに、お魚持ってってよ。
ボクが食べる分はあるしさ――だから、ね?」
懐から取り出した葉っぱで包んで、押し付けるように渡してしまって。
自分より大きな彼女を見やり、にっかり笑ってみせるのだ。
そして、泉の畔、先に整えておいた薪の方へと歩みを進めると、畳んで置いた上着の陰から短剣を取り出す。
赤い幅広のそれを薪に向けて振ると、ぼわっ、と炎が沸き上がるようにあふれ出て、一瞬で焚火に変わる。
そうして、濡れた体を火に当てながら、彼女にそっと手招きをして。
「時間があるなら、付き合ってよ。
山の夜は一人だと寂しいからね?」
ぽかぽかと揺れる炎を楽しみながら、誘う。
彼女が乗ってくれるなら、きっと嬉しそうに笑ったことだろう。
■タマモ > なんというか、何かすれば何か反応が返ってくる様子は見ていて楽しい。
そんな事を考えながら眺めていれば、手元の魚を差し出す少女。
元々の目的は釣っても戻すキャッチアンドリリースだったのだが…お詫びとか言われれば、受け取らねば逆に悪いかと受け取った。
「ふむ…では、ありがたく、のぅ」
受け取った葉に包まれた魚を、袖の中へとしまっておいた。
さて、とはいえこれからどうしたものかと思案を巡らせようとしたところに…続けて声が掛かる。
まぁ、その間の少女の行動は見詰めていたが、炎を出したとか、別にびっくりするような事ではない。
なにせ、先程の言葉から忍術やらを使うだろうとは思っていたからだ。
「うん?どうせやる事もなくなったのじゃ、暇と言えば暇じゃが…
ふむ…良いぞ?一人が寂しいならば、少しは相手をしてやろう」
言葉の通りだ、そうなれば、無碍に誘いを断る事もないだろう。
手招きする少女に近付けば、よいせ、と隣に座り込む。
誘いに乗ったというのもあるし、もう少し間近で少女を見てみたいというのもあるし…まぁ、他にも色々とある、うん。